観劇じばらー

自腹で舞台を観る素人。1900円以下でほぼ料金一定の映画と違い、主に「ハコ」や興行元の…

観劇じばらー

自腹で舞台を観る素人。1900円以下でほぼ料金一定の映画と違い、主に「ハコ」や興行元の都合で料金が3000円前後~1万円超えと懐を痛める度合いも様々な舞台は「費用対効果」重視。主観がぶつかり合い「鳥の目」と「虫の目」の間を行き交う。BtoBでなく、C(観客から)toB(舞台へ)?

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記事一覧

評㊽㊥鳥公園#16『ヨブ呼んでるよ』@八王子、3000円

 鳥公園(Torikoen)#16『ヨブ呼んでるよ-Hey God, Job’s calling you!-』@八王子市芸術文化会館いちょうホール(小ホール)、全席指定3000円など。追加で買った台本150…

評㊽㊤少しわかった? 鳥公園#16『ヨブ呼んでるよ』@八王子、3000円

 前回、いわゆる「大衆向け」的「娯楽劇」の感想をあえて書いたのは、この芝居の観劇を既に予定し、全然違うジャンルで比較してみたかった向きも大いにある。  鳥公園(…

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評㊼檀れいの“変化”『大逆転!大江戸桜誉賑』@明治座、招待

 明治座創業150周年記念前月祭『大逆転!大江戸桜誉賑(かーにばる)』を日本橋浜町の明治座で観る。招待なので無料。正規料金はS席(1階席・2階席)13500、A席(3階席…

評㊻寝なかった岡田利規作、本谷演出『掃除機』@KAAT中スタ6000円

 多少演劇を勉強した程度の自分にとって、岡田利規(49)は、面白いかどうかの前に、そもそもよくわからない(そうやって周辺に聞くと、うなづく人は少なくない、正直だ)…

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演劇考が五か月ぶりになった理由

 前のnoteから、間が空いた。昨年10月17日以来なので、5か月ぶり。  コロナも収束方向で芝居の本数は通常運転だし、勿論観ているが、いくつかの理由で書いてなかった。 …

評㊺花村想太の声『ジャージー・ボーイズ』@日生劇場、S席割引

 今まで全く興味のなかった、存在すらよくわかっていなかった花村想太(32)の声、その音域の広さ(4オクターブ出るらしい)に、まさに文字通り「魅了」された。その声を…

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俳優という虚~あるコメントたちから

 こんなネット記事が出ていた。  記事の是非はともかく、Yahoo!コメント欄にある「俳優」に関する部分をピックアップしてみた。  勿論、件の俳優の“個性”を排した感想…

評㊹南野陽子主演『なくなるカタチとなくならないキモチ』@駅前劇場6000円

 第4回横浜桜座プロデュース公演『なくなるカタチとなくならないキモチ』@駅前劇場(下北沢)、全席指定6000円、20歳以下ユース割3000円、障がい者割3000円(横浜公演の…

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評㊸“思考停止の美”考へ~太田信吾『最後の芸者たち』@plan-B、3000円

 太田信吾作・演出、ハイドロブラスト第3回公演『最後の芸者たち』@plan-B、3000円。9/10~11。大阪・西成公演9/18~19、兵庫・豊岡公演9/24~25。上演50分。  出演:…

評㊷土俵と岩井秀人『阿修羅のごとく』@シアタートラム、8000円

 向田邦子作『阿修羅のごとく』@シアタートラム(三軒茶屋)、全席指定8000円、ヤング券3800円、2時間(休憩無し)、9/9~10/2(兵庫公演10/8~10/10)。パンフ1500円(…

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評㊶医療モノの難しさか『最後の医者は桜を見上げて君を想う』@CBGK シブゲキ︎!!

