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現代語俳句への旅 30 ~故郷ほたる籠~
「故郷ほたる籠」
~現代語俳句集~
桃いちりん鳶舞う空に晴ればれと
ゆく川のさいごはひかりはるの海
藤垂れてむらさきのそらしろい空
せんねんのなかのことしの白藤よ
くっきりと富士がみえた日四月尽
かたらうかコーヒー店で尽きる春
はるがらがらごっとん自動販売機
飛ぶひかりふたつでひとつ蝶の恋
たんぽぽが現代らしく咲く日なた
老画家にえがくしあわせひとり静
八十八夜こころに故郷あってこそ
ビルひとつそびえ立たせて新緑よ
ゆめを追うらくご家たちよ白扇子
遠空よゆけどもゆけどもむぎの秋
はるかさよ会ったすべての人が虹
◇
あがるたび時代がかわる鯉のぼり
五月来るおくれて雲もつぎつぎに
若草か野はらから立ちあがるひと
へいわ通りひろびろとあれ風薫る
麦藁帽子かぶるあなたもきっと海
踏切りがかんかん鳴って夏になれ
たましいのみなしごひとり吹流し
世のなかは握りつぶせずビール缶
ゴールデンウィーク長風呂何日目
歳月はスマートフォンのなかに夏
香水よだれもかれもがゆめときえ
かたつむり己つらぬくためすすむ
雲の峰こどくとカップラーメンと
最後には泣かせてしまう母の日よ
いまにしておもえば故郷ほたる籠
ビアガーデン酒もあかりも金色に
◇
いえの灯をけしてねむるか銀河系
いつも
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ありがとうございます
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