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人材紹介業をアップデートする

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私が属する「人材紹介業」の未来について個人的見解をつぶやきます。
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#キャリアコンサルタント

オンラインと対面はどちらがよいのか?

オンラインと対面はどちらがよいのか?

 コロナ禍によって一気に普及したオンラインコミュニケーション。人材採用のシーンでも、オンラインで面接を行なうことはもはや当たり前のこととなりました。

 2021年7月に転職活動を行なった人を対象として行なわれた調査によると、回答者の半数強が転職先との選考段階でオンライン面接があったと答えています。

 私の実感値では、ホワイトカラーの中途採用においてオンライン面接を行なっている企業の割合は7〜8

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人生100年時代のキャリア設計を考えてみた②

人生100年時代のキャリア設計を考えてみた②

 仮に75歳定年を想定した時に生じる55歳(役職定年)からの20年にどう備えるのか。前回は、今後多くの人がその"20年"に見舞われるであろうことを以下のように挙げてみました。(※前回の投稿は以下↓)

(1)多様性ギャップ

(2)ジョブ型

(3)環境や技術への適応

(4)物理的制約

(5)経済的制約

 * * * * *

 これらのことに予め備え

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「守るべきもの」と「変えるべきもの」

「守るべきもの」と「変えるべきもの」

 500年企業“とらや”会長が語る「守るべきもの」と「変えるべきもの」——「長く続く」は良いことばかりではない。

 ”ちゃんとした手土産”の定番とも言える「とらやの羊羹」。根強い伝統とブランド力に加え、海外進出やカフェの出店など、時代によって果敢に新たな打ち手を講じてきましたが、常に中心にある同社の”コア”を黒川会長は次のように語っています。

「本当に美味しいものを誠実につくること。一生懸命に

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人の訓練を笑うな

人の訓練を笑うな

PRESIDENT ONLINEの最新記事から、『自衛隊がいまだに突撃訓練をやめられない「日本人ならでは」の理由』。

圧倒的な火力差を前に、無謀な突撃を繰り返して膨大な数の戦死者を出した「203高地」の戦いは、日露戦争を象徴する場面として戦史研究や小説・映画で取り上げられてきました。
その後の太平洋戦争においても多くの兵士を犠牲にしたこの白兵戦の訓練は、現代の陸上自衛隊に

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明日死ぬなら何をのこしたいか

明日死ぬなら何をのこしたいか

 今朝(9/11)の日本経済新聞から、『ジョブ型雇用へ移行進む』。資生堂の社外取締役も務める一橋大名誉教授の石倉洋子先生へのインタビュー記事です。

 多くの人にとって想定外だった新型コロナウイルスが人々に再認識させた「無常観」。
 石倉先生は「自分が働いている会社がいつまで続くかも分からない。個人が勝負できる武器を持つべきだ。」と説いています。
 それは、次の時代を生き抜く知識やスキルを学ぶこと

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対話によって生まれるナラティブなストーリー

ユニクロのアルバイト面接に臨む18歳の若者に対して筆者(※)が行なった対話によって、真の「志望動機」が原木から彫刻物が削り出されるように明らかになっていく様が、軽やかなタッチで記されています。

 もともと履歴書に記されていた"志望動機"は、「シンプルで合わせやすいユニクロの服をたくさんの人たちに知ってもらい、着ていただきたいと思ったから」。

 これに対して筆者は、次のような対話を始めます。

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リモートワーク、リーダーの仕事(後編)

リモートワーク、リーダーの仕事(後編)

それでは長年対面を前提とする属人的なコミュニケーション力や“職場の雰囲気作り”によって組織マネジメントに成功してきた管理者は、それに加えてどのような行動(仕事)でリーダーの役割を果たす必要があるのでしょうか。

ひとつの事例として宝仙学園高等学校の例をご紹介します。(President Online から「東京の名物女子ダンス部が取り組む「オンライン部活」の中身」※同校の富士晴英校長による

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もうひとつの商談

もうひとつの商談

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、渡航や外出、対人接触などが制限される中、オンラインによるコミュニケーションが急増しています。
オンライン・コミュニケーションシステム「Zoom」の全世界の登録数は、は1月時点の9万人から3月11日時点で34万人以上へと急増したそうです。

そんな中、4月から授業のオンライン化を行なう立教大学の中原淳氏が、自身のブログで「授業のオンライン化」とは既存授業

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続・35%はいつまで続くのか②

続・35%はいつまで続くのか②

前回の投稿では、企業の人材確保における外部労働市場への依存度が高まることに伴い、大手~中堅企業でインハウスリクルーター(=採用プロフェッショナル)の増強が行なわれていること、また彼(彼女)らによる精力的なダイレクトリクルーティングの活動やテクノロジーの進化によって、かつて人材紹介会社とユーザー企業の間にあった「情報の非対称性」は急速に解消されていること、またその上で人材紹介コンサルタントが今後

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続・“35%”はいつまで続くのか

続・“35%”はいつまで続くのか

4回にわたる投稿に対し、社内外の非常に多くの方からコメントをいただき、誠に有難うございました。

懐かしい方々とも久し振りにコミュニケーションを取ることができ、改めてSNSの楽しさ(?)も実感しました。

先日、たまたま私がファシリテーションを担当した社内のとある組織のビジョンミーティングで内容の一部を引用したところ、参加者の方々のご発言から私自身に更なる学びがあったため、再び投稿させ

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WHYから始める

WHYから始める

サイモン シネック氏によるTEDトーク「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」。

名著「WHYから始めよ!」でも唱えられている「ゴールデンサークル」を用いて、マーケティングやマネジメントで人の心を動かすコミュニケーションとは、「WHY」を基点とするものであると説いています。

企業や組織にとっての「WHY」は目的、すなわち組織が存在する理由です。利益は理由ではなく結果です。

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『人材業界の未来シナリオ』

『人材業界の未来シナリオ』

「採用100年史から読む 人材業界の未来シナリオ」黒田真行氏・佐藤雄佑氏 共著

人生100年時代と少子高齢化、急速なテクノロジーの進化によって企業にとっての人材採用はどのように変化するか。
その視点から、IndeedやSNSなどの新ビジネスの可能性に触れつつ、その脅威に挑むべく旧来の2大チャネルであった「人材紹介業」と「求人広告」の大手各社がいかなる勝ち残り戦略を描いているかを通して人材

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『自社は「どのような会社ではないか」を決めることの価値』

『自社は「どのような会社ではないか」を決めることの価値』

『自社は「どのような会社ではないか」を決めることの価値 〜変化に柔軟なアイデンティティをつくる』(マデレン・ローチ、ザラ・シュタンスケ)

ハーバードビジネスレビュー(HBR) オンラインからの引用です。

「自分たちは何を目指す会社なのか」すなわちパーパスを社内外に周知することの効力が「パーパス経営」として注目されています。

しかし本稿では、「我が社は◯◯ではない」という正反対の方向性

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「謙虚なコンサルティング」

「謙虚なコンサルティング」

エドガー・E・シャイン著(金井壽宏 訳) 『謙虚なコンサルティング 〜クライアントにとって「本当の支援」とは何か』

マサチューセッツ工科大学(MIT)の名誉教授であり組織心理学、組織開発の第一人者であるエドガー・シャイン教授の著作を、組織論やリーダーシップ論において日本を代表する研究者である金井壽宏先生が訳した贅沢な一冊です。

本書は、「自分が話す」スタイルのコンサルティングを否定

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