 『最後の医者は桜を見上げて君を想う』@CBGK シブゲキ︎!!(渋谷区道玄坂) 9,000円(税込/全席指定)。9/8~9/11。  原作は、二宮敦人(にのみや・あつと)作の同名…

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「片面の技」ではダメ・佐藤信から~演劇のプロアマ考(だらだら)

観客と専門家双方の「ああ」が必要、片面の技はダメ  演出家の佐藤信(まこと)(79)が先日こう言っていた。  佐藤は「60年代後半 - 70年代前半のアングラ演劇ブーム…

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評㊵岡田利規『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』@彩の国、4500円

 テキスト・演出:岡田利規『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』@彩の国さいたま芸術劇場小ホール、全席指定4500円。9/1~9/4。出演:湯浅永麻、太田信吾。…

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評㊴劇チョコ『ガマ』@芸劇イースト、4500円

 生きてこそ、の思いが伝わった力作。 「生き残った子孫たちへ 戦争六篇」中、唯一の新作  劇団チョコレートケーキ『ガマ』@東京芸術劇場シアターイースト、4500円(…

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評㊳劇チョコ『無畏』@芸劇ウエスト、4500円~戦争の不勉強を再勉強する

 劇団チョコレートケーキ(劇作家:古川健、主宰・演出:日澤雄介)は2022年8月17日~9月4日、「生き残った子孫たちへ 戦争六篇」を東京芸術劇場B1のシアターウエスト…

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評㊲『ミッツァロのカラス』@小劇場B1、4500円~老練な身体・プロ考

 Grass919第6回公演『ミッツァロのカラス』@小劇場B1(下北沢)、前売4500円、全席自由。2022/8/23-28。  知り合いに誘われ、足を運ぶ。渋い、ベテラン勢の芝居だ。演劇…

評㊽㊥鳥公園#16『ヨブ呼んでるよ』@八王子、3000円

評㊽㊥鳥公園#16『ヨブ呼んでるよ』@八王子、3000円

 鳥公園(Torikoen)#16『ヨブ呼んでるよ-Hey God, Job’s calling you!-』@八王子市芸術文化会館いちょうホール(小ホール)、全席指定3000円など。追加で買った台本1500円。2023年3月17日~19日。西尾佳織作、三浦雨林演出。上演時間約1時間55分(途中休憩無し)。

 西尾の考えと、八王子をゆるゆる考える。

滞在制作「ゆるAIR」、西尾の考え

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評㊽㊤少しわかった? 鳥公園#16『ヨブ呼んでるよ』@八王子、3000円

評㊽㊤少しわかった? 鳥公園#16『ヨブ呼んでるよ』@八王子、3000円

 前回、いわゆる「大衆向け」的「娯楽劇」の感想をあえて書いたのは、この芝居の観劇を既に予定し、全然違うジャンルで比較してみたかった向きも大いにある。

 鳥公園(Torikoen)#16『ヨブ呼んでるよ-Hey God, Job’s calling you!-』@八王子市芸術文化会館いちょうホール(小ホール)、全席指定3000円など。追加で買った台本1500円。2023年3月17日~19日。西尾佳

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評㊼檀れいの“変化”『大逆転!大江戸桜誉賑』@明治座、招待

評㊼檀れいの“変化”『大逆転!大江戸桜誉賑』@明治座、招待

 明治座創業150周年記念前月祭『大逆転!大江戸桜誉賑(かーにばる)』を日本橋浜町の明治座で観る。招待なので無料。正規料金はS席(1階席・2階席)13500、A席(3階席)6500円の模様だが、じゃらんでは9800円など割引も出ている。3月4日~28日。
 
 いつもにまして、評というより、感想である。

特に演劇ファンでもない人々がわいわい観る“芝居の原点”

 明治座は4月28日に創業150周

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評㊻寝なかった岡田利規作、本谷演出『掃除機』@KAAT中スタ6000円

評㊻寝なかった岡田利規作、本谷演出『掃除機』@KAAT中スタ6000円

 多少演劇を勉強した程度の自分にとって、岡田利規(49)は、面白いかどうかの前に、そもそもよくわからない(そうやって周辺に聞くと、うなづく人は少なくない、正直だ)。が、多分「それまでにない」「新しい」形の演劇を提唱したのだろう、「それまでにない」「新しい」は、「面白い」がもし不足しても、十分注目を集めるに値する。で、批評家の皆さんが注目しているようだし、「今の時代を知れるか」と思って観る。だらだら

