松下愛

5歳児の母、第2子妊娠中。 日本の伝統・人類学・生態学・教育・食と農に興味。 茶道お稽…

松下愛

5歳児の母、第2子妊娠中。 日本の伝統・人類学・生態学・教育・食と農に興味。 茶道お稽古歴10年、五感を開く海と山のお茶会や親子のWSを開くことを夢見ている。 シュタイナー教育/ホリスティックヘルス/薬膳について学び中。保育士・生物学教員免許。 東大院→テレビ局⇄ベンチャー。

記事一覧

清々しい風を起こす一歩とは 〜6月のお軸より〜

「歩々清風を起こす」 (ほほ せいふう をおこす) 一生懸命に一歩一歩進んでいる人の後ろには 爽やかな風が立つという意味。 先生が「そうじゃない人の後ろには埃が立つ…

松下愛
4週間前

和菓子ひとつで小旅行

鶴屋吉信さんの「王朝花傘」という和菓子。 5月に京都の上賀茂・下鴨神社で開催される葵祭にちなんだもので、行列に登場する花傘(風流傘)を表しているのだそう。※今年の…

松下愛
1か月前
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茶室の花から広がる世界 〜花と漢方〜

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」 お稽古をしている間にどんどん蕾が開いて 芍薬が丸く丸く膨らんだ。 花びらの周囲がほわっと柔らかくなったような 空気が…

松下愛
1か月前
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忘れてしまった豊かさをふと思い出させてくれるような、軽やかなスイッチになり得るもの。

針葉樹を中心に蒸留・加工したシロップ。 まさに森の味がした。 丁寧に蒸留したであろう、と思えるのは、 それまでに生きてきた樹の年月を感じさせるからだろうか。 10年…

松下愛
1年前
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f分の1の揺らぎと伝統文化の話

「f分の1の揺らぎ」という言葉はどれくらいポピュラーなのだろう。 私が初めて「f分の1の揺らぎ」について知ったのは、大学で農学部にいたときに聴いた「森林浴」の講義だ…

松下愛
2年前
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拮抗ではなく補完する感覚たち

もう一月も終わろうとしているが、たまたま知人に今年の抱負を話す機会があり、「今年のテーマは、英語とアートに触れることにしたんです!」と言っている自分がいた。 英…

松下愛
2年前
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学校って何だろう?〜絵本からも考えてみた〜

去年の春、地元の岐阜市に興味深い中学校ができた。多様性が認められる学校だという。 ●「東海地方初の公立不登校特例校が開校 岐阜市草潤中」 https://www.asahi.com/ar

松下愛
2年前
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テレビなし育児 〜絵本のススメ 3ヶ月から1歳半〜

私の家にはテレビがない。 前々回の引越しの時に処分したので、早3年ほど無いのだけれど、全く困らない。テレビ局に勤めていた手前、前の同僚に話すと、え!?となるのだけ…

松下愛
2年前
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清々しい風を起こす一歩とは 〜6月のお軸より〜

清々しい風を起こす一歩とは 〜6月のお軸より〜

「歩々清風を起こす」
(ほほ せいふう をおこす)

一生懸命に一歩一歩進んでいる人の後ろには
爽やかな風が立つという意味。
先生が「そうじゃない人の後ろには埃が立つんですって」といたずらっぽく笑った。

私はこの一歩一歩というのを、何かに向かって行動している人、夢に向かって進んでいる人のことだと直感的に思った。挑戦している人は確かにかっこいい、と。

でも、もっと純粋に歩くという行為自体を捉えて

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和菓子ひとつで小旅行

和菓子ひとつで小旅行

鶴屋吉信さんの「王朝花傘」という和菓子。
5月に京都の上賀茂・下鴨神社で開催される葵祭にちなんだもので、行列に登場する花傘(風流傘)を表しているのだそう。※今年の葵祭は5月15日に開催

