松下愛

5歳児の母、第2子妊娠中。 日本の伝統・人類学・生態学・教育・食と農に興味。 茶道お稽…

松下愛

5歳児の母、第2子妊娠中。 日本の伝統・人類学・生態学・教育・食と農に興味。 茶道お稽古歴10年、五感を開く海と山のお茶会や親子のWSを開くことを夢見ている。 シュタイナー教育/ホリスティックヘルス/薬膳について学び中。保育士・生物学教員免許。 東大院→テレビ局⇄ベンチャー。

最近の記事

清々しい風を起こす一歩とは 〜6月のお軸より〜

「歩々清風を起こす」 (ほほ せいふう をおこす) 一生懸命に一歩一歩進んでいる人の後ろには 爽やかな風が立つという意味。 先生が「そうじゃない人の後ろには埃が立つんですって」といたずらっぽく笑った。 私はこの一歩一歩というのを、何かに向かって行動している人、夢に向かって進んでいる人のことだと直感的に思った。挑戦している人は確かにかっこいい、と。 でも、もっと純粋に歩くという行為自体を捉えてみると、深い意味があると思い直した。 毎日あたりまえにみんなが歩いているけれど、

    • 和菓子ひとつで小旅行

      鶴屋吉信さんの「王朝花傘」という和菓子。 5月に京都の上賀茂・下鴨神社で開催される葵祭にちなんだもので、行列に登場する花傘(風流傘)を表しているのだそう。※今年の葵祭は5月15日に開催 花傘には祓いの意味もあるとのことで、別の京都のお祭り「やすらい祭」では、花傘で町中を歩くことで、その時期に流行る疫病神を傘で吸い取り、神社へ閉じ込め鎮めていたのだとか。 花が枯れる頃には一緒に疫病神も朽ちると考えていたそうで、すごく興味深いなと思った。 末広がりで縁起物とも言われている傘が

      • 茶室の花から広がる世界 〜花と漢方〜

        「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」 お稽古をしている間にどんどん蕾が開いて 芍薬が丸く丸く膨らんだ。 花びらの周囲がほわっと柔らかくなったような 空気が変わっていく瞬間。 実際に蕾の中に閉じ込められていた 湿度が広がっていったんではないかと想像する。 人間とは違う時の流れ、花の時間。 冒頭の言葉は 美人を表すものであると思っていたけど 古くは漢方薬の用い方を例えたものだと知り驚いた。 例えば、立てば芍薬。 立てば=イライラした状態のときには 芍薬の根が痛みや

        • 忘れてしまった豊かさをふと思い出させてくれるような、軽やかなスイッチになり得るもの。

          針葉樹を中心に蒸留・加工したシロップ。 まさに森の味がした。 丁寧に蒸留したであろう、と思えるのは、 それまでに生きてきた樹の年月を感じさせるからだろうか。 10年前、ボルネオの森を歩いていたとき、口々に先住の民が「この葉っぱは腹痛に効いて煎じて飲むのだ」「この茎は燻して精霊を呼ぶ祭りに使うのだ」と、そこかしこにある植物をとっては見せてくれた。 冷蔵庫や家ではなく、 森に広がる彼らの資源。 なんと豊かだろうと思った。 それと同じことは、もちろん日本でも継がれてきたはずだ

        清々しい風を起こす一歩とは 〜6月のお軸より〜

          f分の1の揺らぎと伝統文化の話

          「f分の1の揺らぎ」という言葉はどれくらいポピュラーなのだろう。 私が初めて「f分の1の揺らぎ」について知ったのは、大学で農学部にいたときに聴いた「森林浴」の講義だった。 緑の中からこぼれる木漏れ日、 小川のせせらぎの音、小鳥のさえずり… 私の簡素な記憶だと、「あぁ、なんとなく気持ちいいなぁ」と多くの人が感じるものにおいて、多くが同じ周波数・振幅数・比率(的なもの)となっていて、その一定の比率のことを「f分の1の揺らぎ」と呼んでいますというものだった。だからこそ、森の中で

          f分の1の揺らぎと伝統文化の話

          拮抗ではなく補完する感覚たち

          もう一月も終わろうとしているが、たまたま知人に今年の抱負を話す機会があり、「今年のテーマは、英語とアートに触れることにしたんです!」と言っている自分がいた。 英語は様々な価値観に出逢ういつかのために。 アートは私が私らしくあるために。 英語に関しては、1分くらいの動画を2日に1回くらい見ている。その他、英語で日記を書くことを試みて、それならばSNSに投稿しながら頑張ってみることにした。これは4日に1回くらいはできているだろうか。「誰か添削してほしい!切実!」と投稿したら、

          拮抗ではなく補完する感覚たち

          学校って何だろう?〜絵本からも考えてみた〜

          去年の春、地元の岐阜市に興味深い中学校ができた。多様性が認められる学校だという。 ●「東海地方初の公立不登校特例校が開校 岐阜市草潤中」 https://www.asahi.com/articles/ASP476QN4P47OHGB006.html その開校式に、理想の学校として、京都大学総合博物館の塩瀬さんが紹介されたのが、絵本『バーバパパのがっこう』に出てくる学校だ。 ●「岐阜市に「不登校児専門公立中」開校。除幕式で会場を涙させた京大准教授のスピーチ全文」https:

          学校って何だろう?〜絵本からも考えてみた〜

          テレビなし育児 〜絵本のススメ 3ヶ月から1歳半〜

          私の家にはテレビがない。 前々回の引越しの時に処分したので、早3年ほど無いのだけれど、全く困らない。テレビ局に勤めていた手前、前の同僚に話すと、え!?となるのだけど、お構いなしだ。私自身も、確か中学3年〜高校時代はテレビを見ていなかったように思う。 このテレビ無し生活、子どもにとっても良いと感じている。 「テレビ無し育児」と検索すると、いろいろな情報が出てくると思うけれど、私が感じている一番のメリットは、誘惑が少ないこと。「食べる時間だけど遊びたい、寝る時間だけど遊びたい」

          テレビなし育児 〜絵本のススメ 3ヶ月から1歳半〜