フォローしませんか?
シェア
Kusabue/現代俳句 +AI
2020年11月27日 08:45
「 えらんだ都市 」~現代語俳句集~地球とは孤児かもしれずあまの川果てるのは一日果てないのは秋思おむすびのおおきなことよ運動会フライパン火にかけどおし豊の秋風おとのすき間すき間よのこる虫とうきょうが顔あげている初雪よ熱燗よまさにだいとうりょう選挙手をあげて待つタクシーか木枯か行くみちのままにそだてよ七五三釣鐘は打つもの雪はたまわるもの◇家いえのこ
2020年11月3日 17:03
「 テント出て 」~現代語俳句集~笛吹いて天にとどくかあきまつりふるさとはきえのこる灯よ秋の雨あかるさよ京都しずかに紅葉して絵を描いてつぎの秋またつぎの秋ひととして暮れのこったか秋遍路すみだ川みずのひかりの朝寒むか既視感のなかにたたずみ赤とんぼ生きてこそかずかぎりない草の花とうきょうもひと粒の灯よ星月夜国じゅうがこころやすめよ十三夜◇ふるさとか一
2020年10月19日 17:16
「 灯していても 」~現代語俳句集~大宇宙をものおもいして灯の秋よまんてんの星きよめるか虫のこえつぎの代つぎの代へとばった飛ぶさきもりのすがたをいまに草の花あかとんぼダムの放流とどろくかそのむねに手をあててみよ秋彼岸見つめればだんだん観えて名月よあかるさよ世捨てびとらも月見酒ちんもくをもって真向かう台風よ嶺揺れるかえで紅葉のそのおくで◇デパートが
2020年9月16日 18:17
「 西へ東へ 」~現代語俳句集~スカイツリーさえ大自然鳥わたるそのままで富士そのままで秋夕映あしおとも熊野の音かほととぎすほんもののひびきか奈良の秋の鐘にわ石よしずかながらも秋のこえ見ても歌聴いてもうたよもみじ川琵琶湖からとおい都市まで水の秋たくさんの船たくさんの秋の暮れ隠岐の島いついつまでも秋夕映え千ねんは生きていられず草絮吹く住む街が問いかけてく
2020年8月28日 12:30
「 天球儀 」~現代語俳句集~これ以上踏みいらず山ほととぎす目つむってしずかな光ひぐらしよはるばると呼びあうことよ秋風鈴あれからのこれからの鐘へいわ祭年々よ身にしみてくるへいわの鐘たましいが呼びあってこそ迎え盆せんそうもえきびょうも越え盆踊鳥わたる見えるかぎりの山河越え京よりも奈良のふかさよあきの色星あかりたたずむ橋の名もしらずかがやいていのちの故郷
2020年8月9日 12:12
「 かえってこない雲 」~現代語俳句集~しずかさをひびかせている風鈴よこの世から消えてもきえず京の虹いまの世の後ろすがたよ奈良団扇目をつむっても瑠璃光寺蝉しぐれ人として梅雨のなかゆく熊野古道草笛は吹いてこそ野は晴れてこそ富士の嶺はるかにひいてゆく汗よ故郷までつらなって山ほととぎすそのはてに都市いくつもよ夏の河平およぎ海をひらいてゆくことよ夜釣りして月
2020年7月19日 10:00
「 いつからとなく 」~現代語俳句集~みな都市を育ててばかり夏の灯よまどあけてまっただなかへ天の河柔らかにふれればともる夏の灯よ盛りつける手ゆびやわらか冷素麺おとこらに飲みほすちから生麦酒ふるさととほろぶかくごの白団扇遠ぞらよわすれた日々は蝉しぐれ嶺いつかながし去るのが梅雨の河ぜんいんの人生が夏ロックフェスえいえんに明日あるような夏浜よ◇とびうお
2020年7月9日 11:30
「夏こえゆく」~現代語俳句集~ライオンがふと立ちあがる大夕焼あおぎみるひとのかずだけ夏の月大阪は灯でできているすずしさよ咲いた幸せ散った幸せかきつばた聴くまではきこえず坂の蝉しぐれアイスコーヒー氷残してまた街へくりかえすせんそうへいわ噴水よいのるひと虹でゆるしてきた地球墓だけを地球にのこすすずしさよ縄文遺跡いちまんねんの蝉しぐれたなばたよ恋でさかえて
2020年6月14日 09:08
「 おなじ時代を 」~現代語俳句集~都市のゆたかさ村のゆたかさ夏祭ひとびとがうつくしいのは祭の夜はるかさよいまじんせいの夕涼み生きてふとたどりつくのが冷や奴那智の滝天地のものということか草笛よあしたへつづくじんるい史飛びたっておもたい尻のこがね虫ハンモックわかる地球の大きさがハンモック歳月というわすれものダイバーとひとつになった海は夏カクテルに沈んだ
2020年5月23日 12:20
「 寝静まるころ 」~現代語俳句集~えいえんにときがとまった故宮春淋しさの行きつくところ奈良よ春野にふたりだまっていても風薫る富士の山すえひろがりの涼しさよにっぽんよとおくしずかな夏の音ぼんやりとちきゅうを思う水中花ハブラシがまだいっぽんの恋よ夏あたらしい鼻歌がでてシャワー後扇風機羽根うしなったげんだいよ生涯に別れがいくつかき氷咲くいえにやがて婚ある
2020年5月12日 17:00
「故郷ほたる籠」~現代語俳句集~桃いちりん鳶舞う空に晴ればれとゆく川のさいごはひかりはるの海藤垂れてむらさきのそらしろい空せんねんのなかのことしの白藤よくっきりと富士がみえた日四月尽かたらうかコーヒー店で尽きる春はるがらがらごっとん自動販売機飛ぶひかりふたつでひとつ蝶の恋たんぽぽが現代らしく咲く日なた老画家にえがくしあわせひとり静八十八夜こころに故郷
2020年4月25日 11:11
「そだった家」~現代語俳句集~千ねんよ泣いてわらってはるの月地球から借りたからだで野に遊ぶそのはてにわらいがでたか卒業生たんぽぽとともに時代を吹く人よ雲雀野よつなぐ右手とひだり手と書きものよいずれはしまう春炬燵ねこの子と鏡のなかのねこの子と遍路杖日々はやいことはやいことときをこえ生きている人はるの墓雨おとよはるの地球の子もりうた◇蝶として羽ばたい
2020年4月4日 18:00
「オカリナ」~現代語俳句集~深空からひかりひとすじはるの滝じんるいのゆめの初めの畑打ちよ祈るとはこういうことかぼたん雪コーヒーのかおり千年おぼろの夜春あかつき逢瀬は夢でげんじつでわれわれもたいようの塔春めくよ大ホールピアノひとつが春のおと指揮棒もはずむオーケストラよ春ふるさとを深呼吸してうららかよまた一人またひとり消え春の風邪いちにちの沈黙エープリル
2020年1月28日 01:30
「 春の足おと」~現代語俳句集~ひとすじのひこうきぐもよ大枯野大うちゅうの小さな家の日脚伸ぶボイジャーは今どのあたり冬銀河ヘッドフォン雪舞う空の静かさよ世の中にすこしおくれて焼き芋屋飛行機がとんでいったぞ焼き芋屋あるくたびとおざかるのが一月よとおい島寒ゆうやけとともに消え家じゅうのこともろともに寄鍋よプロキオンカペラシリウス庭焚火◇霜ばしらはるば