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【心理学】人材育成の極意

と言う事で本日もたわえもないお話をしていこうと思うのですが、本日は昨日の記事に引き続いてどうやったら人材教育ってうまくいくの?って事を心理学を元にお話ししていこうと思います。



昨日の記事でお話しした事を少しおさらいすると、人材育成で大切な事って0or1を10まで積み上げる力をつけてあげる事でしたよね。

じゃあどうやったらそう言う人を育てられるのか、と言うことについて今日はお話ししていこうと思うのですが、人材育成をしていくにあたって0or1を10jまで積み上げられる力をつけてあげるのが目標だ!と漠然的に言っても


「で、なんからしい単語だけ並べてますけど結局何をすれば良いんだよ、早く言えよ。」


って皆さん思われていると思うので(読者への偏見激しすぎやろ)、具体的には何を目指して人材育成をすれば良いのかと言うと、成長マインドセットを育む事なんですよね。



こんにちは、座右の銘は「人を動かすなら、まずは自分が行動しろ。」まひろです。



人材育成の目標は成長マインドセットを育ててあげる事


心理学では成長マインドセット硬直マインドセットの2つの考え方があります。


成長マインドセットとは知能や才能は努力によって変わると考える事です。

この考えを持つ人は「学ぶ事」を大切にしているので、失敗する事をそんなにきにしていません。

だから新しいことに色々挑戦していけるし、自分の頭で考える力がつくのでどんどん成長していく構成が組めます。


硬直マインドセットとは知能や才能は努力によって変わらないと考える事です。

この考えを持つ人は、知性や才能が優れている人は努力をせずとも結果を出せると言う考えを持っているので、課題を達成するために努力をするのは才能や知性が欠落していると考えます。

あとは失敗するることに羞恥心を感じるので、自分がやった事がないことや苦手なことはやろうとはしないので、成長が基本的にありません。


普段から僕の記事を読んでくださっている方はまひろ(著者)がこんな事を話すのは珍しいと思うかもしれませんが、実は考え方で脳って変化するんですよね。


と言うのも脳には「脳の可塑性」って言う現象があるんですよね。

脳の可塑性…発達段階の神経系が環境に応じて最適の処理システムを作り上げるために、よく使われるニューロンの回路の処理効率を高め、使われない回路の効率を下げるという現象

要するに、脳は成長する時にあんまり使わない思考回路を落とす代わりに、よく使われる思考回路を発達させる事がある、と言うことです。


なんか普段は「できないことはさっさと諦めろ」とか「自分の評価は過大評価するぐらいなら過小評価しとけ」みたいな夢も希望もない現実の話をしている僕ですが、実はこんな事実もあったりするんですよね。


ただこの話をするのは個人的にあまり好きではなく、こう言う話をすると


「あ、じゃあ人は努力で変われるんだ!じゃあ俺も天才になれるんだ!」


って勘違いしちゃう人がいるから避けてきたのですが、ただ最初に言っておくと、以前こんな記事でもお話ししたのですが

月って三日月にもスーパームーンにもなれるのですが、何をどう頑張っても太陽にはなれないですよね。

それと同じように、凡人に生まれた人も成長マインドセットを持つ事ができればもちろん成長する事が出来るのですが、月は太陽になれません。


詳しく話すと、人の知性とか才能って遺伝と後天的な2つの要素で構成されているんですよね。例えばIQとかは遺伝で大体50%ぐらいが決まると言われているので、IQ100で生まれた人は何をどう頑張ってどんだけ必死に努力してもIQを200にする事が出来ません。

が、自分の強みを伸ばそうと思った時に、遺伝的にも大きく恩恵を受けているところが努力によって伸びるとより強みが際立ちますよね。これが成長マインドセットの一番良い使い方です。


ただその逆で、硬直マインドセット

「知性は生まれた瞬間から決まっている」

「人は何を頑張っても伸びない」

って考える人で、これって意外とマジョリティーだったりするのですが、この考え方の人って結構成長する機会を逃していたりするんですよね。

例えば、自分は元々生まれつきのIQが低い、だから頑張って勉強しても頭打ちは見えているから諦めよう。って考えるのは全然ありだと思うんですよ。

ただずっとそう言う考えをしていると、ある時自分が周りの人に比べてプログラミングの能力が優れていたとしても「まあまぐれだろ」って人は自分でそれに気づく事が出来なくなってしまうんですよ。


ただ、こう言う話をすると「あ、じゃあ成長マインドセットを持つことは大切なんだ!」って捉える人は多いのですが大切なのはそこではなく、普段多くの記事でもお話しできるように、自分の得意な事が苦手な人がこの世にはたくさんいるように、自分が苦手な事が得意な人ってこの世にたくさんいるんですよね。

