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日々雑感

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日々思ったこと、感じたことを特にテーマを決めずに書いています。
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#障がい者

「障害」の表記について

「障害」の表記について

私はつい最近まで「障がい者」という表記をしていました。

それは、「害」の文字が否定的な意味を持つから、或いは、私たちは「害」を与える「者」ではないから、という気持ちからでした。
私だけでなく、この世界ではこのような理由から「障がい者」と表記することが多いようです。

しかし、最近、気が変わり、「障害者」と表記することにしました。
それは、「害」であろうが、「がい」であろうが、「障害」という否定的

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この子らを世の光に

この子らを世の光に

昨日と今日、毎年恒例のテレビ局による「愛」のイベントがおこなわれているようです。

この番組では毎年億単位の寄付金が集まるといいます。
テレビという媒体の力の大きさを思い知らされます。
そして、そのお金は様々な形での障害者支援や災害からの復興支援などに使われると聞きます

それはそれでとても大切なことですし、否定をするつもりはありません。
このお金で救われる、助かる障害者や被災者がたくさんいること

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精神障がい者にとってのバリアフリー

精神障がい者にとってのバリアフリー

今、街では「モノ」のバリアフリー化が進んでいます。

では、私たち精神障がい者にとってのバリアフリーとはどういうものでしょう。
精神障がい者には気分が落ち着いてさえいれば、普通に生活ができる人がいます。
私もそうです。(「普通」かどうかは別として)

その私たちが求めること。

例えば、仕事。
気分が落ち込んでどうしても動けないときには休ませて欲しい、遅刻や早退を許して欲しい。
満員電車を避けられ

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障がい者とは?

障がい者とは?

「障がい者」とはどういう人たちのことを指すのでしょう。

四肢に不自由がある人?
知能に遅れがある人?
精神的に「普通」と違う人?
では、「健常者」とは。
五体満足で知能の遅れがなく、精神的に「普通」の人?
果たしてそうでしょうか?

私が一時期勤務していた福祉作業所では所謂「障がい者」の方々が作業をしています。
例えば、小さなシールを指定された位置に正確に張り付ける。
このような作業を一日中おこ

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しあわせ

しあわせ

まともに働くこともできない体になってしまって、自分は不幸だ。
こんな人生はやめにしたい。
何度そう思ったかしれません。

でも、そのたびに壁に貼ってあるこのスカーフが励ましてくれます。

「しあわせ」とまでは思えない。
でも、もしかしたら、自分の人生はまんざらではないのかもしれない、と。

この病気になったから出会えた人たちがいる。
同じ病を抱えた人たちとのSNSを通しての交流。
病気に限らず、生

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共に喜ぶ

共に喜ぶ

高齢者介護や障がい者支援で大切なことの一つ。

それはできるだけご本人の「残存能力」を活かすことといわれています。

介護者や支援者がなんでもかんでもやってしまっては、せっかく残っている能力が衰えるばかりです。
できることはご自身でやっていただく。

私が働いたことのある障がい者施設にも様々な事情で動作が不自由な方がたくさんいらっしゃいました。
つい「お手伝いを」と思ってしまうこともありますが、敢

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障がいとは

障がいとは

「障がい」とは何でしょう?

例えば、誰もが歳をとれば老眼になります。
物が見えにくくなります。
或いは、年齢に関係なく、近視の人もいます。

それが「障がい」とされないのは何故でしょう。
誰もがなるものだから?
みんながそうだから?
もし、この世に「眼鏡」というものがなかったらどうでしょう。

今、多くの公的機関には老眼鏡が用意されています。
図書館には数は少ないながらも活字が大きな本があります

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ある職場の風景

ある職場の風景

昨日の投稿でもふれた、私が一時期働いていた福祉施設での風景。

私の向かいで作業をしているAさんが突然笑い出す。

私が笑顔でAさんを見る。

Aさん「あ、笑ってはいけません」

私「いいんですよ、笑っても。何が面白いんですか?」

Aさん「顔が面白いです。」

私「そうですか。でも、仕事中は笑わないほうがいいですね。」

Aさん「仕事中は笑ってはいけません。」

私「Aさん、あそこから箱を持って

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蝶結び

蝶結び

以前、勤務していた福祉作業所でのこと。

ある利用者さんの「蝶結び」の練習のお手伝いをしました。
紐を結ぶときの「蝶結び」です。

その方は知的障がいがあり、車椅子利用者でもあります。
手に変形があり、自由もききません。
電動車いすをジョイスティックで操作して移動します。

その方にとって、蝶結びはいろいろな意味での訓練になります。
指先を動かすことはもちろん、どこにどう紐を通したらよいかを考え、

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障がい者とは

障がい者とは

私は今、障がい者雇用枠で働いています。

これまで、障がいや障がい者関係の書籍を読んできました。
いろいろな方の話を聴いたり、話し合ったりもしました。
そのような中で自分の障がいについて考えたところ、こんなことを思っています。

障がい者を障がい者たらしめているのは障がいそのものだけではなく、障がい者に対する社会の無理解や差別・区別が理由であることもあるのではないだろうかということです。

私の場

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客観と主観

客観と主観

最近、ある人から言われたこと。

「同じ温度の水も夏と冬とでは感じ方が異なる。
夏には冷たいと感じ、冬には温もりを感じる。
水の温度は客観的に計ることができる。
一方、それを冷たいと感じるか温かいと感じるかはその人次第。
自分のこともこのように考えることはできませんか?」と。

私の病・障がいは一生治らないと言われています。
「この病さえなければ」
「こんな障がいさえなければ」
これまでずっとそう

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障がい者の権利

障がい者の権利

反発を買い、ご批判を浴びるであろうこと、そして、当事者の方々に失礼であることを承知の上で書きます。

今日は東京都議会議員選挙の投票日です。

これに関連して先日ニュースで報道していたこと。
知的障がい者の投票を援助する人たち、NPOだったかな、についての報道。
知的障がい者にも投票権があるのだから、投票するのは当然である、というお考えのようでした。
そのために、例えば、知的障がい者に候補者の写真

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車椅子の泥酔者

車椅子の泥酔者

ある晩、自転車で歩道を走っていると、車道の真ん中にこんもりとした塊が置いてありました。
その場所は整備されたばかりの道路で、車道が広く、大きくカーブしたところ。
カーブを曲がってくる車からは見通しが悪い場所で、しかも夜だったので、車がこの塊にぶつかっては大変、と思い、自転車を降りてその塊を道路の端に寄せようと近づいてみると...
その「塊」は人間だったのです。

小太りの男性が車椅子に乗ったまま前

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ある職場の風景

ある職場の風景

私が一時期働いた福祉作業所。
一緒に働いていたのは知的障害を持っている方々がほとんどでした。
それぞれ個性豊かな人たちばかりです。

西武ライオンズが大好きな人は前日の試合の結果を教えてくれます。
鉄道が好きな人は自分が撮って来た写真を収めたアルバムを楽しそうに見せてくれます。
そして、「〇〇線を走っているのはXX系の電車」と詳しく教えてくれます。
「嵐」が好きな人はデビュー曲から全ての曲を順番に

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