花傘には祓いの意味もあるとのことで、別の京都のお祭り「やすらい祭」では、花傘で町中を歩くことで、その時期に流行る疫病神を傘で吸い取り、神社へ閉じ込め鎮めていたのだとか。
花が枯れる頃には一緒に疫病神も朽ちると考え

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茶室の花から広がる世界 〜花と漢方〜

茶室の花から広がる世界 〜花と漢方〜

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
お稽古をしている間にどんどん蕾が開いて
芍薬が丸く丸く膨らんだ。

花びらの周囲がほわっと柔らかくなったような
空気が変わっていく瞬間。

実際に蕾の中に閉じ込められていた
湿度が広がっていったんではないかと想像する。
人間とは違う時の流れ、花の時間。

冒頭の言葉は
美人を表すものであると思っていたけど
古くは漢方薬の用い方を例えたものだと知り驚いた

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忘れてしまった豊かさをふと思い出させてくれるような、軽やかなスイッチになり得るもの。

忘れてしまった豊かさをふと思い出させてくれるような、軽やかなスイッチになり得るもの。

針葉樹を中心に蒸留・加工したシロップ。
まさに森の味がした。
丁寧に蒸留したであろう、と思えるのは、
それまでに生きてきた樹の年月を感じさせるからだろうか。

10年前、ボルネオの森を歩いていたとき、口々に先住の民が「この葉っぱは腹痛に効いて煎じて飲むのだ」「この茎は燻して精霊を呼ぶ祭りに使うのだ」と、そこかしこにある植物をとっては見せてくれた。

冷蔵庫や家ではなく、
森に広がる彼らの資源。

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f分の1の揺らぎと伝統文化の話

f分の1の揺らぎと伝統文化の話

「f分の1の揺らぎ」という言葉はどれくらいポピュラーなのだろう。
私が初めて「f分の1の揺らぎ」について知ったのは、大学で農学部にいたときに聴いた「森林浴」の講義だった。

緑の中からこぼれる木漏れ日、
小川のせせらぎの音、小鳥のさえずり…

私の簡素な記憶だと、「あぁ、なんとなく気持ちいいなぁ」と多くの人が感じるものにおいて、多くが同じ周波数・振幅数・比率(的なもの)となっていて、その一定の比率

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拮抗ではなく補完する感覚たち

拮抗ではなく補完する感覚たち

もう一月も終わろうとしているが、たまたま知人に今年の抱負を話す機会があり、「今年のテーマは、英語とアートに触れることにしたんです!」と言っている自分がいた。

英語は様々な価値観に出逢ういつかのために。
アートは私が私らしくあるために。

英語に関しては、1分くらいの動画を2日に1回くらい見ている。その他、英語で日記を書くことを試みて、それならばSNSに投稿しながら頑張ってみることにした。これは4

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学校って何だろう?〜絵本からも考えてみた〜

学校って何だろう?〜絵本からも考えてみた〜

去年の春、地元の岐阜市に興味深い中学校ができた。多様性が認められる学校だという。
●「東海地方初の公立不登校特例校が開校 岐阜市草潤中」
https://www.asahi.com/articles/ASP476QN4P47OHGB006.html

その開校式に、理想の学校として、京都大学総合博物館の塩瀬さんが紹介されたのが、絵本『バーバパパのがっこう』に出てくる学校だ。

●「岐阜市に「不登校

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テレビなし育児 〜絵本のススメ 3ヶ月から1歳半〜

テレビなし育児 〜絵本のススメ 3ヶ月から1歳半〜

私の家にはテレビがない。
前々回の引越しの時に処分したので、早3年ほど無いのだけれど、全く困らない。テレビ局に勤めていた手前、前の同僚に話すと、え!?となるのだけど、お構いなしだ。私自身も、確か中学3年〜高校時代はテレビを見ていなかったように思う。

このテレビ無し生活、子どもにとっても良いと感じている。
「テレビ無し育児」と検索すると、いろいろな情報が出てくると思うけれど、私が感じている一番のメ

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