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演劇考が五か月ぶりになった理由

演劇考が五か月ぶりになった理由

 前のnoteから、間が空いた。昨年10月17日以来なので、5か月ぶり。
 コロナも収束方向で芝居の本数は通常運転だし、勿論観ているが、いくつかの理由で書いてなかった。

1.劇評とは何か、を問い直す日々

 劇評とは何か、を改めて真面目に問い直していた。
 他の人たちの視点も交えて“勉強”していた。そもそも正解のない芝居を、個々の視点で書くのである。さらに正解はない。が……
 自分の書き方は、5

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評㊺花村想太の声『ジャージー・ボーイズ』@日生劇場、S席割引

評㊺花村想太の声『ジャージー・ボーイズ』@日生劇場、S席割引

 今まで全く興味のなかった、存在すらよくわかっていなかった花村想太(32)の声、その音域の広さ(4オクターブ出るらしい)に、まさに文字通り「魅了」された。その声を潰してしまわないよう、祈るまでに。

 ※以下、ミュージカルその他にずぶの素人の文章。無知の数々お許しを。
 単に、知人に誘われ、中身も出演者もろくに知らずに、「たまには日生でミュージカルもいいか」と出かけた公演。

「フォー・シーズン

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俳優という虚~あるコメントたちから

 こんなネット記事が出ていた。
 記事の是非はともかく、Yahoo!コメント欄にある「俳優」に関する部分をピックアップしてみた。
 勿論、件の俳優の“個性”を排した感想は不可能だが、それでも。
 こんな風に見られてる、観られてる。

 谷原章介、バス事故の「ブルーシートの中は?」発言に視聴者“ドン引き” 過去にも指摘されていた“的外れ”コメント10/15(土) 19:47配信(FLASH)

 俳

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評㊹南野陽子主演『なくなるカタチとなくならないキモチ』@駅前劇場6000円

評㊹南野陽子主演『なくなるカタチとなくならないキモチ』@駅前劇場6000円

 第4回横浜桜座プロデュース公演『なくなるカタチとなくならないキモチ』@駅前劇場(下北沢)、全席指定6000円、20歳以下ユース割3000円、障がい者割3000円(横浜公演のみ)。10/7~16東京公演(駅前劇場)、10/18~19横浜公演、大阪公演10/21~23。
 主演:南野陽子、脚本:大西弘記(TOKYOハンバーグ)、演出:磯村純(青年座)。東日本大震災前後の福島、障がい(※主催者表記に合

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評㊸“思考停止の美”考へ~太田信吾『最後の芸者たち』@plan-B、3000円

評㊸“思考停止の美”考へ~太田信吾『最後の芸者たち』@plan-B、3000円

 太田信吾作・演出、ハイドロブラスト第3回公演『最後の芸者たち』@plan-B、3000円。9/10~11。大阪・西成公演9/18~19、兵庫・豊岡公演9/24~25。上演50分。
 出演:竹中香子、大崎晃信(10日)、太田信吾(11日)、演奏:内橋和久、芸者指導:秀美

 コロナがやや収まった感あり、ダボハゼ🐟のように(?)観劇を続けて書いているが、もう少しすると多忙になり観にいくのが減る予定

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評㊷土俵と岩井秀人『阿修羅のごとく』@シアタートラム、8000円

評㊷土俵と岩井秀人『阿修羅のごとく』@シアタートラム、8000円

 向田邦子作『阿修羅のごとく』@シアタートラム(三軒茶屋)、全席指定8000円、ヤング券3800円、2時間(休憩無し)、9/9~10/2(兵庫公演10/8~10/10)。パンフ1500円(未購入)。
 知人に誘われ、有名作品だしキョンキョンが出るんだ、じゃ観るか~、安藤玉恵は期待!、小林聡美はどんな感じかなくらいの事前情報で行く。

 ※以下、観劇後に検索した情報などが混在
 出演:小泉今日子(5

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評㊶医療モノの難しさか『最後の医者は桜を見上げて君を想う』@CBGK シブゲキ︎!!

