見出し画像

共に喜ぶ

高齢者介護や障がい者支援で大切なことの一つ。

それはできるだけご本人の「残存能力」を活かすことといわれています。

介護者や支援者がなんでもかんでもやってしまっては、せっかく残っている能力が衰えるばかりです。
できることはご自身でやっていただく。

私が働いたことのある障がい者施設にも様々な事情で動作が不自由な方がたくさんいらっしゃいました。
つい「お手伝いを」と思ってしまうこともありますが、敢えて手を出さず、ご自身でやっていただくことを心がけていました。

これは高齢者介護でも同じはずです。
そして、その際に大切なもう一つのことがあります。

例えば、歩くことが困難でお一人ではトイレに行けない方の介助をするとき。
ベッドに起き上がる、
ベッドから車椅子に移乗する、
車椅子でトイレに行く、
車椅子から便器に移乗する、
用を足す、
便器から車椅子に移乗する、
車椅子でベッドに戻る、
車椅子からベッドに移乗する、
ベッドに横になる。
この一連の動作のうち、出来る部分はご本人にやっていただきます。
そして、それをご自身でやることができたとき、次の動作に移る前に介護者がすべき大切なことがあります。

何でしょう?

それは「出来た」ことを一緒に喜んで差し上げることです。
何かを自分の力でできた。
それを共に喜んで差し上げる。
それによって「次も自分で」、さらには「次はもっと自分で」という意欲を引き出せるかもしれません。
嬉しさ、楽しさ、悲しさ、辛さ、等々。
相手の立場に立って思いを「共感する」。
介護や支援の場でなくても大切なことだと思います。