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現代語俳句への旅 29 ~そだった家~


「そだった家」
~現代語俳句集~

千ねんよ泣いてわらってはるの月

地球から借りたからだで野に遊ぶ

そのはてにわらいがでたか卒業生

たんぽぽとともに時代を吹く人よ

雲雀野よつなぐ右手とひだり手と

書きものよいずれはしまう春炬燵

ねこの子と鏡のなかのねこの子と

遍路杖日々はやいことはやいこと

ときをこえ生きている人はるの墓

雨おとよはるの地球の子もりうた


蝶として羽ばたいてより無我夢中

おもいでのはてはかげろう故郷よ

ピザ焼けて窯のかなたの春夕映え

はるの灯をともして地球星のなか

たびひとりエスカレーター春光へ

自動車も自転車もみなゆくはるよ

燕らも来るかスーパーマーケット

とうといぞそだった家の花ふぶき

しずかさよまわりにぎわう花の宴

島じゅうがふぶきふぶいて花見鯛



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