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秋、朝のお散歩STORY〜お散歩しながらつくった詩〜

自分らしくあるために
距離を置きたかった
気持ちは楽になったけど
結局
割り切れなくて
これでよかったのか
傷つけてるんじゃないかって
気づけば考えてる

でも離れなければ
自分が苦しかったから
いつか
この距離が日常になって
慣れる日がくるのかな
巡る考えごと

これでいいんだ
きっと
人を傷つけることには
慣れないから
縁があれば
離れても戻れるから

ハッと我に返る
振り返り
上を見渡すと
小さなオレンジの星屑

金木犀は数日で
甘く強い香りを失うという
それなら
鼻障りになるくらい
ここから消えない
キミの存在も
愛しく思う

短いからこそ濃く残って
長いのに薄くなって

足元で音を鳴らす落ち葉
緑から黄色が増え
ついに
茶色でいっぱいになった
だけど終わりじゃない
雨に打たれ
踏まれ
やがて土になる
自然の中では
朽ちることにも
意味がある

この小さな葉でも
次の役目のために巡るのなら
私たちだって
一度や二度
枯れても問題ない
その過程を
栄養にすればいい

芒が揺れる
もうすぐ十五夜
お月様
芒の葉には
斑入りと斑なしの
2種類あると昨日知った
知った瞬間から
目にも止めなかったキミを
探してしまう

萩の葉が可愛いことも
秋の花は儚いことも
この町に来て知った
花のことを知れば知るほど
自然が好きになった

十字に駆ける雲
可憐に飛ぶ白鷺
透明なベールをまとい
ピンクと水色に染まる空
可愛い朝
まだら模様に
私の心は整っていく

朝日が昇る前
薄くなる空
グレーがかる景色
その中で
遠くからも目立つ
紅色の彼岸花

昇り始める朝日
その光に照らされ花開く
ピンク、白、紫
小さな朝顔

そう
時間ごとに主役は変わる
すべては
常に変わっていくから
きっと
今の悩みも大したことない
いつか
光はあたる

口を覆うこのマスクも
不安な注射も
いつか懐かしくなる

病院が見える十字路
なんとなく
いつもと違う道を選んだ
音楽に揺れながら
歩く

ふと名前を呼ぶ声
顔をあげるたら
久しぶり
84歳のおじいちゃん
顔を見た瞬間
考える暇もなく
涙が込み上げてきた

「心配かけてごめんね」
と笑う姿に
「元気になってくれて
ありがとう」
自然とその言葉が溢れた

命の時間なんて
考えたくないけど
たぶん
この広げた指の数くらいで
なんて短いんだろう
どんな人生も

この町だって
いつ離れるか分からない
人との出逢いは
かけがえない
あたたかいぬくもりを知った
打ち解けていく心を知った
ちょうどいい距離を知った

飾らない自分が
こんなに楽なことを
はじめて知った

出逢いは人生を変える
チカラを持つ

おじいちゃんに出逢えて
よかった


それにしても
今日はなんてステキな空
「心配しなくていい
大丈夫だよ」と
包み込んでくれてるみたい

涼しくなびく向かい風は
何度も湧き上がる
叶わない願いを
流し払ってくれた

なんだか
あなたに会いたくて
寄り道せずに帰った

耳に流れる音楽は
陽気に愛を歌ってる


P.S.
2021/9/17の朝、
散歩しながらつくった詩です。

泣き虫 パン子

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