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ほんとうのわたしに戻れる時間
マスターが、ぎーっと扉を閉める。
ここは、町のざわめきから外れた、古いジャズクラブ。
ピアニストと歌い手が出てきて
ポン、と弾いた音が飛び出した瞬間、
歌い手の姿は黒くて艶々の毛並みの大きなドーベルマンに、
ピアニストは、真っ白な耳の生えたウサギの姿に変わって、
あっという間に美しい音楽が私の心と体を包みました。
あまりに心地よい音色だったので、
目をつぶって、音楽に身を浸しているうちに、
あっ、
いきてる。 いきてく。
(2009-06-09)
さみしいな。
でもこのさみしさもいいんだろう。
と、つよがってみたりして。
なにかを選ぶということは、
なにかを捨てるということだ。
誰かを選ぶということは、
他の誰かを切ることだ。
と言って選ぶことをやめたとしたら、
それは全部を捨てることになるかもしれない。
毎日、毎日、私たちは、なにかを選んで生きていきます。
それでたまには、選ばない、ということを、選ぶ時も