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続・35%はいつまで続くのか②

  前回の投稿では、企業の人材確保における外部労働市場への依存度が高まることに伴い、大手~中堅企業でインハウスリクルーター(=採用プロフェッショナル)の増強が行なわれていること、また彼(彼女)らによる精力的なダイレクトリクルーティングの活動やテクノロジーの進化によって、かつて人材紹介会社とユーザー企業の間にあった「情報の非対称性」は急速に解消されていること、またその上で人材紹介コンサルタントが今後もその存在意義を保つ術は「他のチャネルからは獲得できない候補者を推薦する」ことしかないということを述べました。

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  インハウスリクルーターは人材紹介会社との窓口も務めますので、コンサルタントは彼(彼女)らのことを「カウンターパート」(求人発注者)と呼んだりしますが、はたしてこの認識は適切でしょうか?

  実際のところ、インハウスリクルーター にとって人材紹介会社(の担当コンサルタント)は、応募集団形成のチャネルの一つに過ぎません。

  従って、彼(彼女)らがダイレクトリクルーティングによって集めることができる候補者(または他の安価なチャネルで集めることができる候補者)しか紹介できなければ、いずれ「用無し」の烙印を押されて電話にも出て貰えなくなります。(実際、人材紹介会社のコンサルタントが電話でのコミュニケーションにこだわることで貴重な時間を奪われることを苦々しく思っているリクルーターは多いようです)


  では、そんな“カウンターパート”であるリクルーターから真の意味で「パートナー」として認められるにはどうすればよいのでしょうか。

  そのためにはまず、リクルーターのミッションや仕事内容を知る必要があります。(ちょっと想像すれば解るはずです)

  単純化すると・・・

    ▼経営(事業)計画をもとに採用計画を立案し、採るべき人材の要件を決める

    ▼要件に応じてチャネル(募集手段)を選定し、実際に募集活動を行なう

    ▼応募者に対して選考を行なう

    ▼内定者に対して動機付けを行ない入社に導く

という一連のプロセスを経て、『結果(=採用の量と質)』にコミットしているのです。

  そんなリクルーターが「真のパートナー」として認めるのは、自身と同水準の「コミット」をしてくれる人(コンサルタント)です。(プロセスにおいて他からは獲得できない候補者を推薦することが重要であることは繰り返し述べてきた通りです)

  ところが、多くの人材紹介コンサルタントが無意識のうちにイメージするビジネスモデルは伝統的な“リボンモデル”(下図)です。

  このモデルをイメージし続ける限り、リクルーターは図の左端にいる“供給側”の発注者ということになります。

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  “リボンモデル”、すなわちリクルート社が産み出した数々のビジネス(なくてはならないビジネス)の基盤となるコンセプトを否定するつもりは毛頭ありませんが、最大手であるリクルート社以外の人材紹介会社にとっては、“脱・リボンモデル”こそが、未来への第一歩なのではないでしょうか。

※図は「Don't Think ACT! ITベンダーに勤務するマーケター・企画屋のブログ」から引用させていただきました。


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