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読書記録|手づくりのアジール(青木真兵 著)⑥
私にとって「研究」は、対価としてお金を得る労働であり、時間を忘れて打ち込める趣味であり、生活や思考全体を組みかえるきっかけをくれる大切な活動でもある。「研究」は職業だが、より広い意味を持っている。
本書にある、働くことに関する文章を読んでそう考えた。
働くことは、複数の側面を持っている。しかし、うっかりすると「働く=労働」と狭く捉えがちである。本書では、働くことの多義性を再確認するヒント(=商品
モノのコミュニティ|はじめに
昨年の夏(2023年7月)、文学フリマ札幌8へ出品したZINEにこう書いた。
この文章を書いてから「モノ(非人間物)が参加するコミュニティ」という言葉がずっと引っかかっていた。その形をイメージしながら、日々を過ごしていた。
そんな折、homeport 山崎さんから熊本ゼミ合宿に誘われた(詳細は「第2回 homeportゼミ合宿 in 熊本~熱源と水源~【旅のしおり】」)。
合宿には事前課題があ
読書記録|手づくりのアジール(青木真兵 著)④
homeportの山崎翔さんと「手づくりのアジール」読書会をしている。
有志が集まる読書会というと、事前に割り振られた担当章を読み、資料を作り、責任をもって発表する、というようなイメージがある。
互いに意見を出し合い、熱く議論し、自分の読みが甘いと、なんとなく情けないような、申し訳ないような気持ちになる。
こうした読書会は、自分が元気な時には楽しいものだ。自分の進むべき道が見えていて、新しいこ
文学フリマ|文フリ東京38に出店します
「郁郁として」という店名で、文学フリマ東京38に出品します。
文学フリマ札幌8、文学フリマ広島6に続いて3回目の出店です。
是非、気軽にお立ち寄りください。
出店について店名:郁郁として
ブース:第一展示場 O-08(評論・研究 | その他)
私たちは、身のまわりの出来事を「発掘」「碑」「喪」といったことばから考えることを好いています。心理学を背景に持つ著者らが、かつて実践していた心理学に、さ
読書記録|手づくりのアジール(青木真兵 著)①
2023年9月30日「つくる人になるために: 若き建築家と思想家の往復書簡(光嶋裕介・青木真兵 著)」を買うため、西荻窪fallに向かった。
fallでは、青木さんが運営する私設図書館「ルチャ・リブロ(Lucha Libro)」の展示をやっていたため、そこで買えると踏んだのだ。
店に入ると、平積みされた「彼岸の図書館」と「手作りのアジール」が目に入る。しかし「つくる人になるために」は見あたらない
読書記録|インタラクション(上野直樹・西阪仰 著)
今からだいたい10年ほど前。
私は心理学の大学院(博士課程)に在籍していた。
ある時、指導教官から尋ねられた。
あなたは今、研究するの楽しい? 自分の研究を面白いと思っている?と。
私は、楽しいです。研究も面白いと思っています。と口では答えたが、
心では、そんなこと、もうよくわからない。と思っていた。
思い返せば学部生のころ、心理学研究のすべてが新鮮で面白かった。
論文を読むこと、実験・調査を