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5歳児の、しずかちゃんとの戦い
私は会話における情報の送受信がひどく不得手だ。
「口下手」といってしまえば早いのだけれど、この言葉がもつ「真摯」「誠実」のイメージが自分にはそぐわないので、先のように回りくどい表現になってしまう。
20歳のあるとき、友人のひとりがこんなことを言ってくれた。
「あるタレントの言葉で、『あなたにやさしくできたから わたしはやさしくなれました あなたがわたしをつくります』というのがある。私はその言
子育て失敗と母に言われて
私が高校生になった頃、母から頻繁にこんなことを言われるようになった。「私は子育て失敗した。ごめんなさい。」お皿を拭きながら。テレビを観ながら。なんの文脈もなく、ふとしたときに母はつぶやくのだ。
社会人になってから、職場のランチのときに何気なく母のこの発言について触れてしまった。「お母さんの不思議発言」のような話題のときに。
同年代の女性4人が集まる場だったが、みな一様に引いていた。「お母さんエグす
娘が1度だけ「だいすき」と言ったとき
娘が2歳のころ、
コロナ禍の閉塞感もあって、夫婦の関係がかなり悪化していた。
夫は自室に引きこもり、私は週末ともなれば自宅から逃げるように、
娘を連れて一日中 外出した。
炎天下だろうと極寒の寒空だろうと、私は午前中には娘を連れだし、薄暗くなるころに帰宅した。朝、まだ家で遊びたいという娘を無理やりに連れ出し、夕方、そろそろ帰りたいという娘に、「まだ父ちゃん家で仕事したいから」と言って出先に
心配くらい勝手にしたい
高校のころ、英語の授業で扱われた英文にこんな内容のものがあった。
海外のどこかの公園における、子供の遊具事故を減らす取り組みを紹介した文章だったと思う。たしかその公園では保護者用の待機小屋のようなものを作って、親はそこから子どもを見守るように義務付け、遊具で遊ぶ子どもたちのそばに近寄れないようにした。親の心配する目や声かけこそが子どもの事故を誘引しているという考えに基づいて。この取り組みは功を奏