かとうかいとの語面あそばせ

落語の「枕」を換骨奪胎した言葉あそびの話文芸【まくら×ざぶとん】の噺家/日常の&quo…

かとうかいとの語面あそばせ

落語の「枕」を換骨奪胎した言葉あそびの話文芸【まくら×ざぶとん】の噺家/日常の"発見"を端的に書き留める《メっけモん》(まくらと併せて【マ行】)の編集長 ⇒https://note.mu/mekkemon 【サ行】はこちら ⇒https://note.mu/okita1080

マガジン

記事一覧

純文学は感性。
エンタメは理性。
感覚の芸術には天才がいて、
理屈の娯楽には職人がいる。

【まくら✖ざぶとん】①⑨①『伊勢・尾張紀行』

えー、ご時世もご時世ならいつとは云わぬが旅に出かけてきたらその一節を書いて一席をかけねばならぬのが紀行文、前回の東北方面に続いて此度は東海地方へレッツラゴー。 …

【まくら✖ざぶとん】➊➒⓪『蹴球事変』

その界隈ならずとも蹴球界の二大巨星を尋ねれば知らぬ人は少ないリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウド、絶大な影響力を持つ二人がそろって移籍するなんてもう事件…

【まくら✖ざぶとん】①⑧⑨『東京五輪丸』

いったいぜんたいやるのかやらないのか築地市場の豊洲移転ばりに二転三転はせずとも「やるのかい!やらないのかい!どっちなんだい!!」というなかやまきんに君のネタばり…

【まくら✖ざぶとん】①⓼⓼『歳食い』

さてはて例年によってこの時期は我が物顔で我が事語りする生誕祭ネタだが今年はゾロ目の回とも重なってりゃ節目も節目、まくらでも使い回して使い古してきたこのフレーズ、…

【まくら✖ざぶとん】①⑧⑦『活弁批評』映画短評➌〈PMC ザ・バンカー〉

いつぞやの『映画月間』からの『映画曜日』と来て、此度はここに至ってついに単体作品での映画まくら、見どころはあれど今ひとつどころか過去みっつくらい魅力が伝わりづら…

【まくら✖ざぶとん】①⑧⑥『蛇茶番』

やあやあみなさまごきげんよう、おおよそ月に二回の更新アップロードならぬ高座アップステージはきっちりと、ってことで此度はまくらの定番企画たる脱走モノ、もはや記憶に…

酔いどれ小説【ベロベロノベロ】alc.3%『交差点』

「交わらなさすぎじゃない?」 交差点を見下ろしながら、彼女はそうつぶやいた。 「こんなに人間がいて、こんなに人間同士ですれ違ってるのに、ほとんどの人間とは交わる…

【まくら✖ざぶとん】①⑧⑤『トリッパーズ'ホテル➋《Q》&《A》➊』

まったくさっそく此度はいつかいつぞやの話の続き。いったいぜんたいいつのことやら世にも摩訶不可思議なホテルの寓話。まずはおさらいがてら前回のくだりをさかのぼりプレ…

酔いどれ小説【ベロベロノベロ】alc.2%『終電』

終電がなくてよかった。 そう思ったことが、一度だけある。 いつだったか、そこまでは思い出さなくていい。 幾度も別れては付き合った昔の恋人と何度目かに別れた日、今と…

酔いどれ小説【ベロベロノベロ】alc.1%『すききらい』

人間は、自分の好き嫌いのことばかり話す。 何を好きになり、何を嫌いになるか、それこそが自分のアイデンティティであると思いがちだけど、突き詰めてみるとそうではない…

万人ウケの模範解答を目指すエンタメ(笑い)の根底には理(学)系の定理構築

玄人向けの前衛作品を目指すアート(制作物)の根底には文(学)系の起承転結

の要素が大いに影響する。

正解がある前者は「点」
正解がない後者は「転」

が強く意識される。

酔いどれ小説【ベロベロノベロ】alc.0% ※随時更新

歴史を振り返る限り、たぶんアーティストとドラッグは切っても切り離せない関係にある、のだろうと思われるにきっと違いない。 我々が普段、当たり前のように耳にして口ず…

【まくら✖ざぶとん】①⑧④『常陸・陸前・蝦夷紀行』

さてはて巷で話題の政府が流行らせ廃らせたGO TO TRAVEL再開は今のところGO TO TROUBLEまっしぐら、旅行といえばいつからか定番化した紀行まくらだが紀州以来の動物園めぐ…

【まくら✖ざぶとん】①⑧③『低反発まくら➒〈宣伝会議賞〉』

おやまぁ寒かった冬はいずこやどこへやら、すっかり桜も満開で春も爛漫、卯月よまだ来るな、と弥生にしがみつきすがりつくように高座にのぼってまくらを更新、相も変わらず…

【まくら✖ざぶとん】①⑧②『映画曜日』映画短評➋〈ヤクザと極道〉

えー、えらい早いもので暦は弥生、睦月・如月と一月に一席ずつじゃ今年も二百席まで届かないとくりゃ、いっちょここらで高座に上がるペースを上げてかなきゃならぬ、てなわ…

