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現代語俳句への旅 34 〜いつからとなく〜


「 いつからとなく 」
~現代語俳句集~

みな都市を育ててばかり夏の灯よ

まどあけてまっただなかへ天の河

柔らかにふれればともる夏の灯よ

盛りつける手ゆびやわらか冷素麺

おとこらに飲みほすちから生麦酒

ふるさととほろぶかくごの白団扇

遠ぞらよわすれた日々は蝉しぐれ

嶺いつかながし去るのが梅雨の河

ぜんいんの人生が夏ロックフェス

えいえんに明日あるような夏浜よ


とびうおが飛んできらきら一億年

たちあがる蟹のむこうの海ばらよ

自動車のクラクションまで夏盛ん

ケルン積んで山のむこうも青い山

人類史感じながらよキャンプの火

したたってわいて柄杓に富士の水

しみじみと旅のさなかよ昼寝覚め

白日傘かえって来ないかもしれず

ほんのりと人のすがたの手花火よ


事務室のおくのかべまで西日さす

ビアガーデン今宵星空にぎわうか

生き生きとビール飲みほすのど仏

信念もきょうはビールの泡になれ

噴水がいろあせてゆくアルバムよ

とおいとは涼しいことよひとつ星

いつからとなくベランダに七夕よ

はるかさよ未知がかがやく天の川



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