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コラム

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コラムをまとめました。良くも悪くも適当です。
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#関西

東風

東風

 古来より、東から吹き流れる風のことを東風と言った。そのままである。捻りもない。だが関西にて生を受けた僕は上京する際、この東風を捲ってやろうと、本気で考えていたのだ。

 特に何に優れるでもなく、優秀な頭を持つ訳でも、品格がある訳でもない。この時代に大阪も東京もあったものではない。しかしながら、やはり東の言葉には鼻につくような違和感を感じてしまう僕だった。まだまだ未熟だった。

 数年前に意気揚々

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阪急電車の情緒

 思えば今年、電車に乗って移動した記憶というのがほとんどない。4月から在宅勤務となり会社から普段の電車移動を禁じられていた為、ハンドルを握る機会が、明らかに多くなった。年の前半には毎日眺めていた筈の中央線沿線の風景......関西生まれの私にとっては新鮮な物の一つだったにも関わらず、それも僅か半年間で風化してしまったらしい。

 しかし、関西を走る短い私鉄からの眺めであれば、目を閉じればすぐにでも

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それでええねん

それでええねん

強烈な関西弁が、稀に恋しくなる......と思う。どうも、関西生まれ 関西育ち 悪い奴とは大体仲良くなれないKHです。

東京に来て早くも3年が経とうとしています。街中をぶらついていると、結構な頻度で関西弁が耳に入って来るのですが、普段の生活でそれを喋ることも聴くことも、すっかり無くなってしまいました。敬語ではなかなか関西弁が出てこないのです。

恋しいと言えば疑問だし、その口調の強烈さに取っ付き

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僕は酔っているのかもしれない

僕は酔っているのかもしれない

酔っている、そう思った。

世話になった上司の笑顔を見て、何故かそう思ったのだった。

彼は九月末に九州支社へ異動となる予定でありその理由が、上に対する反抗癖であることについては、皆が知るところだった。

「課長、九州でも元気でやって下さい」

「出張で来た時は、また一緒に飲もうや」

そんな会話をした彼、部署唯一の同郷である。あぁもう関西弁も聞き納めだなぁ。僕は、敬語だと上手く関西弁を喋れないか

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貴方が愛した街『神戸』

貴方が愛した街『神戸』

陽が差し込まない東京、嫌な湿気ですね。
と思ったら、火曜日から晴れになるらしい。

夏に向け世間が急速に目を覚ましつつある中、とても素敵な企画に参加させて頂きました!

コロナ禍の影響により活気を失ってしまった『神戸』。そんな神戸を盛り上げる為、皆に興味を持ってもらう為、何か自分でも出来る事はあるのではないか、と生まれたのがこの企画だそうです。関西出身としては、目頭が熱くなる様なイベントです。

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大阪良いとこ 一度はおいで

大阪良いとこ 一度はおいで

※タイトルは草津節から取った物なので、大阪とは一切関係ありません。草津温泉は本当に良いとこ、なので関東圏の皆様は是非。

 現代の大阪におけるイメージとは、果たしてどんな物だろう。厳密には大阪人ではない、兵庫県の東外れに生まれた私にとっても、そのイメージは凄く気になる。例えば、私が上京する時、東京人(大阪人との対比で敢えてこう表現します)は「なんか面白い事して!」「大阪生まれの癖にノリ悪いなぁ」な

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