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おはずかしいかぎり

(2011-08-05)

おはずかしいかぎりですが。

きのう、アルバイトに行かなきゃいけなかったのに、朝からどんよりの自分の心の中の悪意に自分で傷ついて、泣きながら電車に乗って、遠くに行こうと、ずっと電車に乗っていってしまいました。
ずーっと泣きながら、ボックスシートに座って、ゲリラ豪雨をかいくぐって、泣きながら、どんどんどんどん、乗って、遠くへ、遠くへ、遠くへ、4時間。

きのう、銚子にいました。
犬吠の海を見てもまだ泣いていました。
満ち潮で海から上がってくるいろんな虫の邪魔をしながら、泣いていました。
歩いても歩いても泣いていました。
銚子電鉄には、学校帰りの高校生や中学生がたくさん乗っていました。
私は窓の外を見ていました。
醤油くさい風が入ってきて、となりのおんなのこが「くさいくさい」と言いました。
やっぱり、銚子の人でも、このにおいはくさいんだなと、そんなことを考えて、外を見ていました。
葉っぱのトンネルも、トウモロコシ畑も、引退した702の車両も、ぼーっと通り過ぎました。

もう、泣いてなんだかわからなくなって、犬吠の駅を2周して、それで、夕焼けになって、寒いので、帰ることにしました。
写真は、そのときに見ていた空で、
私が昨日撮った写真はほぼこれだけです。

銚子から乗った電車は旭で止まって、電車は電気を消して寝てしまいました。
もうあたりはまっくらで、電車はパンタグラフをばたんとたたんで、静かになってしまいました。
ベンチでいっぱい蚊にさされながら、アルバイト先にごめんなさいと謝りました。
もう今日は帰っても間に合わなくなってしまいました、ごめんなさいと謝りました。
全然でんしゃはきませんでした。
たくさんの、夏休みで遊んだ帰りの高校生の女の子たちがホームに入ってきました。
「うるっせーなー、ほんとぶっころすぞ!」ってかんじの言葉遣いの女の子が、ここにはたくさんいる様子です。
かつぜつもいいし、はきはきしてるから、けっこう衝撃でした。
このこたちも、泣いて電車に乗っていっちゃったり、することあるのかなあ。
ドキドキしながらベンチでうつむいてでんしゃを待ちました。

旭から乗った電車は、むかしの横須賀線の、青と白の電車でした。
大好きなでんしゃなのに、もう、泣きすぎて頭と目が痛くて、なんにも見たくないので、がらがらの電車のボックスシートにリュックを置いて、そこに突っ伏して、横になりました。
旭はとても遠いところで、なかなか東京に近づきませんでした。
でも、電車はきちんと時刻どおり走って、途中で虫を乗せて、途中で虫を降ろしたりして、千葉に着きました。
千葉で乗り換えて、こんどは通勤用の電車に乗って、かえりました。
もう、ずいぶん、夜でした。

何か食べなきゃ、と、おうどんを食べましたけど、ぜんぶたべきれませんでした。
さすがに、こんな日は、うまれてはじめてでした。
おうちで、お風呂のお湯につかって、がんがんの目と頭を保冷剤で冷やして、寝ました。

朝起きても、目がパンパンに腫れていました。
でも、しかたがないから、恥を忍んでアルバイトに行きました。
目の腫れが治ったのは、今日の夜でした。
きょうよくみると、虫さされがたくさん足にあります。腕にもあります。

そんなばかな、というかんじの一日でしたが、しかたがないので、また明日を迎えようと思います。
あしたも電車に乗っていってしまったらどうしようと思いますが、
さすがにそんなに大物じゃないので、大丈夫だろうと思います。

わたしのこんなところは、今に始まったことではなく、
こどものときも、高校生の時も、おんなじです。
きっとこの私がいきなり明日すごく変化を遂げることはなく、
あしたもあさっても、残念ながら、けっきょくずっと根っこは変わらないんだと思います。
残念ながら。

でもほんとうにおはずかしいかぎりでした。
28さいなのにね。
もうすこし、なんとかなればいいのにな。
思えば、叶う。ほんとかな。

いまは、キンカンがともだちです。虫さされにぬりたくれ!
やればできる!
・・・できないときもある!
でも、いきてる。それだけ。
それだけのことが、いちばん大事だよねえ。

なんとなく。

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