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goldrush00
現代語俳句への旅 37 〜西へ東へ〜
「 西へ東へ 」
~現代語俳句集~
スカイツリーさえ大自然鳥わたる
そのままで富士そのままで秋夕映
あしおとも熊野の音かほととぎす
ほんもののひびきか奈良の秋の鐘
にわ石よしずかながらも秋のこえ
見ても歌聴いてもうたよもみじ川
琵琶湖からとおい都市まで水の秋
たくさんの船たくさんの秋の暮れ
隠岐の島いついつまでも秋夕映え
千ねんは生きていられず草絮吹く
住む街が問いかけてくる秋の灯よ
◇
こころから歩行者天国ことり来る
オートバイ雲もたびしている秋よ
北アルプスのてんねん水と新米と
跳ぶように街から帰れ秋刀魚焼く
ひとくちの甘さでなにもかも梨よ
釣りびとがいなくなったら台風か
向かい風の二百十日であることよ
よく見ればおもしろい世ぞ鳥渡る
とある家のとあるうたげの満月よ
星明りどれかが宇宙ステーション
ゴスペルにブルースレゲエ長い夜
◇
秋の蚊をたたいてはっと浄土寺よ
採るほどに恐ろしいのがきのこ山
町役場まんなかにしてとんぼとぶ
宣誓のこえそのままにうんどう会
あきのくもじんせいに師が何人も
ぽつとある島ぽつとある秋の暮れ
一晩が芯までしみてかぼちゃ煮よ
露踏んで西へひがしへじんるい史
いにしえの奈良のみやこの鐘か春
スマートフォン人類の手に春光よ
香久山のいくとしつきが春夕映え
いつも
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