純文学は感性。
エンタメは理性。
感覚の芸術には天才がいて、
理屈の娯楽には職人がいる。

【まくら✖ざぶとん】①⑨①『伊勢・尾張紀行』

【まくら✖ざぶとん】①⑨①『伊勢・尾張紀行』

えー、ご時世もご時世ならいつとは云わぬが旅に出かけてきたらその一節を書いて一席をかけねばならぬのが紀行文、前回の東北方面に続いて此度は東海地方へレッツラゴー。

いやはや参った、とばかりに食べたい物がまったくもって思いつかなかったとある晩のこと、尾張に名物のモーニングでも食いに行くか、と思い立ったが吉日ならぬ吉時、深夜から家をあくせく出発してアクセル踏み込んで車を走らせること数時間、尾張に達するあ

もっとみる

【まくら✖ざぶとん】➊➒⓪『蹴球事変』

その界隈ならずとも蹴球界の二大巨星を尋ねれば知らぬ人は少ないリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウド、絶大な影響力を持つ二人がそろって移籍するなんてもう事件も事件よ蹴球事変、欧州戦線の勢力図が新時代に突入する分水嶺となりそうならここに記録しておかねばなるまいに。

野球漫画でもやりすぎなほど現実を超越したキャラクター設定を実現しているのが大谷翔平なら、蹴球漫画でもやりすぎなほど常識を逸脱したラ

もっとみる
【まくら✖ざぶとん】①⑧⑨『東京五輪丸』

【まくら✖ざぶとん】①⑧⑨『東京五輪丸』

いったいぜんたいやるのかやらないのか築地市場の豊洲移転ばりに二転三転はせずとも「やるのかい!やらないのかい!どっちなんだい!!」というなかやまきんに君のネタばりには二者択一を迫られた東京五輪2020が閉幕したのがまあ早いものでつい先日のこと。

果たして裏金なり裏口なりうらがあったのか「お・も・て・な・し」で招致した東京五輪は船出からトラブルに次ぐトラブルのオンパレード、新しい国立競技場や大会エン

もっとみる
【まくら✖ざぶとん】①⓼⓼『歳食い』

【まくら✖ざぶとん】①⓼⓼『歳食い』

さてはて例年によってこの時期は我が物顔で我が事語りする生誕祭ネタだが今年はゾロ目の回とも重なってりゃ節目も節目、まくらでも使い回して使い古してきたこのフレーズ、知ってる方がいようといまいと、いますよね?と節目がちでありながら上目づかいでお送りしていきたい所存。

「早くも」を意味する「はや」を二十代から使ってきてしまっただけに最近はそれに「も」がついての「最早」三十代半ば、早熟な人間であれど三十路

もっとみる
【まくら✖ざぶとん】①⑧⑦『活弁批評』映画短評➌〈PMC ザ・バンカー〉

【まくら✖ざぶとん】①⑧⑦『活弁批評』映画短評➌〈PMC ザ・バンカー〉

いつぞやの『映画月間』からの『映画曜日』と来て、此度はここに至ってついに単体作品での映画まくら、見どころはあれど今ひとつどころか過去みっつくらい魅力が伝わりづらい作品こそ短評解説の出番、てなわけで活動弁士のごとき語り口で一席を。

タイトルかつメインキャストのPMC[Private Military Company]=民間軍事会社たる雇われ傭兵部隊が守るのは国でも家でもなく報酬の金と同舟の命、関係

もっとみる
【まくら✖ざぶとん】①⑧⑥『蛇茶番』

【まくら✖ざぶとん】①⑧⑥『蛇茶番』

やあやあみなさまごきげんよう、おおよそ月に二回の更新アップロードならぬ高座アップステージはきっちりと、ってことで此度はまくらの定番企画たる脱走モノ、もはや記憶に新しくもない拳銃強奪男に逃走容疑者×2、脱獄受刑者とさかのぼっていけば人間ばっかり。

元はといえば動物園から脱走したゾウガメがこの企画のきっかけ、落語の演目『蛙茶番』に内容まではなぞらえず題目とニュアンスだけ拝借した『亀茶番』の一席から経

もっとみる
酔いどれ小説【ベロベロノベロ】alc.3%『交差点』

酔いどれ小説【ベロベロノベロ】alc.3%『交差点』

「交わらなさすぎじゃない?」

交差点を見下ろしながら、彼女はそうつぶやいた。

「こんなに人間がいて、こんなに人間同士ですれ違ってるのに、ほとんどの人間とは交わることがないんだよ?」
彼女がわざと「ニンゲン」と発音しているように聞こえる。

「ここですれ違ってることを、『交わっている』と思うべきなんじゃないかな」
僕はそう云い返した。
本当にそう思っているわけじゃなくて、あくまで彼女の言葉を踏ま

もっとみる
【まくら✖ざぶとん】①⑧⑤『トリッパーズ'ホテル➋《Q》&《A》➊』

【まくら✖ざぶとん】①⑧⑤『トリッパーズ'ホテル➋《Q》&《A》➊』

まったくさっそく此度はいつかいつぞやの話の続き。いったいぜんたいいつのことやら世にも摩訶不可思議なホテルの寓話。まずはおさらいがてら前回のくだりをさかのぼりプレイバックのフラッシュバック。