自分の苦手な事を克服して競争に勝てるほど、この社会って甘くはなくて、大切なのって成長マインドセットは自分の強みを伸ばすために使うべきだと僕は考えているのです。

苦手なことやできないことは「できない」って硬直マインドセットで諦める力と、自分の強みや得意は「もっと伸ばせる!」って成長マインドセットで考えるさじ加減が本当は一番大切で、人材育成で目指すべき目標はここでしょう。


ではそんな成長マインドセットはどうやったら養っていけるのかと言う事をお話ししていこうと思います。



成長マインドセットの養い方


スタンフォード大学心理学部のキャロル・S・ドゥエック(Carol S. Dweck)さんが行われている実験についてお話ししていこうと思います。


この人がどんな研究をしているのかと言うと、子供ってどうやって教育するのが良いの?って事を研究されているんですよね。

キャロル・S・ドゥエック(Carol S. Dweck)さんによると、子供には2パターンの性格があって、学ぶことが大好きで何にでも挑戦しようとする子供失敗する事を恐れ新しい事に挑戦するのを避ける子供がいると言われています。


そして教育によって子供がこのように2パターン分かれてしまうのには、子供の周りの人間の「褒め方」が大きく関わっている事がわかっています。

ドゥエックさんはこんな実験をしたんですよね。


思春期初期の子どもたち数百人を対象に、知能検査のかなり難しい問題を10問やらせ、ほとんどの生徒がまずまずの成績で終わった後、子供達を2つのグループに分け2種類の褒め言葉をかけました。

一方のグループではその子の能力を褒めました。

「おお、8問正解だ。良く出来たな。頭が良いのだな。」と。

そして、もう一方のグループでは、その子の努力を褒めました。

「8問正解よ。良く出来たな、頑張ったんだな。」と。

グループ分けをした時点では、両グループの成績は等しかったのですが、その後子供達に新しい問題を見せ新しい問題に挑戦するか同じ問題をもう一度解くのか、どちらかを選ばせました。


すると二つのグループの間で、明確に差が現れたのです。

まず、頭の良さを褒めたグループは、新しい問題を避け同じ問題を解こうとする傾向が強くなりました。ボロを出して自分の能力を疑われるかもしれないことは、いっさいやりたがらなくなったのです。

一方、努力を褒められた生徒達は、実に9割の子供が新しい問題にチャレンジする方を選び、学べるチャンスを逃さなかったのです。


この実験から何が言えるのかと言うと、人は能力や才能などの結果を褒められるとそれらを汚さないように努め、努力や頑張りの過程を褒められるとどんどん新しいことに挑戦するようになり努力することに喜びを感じる、と言うことです。


そしてこの実験には驚くべきもう1つの実験結果が出ています。

難問が出された後頭の良さを褒めたグループは、成績ががくんと落ち、再びやさしい問題がだされても回復しませんでした。自分の能力に自信がなくなり、スタート時よりも成績が落ちてしまったのです。

一方、努力を褒めたグループの出来はどんどん良くなっていった。難問に挑戦した事で、スキルに磨きがかかり、その後、ふたたびやさしい問題がだされたときには、すらすら解けるようになったのです。


お気付きのように、これってさっきお話しした成長マインドセット硬直マインドセットのお話なんですよね。厳密にいうと幼少期のこういった教育は成長マインドセット以外にも、開放性という性格の部分にも関わるので、大人になるとこの実験以上に人は変化することはないのですが。


だからここまでお話しすればお分かりの通り、人材を育成するために大切なのは褒めることだって言うのは多くの方がご存知だと思うのですが、結果を残せる人材を作りたいなら結果ではなく、その人の努力や頑張りなどの結果に至るまでの過程を褒めてあげることなんですよね。



あとがき


僕は教育は人間を育てるために大切だと考えていて、日本では義務教育という形で国が教育をあらかじめ支援してくれるお得な制度があるのですが、何も教育は義務教育だけではないです。

じゃあ例えば日本中の学校の教師が、今日僕がお話ししてきた脳科学や心理学の事を知っているかというと、ほとんどがそうじゃないと思うんですよ。こういうのって多くの人が学校で教わることなく社会に出て、そのまま人材育成をするようになると思うんですよね。

僕だってこれを知ったのは中高生ぐらいの時でしたが、何も学校で教わったわけではなく自分で心理学を学んでいる過程で見つけたことだったのでね。


だから皆さんも過去を振り返っていただくと露骨にわかると思うのですが、結果だけを褒めてしまう大人って結構多いんですよ。なんでかっていうと、みんなあなたに結果を出して欲しいと思っていたからです。

ただ、人材育成において大切なのって結果ではなく、その結果に至るまでの努力を褒めてあげることなんですよ、子供でも大人でも同じで。


月は太陽になれずとも、スーパームーンになれますから。



この話についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの本がおすすめです。


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