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ガスガズラーから省燃費へ アメ車 過渡期って面白い その3 ~当たり前過ぎて意識しなくなっていること

 過渡期って、多様性の極み。とても興味深い時間です。
今回はフォード リンカーン·マーキュリーさんのセダンの例を楽しんでみたいと思います。

 トヨタがレクサスブランドを立ち上げ、初代 XF10型(1989年1月 - 1994年9月)が米国に投入されました。

 それを含めてレクサスについての詳細は以下に詳しいので御参考になさって下さい。


 その別格の品質に米国の自動車会社に衝撃が走りました。私自身もその材料開発に鉄鋼会社からインサイダーとして関わりましたのでその画期的な技術の片鱗は良く理解していました。

 一方で子供の頃リンカーン·マーキュリーに乗る機会が有り、当時家族が使っていたブルーバードUに比べてのその圧倒的な静かさと広さが、

いつかはアメリカ製ののセダンを所有したい

という夢となって心に刻まれました。

 時はバブル期。鉄鋼会社の多角化経営の波に乗って米国に駐在することになりました。

 その辺りはこちらをお楽しみ下さい。

 駐在にあたり現地での移動手段として車を購入することになりました。トヨタのレクサスLS400も試乗しました。印象として静かさも広さも当時日本で乗っていたトヨタのクレスタスーパールーセントと余り変わらないと感じました。

 リンカーンタウンカーの前フリとして、その辺りはこちらもお楽しみ下さい。

 一方、フォードの2世代目となるリンカーン·マーキュリー店さんのリンカーンタウンカーのシグネチャー(2代目 (FN36/116、1990-1997年))。

 リンカーンタウンカーの詳細は以下を御参考になさって下さい。

 こちらは、英国でなされた今までの角張ったデザインから脱皮した英国流の、どこかロールスロイスのテイストもする流麗なデザイン。加えて広さも静粛性もセダンの王様という衝撃的な印象。

 運転席周りもとてもシンプルなデザインで、情報センターと呼ばれる10cm角の表示部分にデジタルでエンジン温度や燃費等様々な情報を選んで確認出来ます。後は速度計と燃料計程度でタコメーターなんてオートマチックトランスミッションなのだから不要と言わんばかりの合理的シンプルさです。とは言え道路の制限速度の表示はアメリカはマイルでカナダはキロメートルなのですが、スイッチ一つで表示変更可能です。その気配りとシンプルさが高いレベルで融合されたデザインには潔ささえ感じます。

 上述のトヨタのレクサスLS400を研究し尽くして、エンジンまで新しく開発した意欲作でした。燃費もレクサス並みで、当時のガスがズラー税も掛かりません。

 そのガスガズラー税(ガソリンがぶ飲み税)とは、連邦議会が1978 年のエネルギー税法にガス ガズラー税規定というものを設け、燃料効率の悪い車両の生産と購入を思いとどまらせようとしたものです。Gas Guzzler Tax は、必要な燃費レベルを満たしていない新車に対して課税されました。この税金は乗用車にのみ適用されました。

 その辺りはこちらをご覧になって下さい。


 兎も角そのバランスの取れた全体パッケージデザインに感動し試乗したその場で購入を決めました。

 なんとソニーのCDシステムにカリフォルニアの最高スピーカーブランドのJBLを組合せたオーディオシステムまでついていて、音楽好きな私にはたまらない買い物でした。
 
 アメリカ車が大きく変化した過渡期の秀逸なデザインに脱帽。

蛇足
 当然ですが、そこまで気に入ったので日本に持ち帰り今も大切に使っています。
 今でもエンジンのコンディションは良く、新車時と同様に高速ではリッターあたり10Km以上の燃費で活躍中です。
 
超蛇足
 そのリンカーンタウンカーでのこんな笑い話も







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