読書記録|手づくりのアジール(青木真兵 著)④
homeportの山崎翔さんと「手づくりのアジール」読書会をしている。
有志が集まる読書会というと、事前に割り振られた担当章を読み、資料を作り、責任をもって発表する、というようなイメージがある。
互いに意見を出し合い、熱く議論し、自分の読みが甘いと、なんとなく情けないような、申し訳ないような気持ちになる。
こうした読書会は、自分が元気な時には楽しいものだ。自分の進むべき道が見えていて、新しいことを学びたい、仲間を作りたい時には、自ら進んで参加したくなるものだ。
しかし、山崎さんとやっている読書会は、それとは少し異なる。「逃亡先としての読書会」という言葉が近いかもしれない。
「逃亡先としての読書会」という言葉は、本書2章(対話1)の影響を受けて生まれた言葉だ。詳しく見てみよう。
栢木清吾さんは、逃亡することは、現状に対する積極的な「否」の意思表示だと指摘する。
また、青木真兵さんは、自身が逃亡した経験についてこう語る。
青木真兵さんの逃亡先は内田樹先生のゼミだった。西洋史の大学院とは別の、逃亡先を密かに持っていた。別の箇所ではこうも語っている。
別の原理を持つ逃亡先。山崎さんとの読書会はそんな場所だと思う。本の要約資料は用意しないし、内容とは無関係な近況報告や、昔の思い出話もしている。
でも不思議と、力んだ身体が弛緩するような、普段押されていないツボを刺激されるような、そんな感覚もする。
自分が置かれた原理から少し距離をとって、別の原理の中で会話をしたい人は、気軽に立ち寄ってほしい。
「ルチャ・リブロを読み直す」第2回読書会
課題図書:青木真兵(2021)『手づくりのアジールー「土着の知」が生まれるところ』晶文社
第2回:「対話1 逃げ延びるという選択 柏木清吾×青木真兵×青木海青子」(P37-66)
2024年5月27日(月)20:00~22:00
会場:homeport(北20条)or オンライン
どなたでも参加可能です。参加希望の方は下記までご連絡ください。
kohan.seisakushitsu[a]gmail.com
※[a]を@に変更してください
そういえば、逃亡先でなぜ「本」を読むのか。先日行った文学フリマ東京38で、共感する言葉に出会ったので、最後に書き記しておきたい。
【読書会の記録】
・読書記録|手づくりのアジール(青木真兵 著)①(田中執筆)
・読書記録|手づくりのアジール(青木真兵 著)②(山崎さん執筆)
・読書記録|手づくりのアジール(青木真兵 著)③(山崎さん執筆)
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