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#2 「自分」をコントロールする 映画「ザ・サークル」

今や若い世代だけでなく大人や企業もSNSを使っているのが当たり前の時代です。
筆者も20代なので、ちょうど高校生の時に簡単なホームページが作れるサービスが流行して、毎日日記なるものを書いて友達とコメント欄で会話したり、その後mixiやTwitterからInstagramらの登場からは一気に規模が大きくなって今や避けられない、いや避けることなど考える余地もなかったかのようにインターネット生活の一部となっています。

今日では一億総表現時代とも言われているように、個人個人が一人の「表現者」であり「運営責任者」であります。中には個人の責任という一面があることを意識できておらずトラブルを起こしてしまう者も多いですね。個人的には令和時代からは無意識に責任感を持っていて当然でしょうと思ってしまいますが。。。
また、一度投稿した動画や発言、プロフィールからいわゆる「特定厨」に個人情報を即座に特定されて世間に晒されることなんてザラですし。。。
そのあたりのリテラシーは常に高く持っておくのは一表現者として最低限持っておきたいです。

そんなSNS時代の「一歩先」を描いているような映画が「ザ・サークル 」です。

【あらすじ】
世界No.1のシェアを誇る超巨大SNS企業〈サークル〉。創始者でありカリスマ経営者のベイリー(トム・ハンクス)が掲げる理想は、全人類がすべてを隠す事なくオープンにする“完全な”社会だ。大きな輪を意味する〈サークル〉では、誰もがいつでもつながりあい、互いの体験をシェアしあい、最高に刺激的な毎日を送ることができる。

憧れの最先端企業〈サークル〉社に採用され、日々奮闘する24歳の新人・メイ(エマ・ワトソン)は、ある事件をきっかけにベイリーの目に留まり、新サービス〈シーチェンジ〉の実験モデルに大抜擢される。至るところに設置された超小型カメラにより自らの24時間をすべて公開したメイは、あっという間に一千万人を超えるのフォロワーを獲得し、アイドル的な存在となる。ベイリーの理想「全人類の透明化」を実現するため、更なる新サービス〈ソウルサーチ〉の公開実験に臨むメイ。だがそこには思わぬ悲劇が待ち受けていた。あまりにも膨大な善意の渦に隠された〈サークル〉の重大な欠陥に気付き始めるメイだったがーーー。
                            GAGA公式引用

予告編


現代:「一億総表現時代」という個人が自由に発信することができる社会

すぐそこの未来:「一億総支配時代」

この映画は上記のような構造になってると思います。

現代でもライブ配信ができるサービスはたくさんありますし、例えば好きな芸能人の配信を視聴することでファンにとっては「テレビの人」という色濃い壁が限りなく透明になって感じれるのでメリットしかないでしょう。
それを一般人が24時間ライブ配信する実験をして"限りなくオープンな社会"を創ろうとするIT企業のストーリーです。

あながちこの映画の未来はリアリティがあると思ってて、明日にでも実験的に大手IT企業がリリースしてもおかしくないかなと。
デメリットとか危険性考えて圧倒的に批判されるシステムだろうなと言うのは言うまでもないですが、
一方で「完全にプライバシーのない世界」=「透明社会」の構図が一利あるなと思っておもしろい。
作中に犯罪者の特定や海難事故の救出劇などテクノロジーの力で可能にする描写がいくつか出てきますが、これで平和を保たれる世界もあるのかなと。

中国で既に展開されているの「信用スコア」も似ていますよね(笑)

実際にこういったシステムで保たれる世界があって本来助からなかった人が助かるケースがある事を考えると、何を悪として何を善とするかは表裏一体だとつくづく感じます・・・
SNSでもWebサービスでも供給側のリスク管理などの整備の部分と、消費者の使い方次第です。

現代のSNSでも「いいね」欲しさやバズる為の投稿などをし続けた結果、次第にその行為が無意識となりコントローラーを失った挙句、理想としていないブランディングを自身にしてしまう人ってとても多くいると思います。

本作品のレビューサイトを観て

想像通り点数「3.1」と低評価です(笑)
点数を意識するのは好まないですが、低評価の理由が気になったので見てみると、ほとんどの人が「オチがない」とか「消化不良」、結局どうなったの?とかだったので、それに対して違和感を覚えます。

起承転結の結がないだとかも。

そもそもSNSは義務じゃなく自由な訳で、使い方は十人十色。そこを今後あなたはあなたなりに考えてね。というキッカケを与えるオチだと思うんです。

映画に「結」を求めるということは答えを教えてもらうということ。そういう前提で現代の社会風刺や問題提起をするような映画を観る時に、そのようなスタンスだと多分鑑賞後は娯楽として自分の中で燃焼されて、その先を考えることはしないんだろう。


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