評㊶医療モノの難しさか『最後の医者は桜を見上げて君を想う』@CBGK シブゲキ︎!!

 『最後の医者は桜を見上げて君を想う』@CBGK シブゲキ︎!!(渋谷区道玄坂) 9,000円(税込/全席指定)。9/8~9/11。
 原作は、二宮敦人(にのみや・あつと)作の同名コミック(2016)で、続編も出ている人気作らしい。医療モノ、病院モノ。Wikiによれば二宮は一橋大経済部卒、つまり“文系”であり医学の専門家ではない、と事前確認。自分は原作は読んでいない。
 出演:細貝圭、山本涼介、鳥

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「片面の技」ではダメ・佐藤信から~演劇のプロアマ考(だらだら)

「片面の技」ではダメ・佐藤信から~演劇のプロアマ考(だらだら)

観客と専門家双方の「ああ」が必要、片面の技はダメ

 演出家の佐藤信(まこと)(79)が先日こう言っていた。

 佐藤は「60年代後半 - 70年代前半のアングラ演劇ブームを代表する存在」(byWiki)のひとつ、劇団黒テントの元主宰。その後、世田谷パブリックシアター初代芸術監督(1997~2002)、東京学芸大教授(1998~2009)を経て、座・高円寺初代芸術監督(2009年~現在)。
 「劇

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評㊵岡田利規『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』@彩の国、4500円

評㊵岡田利規『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』@彩の国、4500円

 テキスト・演出:岡田利規『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』@彩の国さいたま芸術劇場小ホール、全席指定4500円。9/1~9/4。出演:湯浅永麻、太田信吾。1時間5分(休憩無し)∔トーク

岡田利規、ずっとわかっていない、でも観よう

 岡田利規(49)、劇作家、演出家、小説家。2005年、主宰する(演劇ユニット)チェルフィッチュ『三月の5日間』で第49回岸田國士賞受賞。演劇の次の展

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評㊴劇チョコ『ガマ』@芸劇イースト、4500円

評㊴劇チョコ『ガマ』@芸劇イースト、4500円

 生きてこそ、の思いが伝わった力作。

「生き残った子孫たちへ 戦争六篇」中、唯一の新作

 劇団チョコレートケーキ『ガマ』@東京芸術劇場シアターイースト、4500円(全席指定)。8/29~9/4。2時間(休憩無し)。脚本:古川健、演出:日澤雄介。
 劇チョコが8/17~9/4、「生き残った子孫たちへ 戦争六篇」として東京芸術劇場B1のシアターウエスト、及びシアターイーストで連続上演した中の、最後

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評㊳劇チョコ『無畏』@芸劇ウエスト、4500円~戦争の不勉強を再勉強する

評㊳劇チョコ『無畏』@芸劇ウエスト、4500円~戦争の不勉強を再勉強する

 劇団チョコレートケーキ(劇作家:古川健、主宰・演出:日澤雄介)は2022年8月17日~9月4日、「生き残った子孫たちへ 戦争六篇」を東京芸術劇場B1のシアターウエスト、及びシアターイーストで連続上演。

 社会派・硬派は好みだが、公演自体に気づくのが遅れ、全6本中『無畏』『ガマ』の2本を観た。そのほかは『帰還不能点』(南部仏印進駐を決めた高級文官たち・再演)、『追憶のアリラン』(朝鮮半島の解放・

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評㊲『ミッツァロのカラス』@小劇場B1、4500円~老練な身体・プロ考

評㊲『ミッツァロのカラス』@小劇場B1、4500円~老練な身体・プロ考

 Grass919第6回公演『ミッツァロのカラス』@小劇場B1(下北沢)、前売4500円、全席自由。2022/8/23-28。
 知り合いに誘われ、足を運ぶ。渋い、ベテラン勢の芝居だ。演劇のプロアマ考が頭の中でぐるぐる巡る自分にとって、長年芝居を続けてきた身体を観て、小さなヒントを得た気がする。
 まとまらないが、今後に続く参考でもあり、書いておく。

イタリアの話で短編集で不条理らしい、ピランデ

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