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映画

10
刺さった映画を1作品ずつまとめています。 毎週土曜UP予定。
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#11 映画「物ブツ交換」 in ジョージア

世界は今自分のことで精一杯。

新型コロナウィルスの影響もあり、普段は自分の選択肢にない映画を見ようと思った。

Netflixで観られる30分弱のショートフィルム「物ブツ交換」という作品。
決め手は、ジョージアのドキュメンタリー作品である点。
自分が日常生活を送っていく上で、自分から、ましてや他方からジョージアにフォーカスを当てた情報は基本的には入らないと思ったので、これは良い機会だと。

この

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#10 「パラサイト 半地下の家族」 社会問題こそエンタメ性で届けるのがトレンドか

#10 「パラサイト 半地下の家族」 社会問題こそエンタメ性で届けるのがトレンドか

【※ネタバレなし】

2020年、ベストムービーが早速決定してしまったような気がする。

カンヌ国際映画祭では、韓国映画初のパルムドールを受賞した本作品。そのインパクトによる宣伝からか、未来が不安されている日本の映画館でも公開してから劇場はどの回も満席状態だった。
日本で大ヒットした「万引き家族」(2018年)を引き合いにされることが多いのも、促進効果の一つ大きいと思う。

けれどもそういった前評

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#9 Best of 郷愁 台湾映画「台北暮色」

#9 Best of 郷愁 台湾映画「台北暮色」

・中心経済を感じたいならアメリカ
・世界最先端を感じたいなら中国(深セン)
・勢いを浴びたいならインド
・ただただ明るい人柄に囲まれたくなったならフィリピン
・常識に囚われたくなくなったらオランダ
・エモさを感じたくなったら台湾

自分は日本以外なら今どこに身を置きたいか考える時があるが、なんとかなく上記の具合に分けている。映画も選ぶときも一概には言えないが、現代映画ならば今の社会背景や国民性が如

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#7 映画「アースクエイクバード」

#7 映画「アースクエイクバード」

2019年11月8日〜劇場公開、11月15日〜Netflix世界同時配信されました最新ハリウッド映画「アースクエイクバード」を早速観賞。
ハリウッド作品ながら日本ではあまり広告がプロモーションが少なかったようなイメージだけど、非常に配信は楽しみだった作品。

主演が「エクスマキナ」という近未来系の映画で女性型AIロボット役を演じていた「アリシア・ヴィキャンデル」、 2人の女性を翻弄する本作のキーパ

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#6 ショートショートフィルム「合唱」

#6 ショートショートフィルム「合唱」

ハンガリーの道徳に満ちた25分の短編映画。

【あらすじ】
おとなしい10歳の少女ジョフィーは転校したばかり。最初は少し慣れなかったが、すぐに校内で有名な合唱団に入ることを決め、人気者のクラスメイト、リザと仲良くなる。ほどなく、彼女たちは一致団結して合唱団の指揮者である先生に立ち向かうことになる。彼女は見た目と違い、本当は意地悪な人物だった。

【解説】
ショートショート フィルムフェスティバル

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#5 TAKAYUKI YAMADA DOCUMENTARY「No Pain, No Gain」

#5 TAKAYUKI YAMADA DOCUMENTARY「No Pain, No Gain」

多方面で活躍する俳優、「山田孝之」が30歳を迎えた2013年から2019年までの約5年半にわたる活動と、苦悩と葛藤の日々に密着したドキュメンタリー。映画版は全編117分で公開されていましたが、今、Netflixで完全版(30分×9回の全編270分)が配信されましたので一夜ぶっ通しで早速観ました。

この通常の映画2本分以上の長編作品をぶっ通せたのは、俳優としての苦悩はもちろん、音楽バンドや文筆家、

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#1 昨日を忘れた私達へ 映画「ラッカは静かに虐殺されている」

#1 昨日を忘れた私達へ 映画「ラッカは静かに虐殺されている」

「よし、これからは〜を毎日意識して生きていくぞ」
「こんな世界もあるんだよな・・・忘れちゃいけないな」
「〜には気をつけなければ!」



映画や本や誰かの話でも何でもいい、強く何かに感動した時だったり、世間や身の回りで無慈悲な事件が起きてしまった時だったり、、、そんな時にリアルタイムでは上記のように心で誓ったりしたことって何度もある。

例えば、2017年8月に北朝鮮による弾道ミサイルの発

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#2 「自分」をコントロールする 映画「ザ・サークル」

#2 「自分」をコントロールする 映画「ザ・サークル」

今や若い世代だけでなく大人や企業もSNSを使っているのが当たり前の時代です。
筆者も20代なので、ちょうど高校生の時に簡単なホームページが作れるサービスが流行して、毎日日記なるものを書いて友達とコメント欄で会話したり、その後mixiやTwitterからInstagramらの登場からは一気に規模が大きくなって今や避けられない、いや避けることなど考える余地もなかったかのようにインターネット生活の一部と

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#3 破滅と知って進む 映画「JOKER」

#3 破滅と知って進む 映画「JOKER」

先日、映画業界だけでなくアメリカでは社会問題にもなっているこちらの映画「JOKER」を観てきました。ちなみに僕は関連する大人気作品の「バットマン」や「ダークナイト」といったアメコミは一切見たことがありません。
観たくなった動機は、観賞終えた人の感想が単に「面白かった」「怖かった」「やっぱジョーカー好きだわ。」などではなくて、鑑賞者それぞれが悪役且つ主人公である「ジョーカー(アーサー)」を通して、現

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#4 良い涙が出ます。 映画「人生フルーツ」

#4 良い涙が出ます。 映画「人生フルーツ」

「毎日そこそこ仕事で忙しいけど、自分の時間がないかと言ったらそうでもない。
早く仕事を終えた日には気になっていた映画を無意識に目が閉ざされるまで観て翌朝思い出す作業。

彼は土曜日、将来役に立つと思って始めた中国語のレッスンを受ける。
夕方にはうるさくもなく静かでもない絶妙な街でハイボールを飲み始める。
酔いが回ってくると、先週と同じ話題になり議論する。時折先週と同じボケをする者がいて、先週と同じ

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