そんなこんなで《扉人》に迎えられて《トリッパーズ'ホテル》の中に入ると、そこに広がるエントランス'ロビーの奥にはホテルのフロント。
フロントにはチェックイン/チェックアウトのための〈コンシェルジュ=Conci

もっとみる
酔いどれ小説【ベロベロノベロ】alc.2%『終電』

酔いどれ小説【ベロベロノベロ】alc.2%『終電』

終電がなくてよかった。

そう思ったことが、一度だけある。
いつだったか、そこまでは思い出さなくていい。
幾度も別れては付き合った昔の恋人と何度目かに別れた日、今となっては何回分の一の別れかもしれないけど、当時はそれに慣れていたわけでもまた付き合うだろうと思っていたわけもなく、一回一回が真剣そのもの、いざ別れるとなれば胸は大騒ぎ、頭は空回り。

別れ話ったらもう、だらだらと長引くものだ。
同じ問答

もっとみる

酔いどれ小説【ベロベロノベロ】alc.1%『すききらい』

人間は、自分の好き嫌いのことばかり話す。
何を好きになり、何を嫌いになるか、それこそが自分のアイデンティティであると思いがちだけど、突き詰めてみるとそうではない。

好き嫌いってのはつまり、喜怒哀楽の喜怒。喜びと怒りのことである。
喜怒哀楽の哀楽。哀しいときは涙が出るし楽しいときは笑顔になるけど、喜びの嬉しいと怒りの腹立たしいはそこまで単純ではない。無表情で喜ぶ人もいれば仏頂面で怒る人もいるが、傍

もっとみる

万人ウケの模範解答を目指すエンタメ(笑い)の根底には理(学)系の定理構築

玄人向けの前衛作品を目指すアート(制作物)の根底には文(学)系の起承転結

の要素が大いに影響する。

正解がある前者は「点」
正解がない後者は「転」

が強く意識される。

酔いどれ小説【ベロベロノベロ】alc.0% ※随時更新

酔いどれ小説【ベロベロノベロ】alc.0% ※随時更新

歴史を振り返る限り、たぶんアーティストとドラッグは切っても切り離せない関係にある、のだろうと思われるにきっと違いない。

我々が普段、当たり前のように耳にして口ずさんでいる名曲とて、アーティストがドラッグを使ってマーシャルの匂いで飛んじゃってからベンジーが肺に映ってトリップしながら作ったのかもしれない。
それは「神のみぞ知る」ならぬ「本人のみぞ知る」ところだ。

どれだけDrug drives m

もっとみる
【まくら✖ざぶとん】①⑧④『常陸・陸前・蝦夷紀行』

【まくら✖ざぶとん】①⑧④『常陸・陸前・蝦夷紀行』

さてはて巷で話題の政府が流行らせ廃らせたGO TO TRAVEL再開は今のところGO TO TROUBLEまっしぐら、旅行といえばいつからか定番化した紀行まくらだが紀州以来の動物園めぐりにいつだったか赴いたってんなら、ご時世もご時世だしいつかは云わぬままにまるっとまとめてお届け。

常陸といえば大洗水族館のオススメはマンボウ、ボウっと覇気も邪気も無邪気さもなく無表情で水中に浮かび続けるだけの姿は人

もっとみる
【まくら✖ざぶとん】①⑧③『低反発まくら➒〈宣伝会議賞〉』

【まくら✖ざぶとん】①⑧③『低反発まくら➒〈宣伝会議賞〉』

おやまぁ寒かった冬はいずこやどこへやら、すっかり桜も満開で春も爛漫、卯月よまだ来るな、と弥生にしがみつきすがりつくように高座にのぼってまくらを更新、相も変わらず問わず語りの我が事語りたる低反発まくら。

馴染みのそば屋からの軍師金もなくなって久しくなりゃ、〈球技賭博〉や株式投資の軍資金稼ぎに再開したのは公募活動、賞金賞金賞金賞金…!と目玉を¥__$にして探せばわらわら出て来る賞の数々、へらへらと飯

もっとみる
【まくら✖ざぶとん】①⑧②『映画曜日』映画短評➋〈ヤクザと極道〉

【まくら✖ざぶとん】①⑧②『映画曜日』映画短評➋〈ヤクザと極道〉

えー、えらい早いもので暦は弥生、睦月・如月と一月に一席ずつじゃ今年も二百席まで届かないとくりゃ、いっちょここらで高座に上がるペースを上げてかなきゃならぬ、てなわけで此度は久々に映画を題材にした一席をば。

書評なり戦評なりのサ行を載せる別垢もあるにはあって、なんなら前回に倣って鑑賞記録アプリのリンクを貼っつけときゃ済むっちゃ済むがそれもまた味気なし、同じ時期に公開された同じ題材を扱う邦画をまとめて

もっとみる