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小さな私
2024年4月13日 19:50
可愛い子よ恐れないで聞いておくれ 私はお前を待っている木陰であの石の上に座ってる花稸乙女のようにあの羊飼いはお前に言うだろう「あなたを待っていた」とお前の目となり、導きやがて友と名乗るだろう嗚呼、可愛い子よお前は私お前の言葉は私の言葉鋭さと危うさはやがて友と己を切り裂く祝宴は終わりお前は気づくすべては我が道己が招き、選んだ事幼き、愚かしいそれがお前それこ
2024年3月29日 16:02
ああ、可愛い子よ今日は何を語ろうかお前が私に触れた時、その血潮が語ったであろう汚れのない小さな手で何を感じたのだろう忘れた?そう…お前は私を忘れただが、その手はちゃんと覚えている私の冷たさも重さも吸い尽くした臭いもこの身のすべてを預けたああ、私は覚えている昨日のことのように何もかも可愛い子よお前は私だから、恐れるだろう犯した過ちを奪い取った愛をさぁ、呑むがいい!
2024年2月18日 16:22
かわいい子よお前の好きな子守唄を歌ってあげよう積もった雪に木漏れ日がさし空気が凍り光がお前を包む凍裂が響くまるでお前の心のように冷たさに耐え切れず一人叫び泣くあぁ心優しき子よ私の胸に戻り眠るがいい水を湛えし我が郷へ春の小鳥が囀り蘇りし命の息吹踊るように花たちは舞いお前の傷を癒すだろう
2024年1月27日 09:44
お前の過去は私にはどうだっていい私が欲しいのは今のお前そう。目の前にいる男私に触りたい?唇に触れたい?あそこに入れたい?それもいいだが、本当にそれだけで私を呼んだわけじゃないだろう寄ってくる女はいただろうにわざわざこんな森の奥に来ることもあるまいに、お前の役目はもう既に果たしただろう?静かに私を眠らせておくねお前に口つけてをされてからただ一途にお前と共にお前の希望通
2024年1月7日 21:00
あれからどれ程の時代が過ぎ去ったのでしょうか。今も私はあの時と同じ月を眺めています。あなたはもうこの世には居ないと諭す者も果たすことの無い約束をした者も現れてはくれず私はまた一人になってしまいました…瞬く間に時は流れ人の憐れを知ると、若菜の頃の一途な恋も幼さゆえの輝きと力強さが眩しいほど羨ましさご老いた心に痛く切なくまるで、ピンと張った琴の弦のように響いてはあなたの優しい声を思い
2023年11月19日 21:40
造っては壊し、造って壊し、受け入れては遠ざける。古きを尊しと言いつつも真新しさに憧れる。立ち止まる事の怖さより走り続ける辛さ選んではほとほと昔話を繰り返す望郷の虚しさと忙殺の後悔と一抹の人恋しさが、欲望に埋没されて行く苛立ちと憎しみが網のように張り巡り、優しさを絡めとってしまう大人達は言う、「これが世の中だ」子供達は言う「こんな世の中だ」と。いつも繰り返す過ちと理想の間で縄を編む。
2023年7月16日 10:56
私は文を書く時、「サンタクロースなんていないんですか?」の一節を思い出す。「この世に愛や空想や希望、夢が無かったら、なんてつまらない世界になると思いませんか?」きっと、疲れた人々がたくさん居て、思いやりや優しさも失って居る今の時代。声高らかに「夢を持て!」だの、「個性をもて!君らしく生きよ!」なーんて言われてもな……と、ため息が出るばかりですよね?そういう大人たちこそが、目に見えてるもの
2023年7月11日 17:58
君の目には私はどう映るのだろう君の反応を私はどう感じるのだろうこの数ヶ月とても とても 幸せで手放したくはないけれどもう逃げないと決めたのは自分それでも 慣れる事はない君が本当に好きだから尚辛い いい歳して 何やってるんだか? って自分でも笑えるけど夢はいつかは覚めるとわかってる君にありのままの私の姿を見せて現実はコレなんだ‼︎と言うのも私の役目だと思う
2022年8月16日 17:46
青龍は言った 「私が恐いか?」 と。少し考え、 「恐い。だが、あなたに触りたい。」 私は言った。続けて、 「共に生きたい。」 と。 神鳴が唸った。 「何故?」 と。 耳を塞ぎ、目を瞑り、私は叫んだ。 「あなた無しでは生きられないから。あなたが豊かでないと困る。」 強い風が吹いていた。 「お前は私に与える物はあるか?」鈍く光る眼でこちらを睨む。 真っ向から風を受けよ
2019年10月29日 01:11
それでも一日中、布団の上げ下げ、お膳立て、掃除、洗濯はまだ機械に任せる訳にはいかない時代である。 シーツや掛け布団、枕カバー、浴衣は糊付けしきちんと畳みアイロンをかける。予約を確認して帳簿をつける。 おかげで、和服の折り方と膳の作り方だけは今でも覚えている。 お茶屋、八百屋、魚屋に肉屋の御用聞きが、 「今日はいかがですか?」と入れ替わり立ち替わりに来る。その他諸々の雑用がある。我が儘な客
2019年10月27日 17:10
私の周りの人たちの話をしよう。 私の家は、その昔はそれなりに栄えた港町で、旅館を営んでいた。 旅館と言っても、商人宿で二十人も入れば満室になる程度の小さい宿屋である。 祖母の代から始まって、百年近くのなる。今日は、その婆さんの話から始めようと思う。 私は祖母を「おばば」と呼んでいた。お祖母はいつも藍色の地の小紋を普段着に、綺麗な背すじの通った姿で、さっさっさと步く。娘達や孫たちに、
2019年10月26日 23:06
背中まで痛みが広がって、横になっても苦痛で結局、ソファーの下に座って頭をテーブルに付したままで、明け方、人がこれ以上眠りに堕ちる限界まで起きているとね、感情が無くなるんだ。何かを欲する事も諦めてしまう。元々痩せている身体が少ない筋肉まで奪って、40kg だった体重があっという間に31kgまで落ちていた。あの時…暗い部屋で、テレビから明るいわざとらしい笑い声が聴こえて、それがうっとうしくて、腹ただ
2019年10月23日 00:26
ッフッ、ハハハ、ハハハ… そんな顔しないで良いって! 誤解しないで欲しい。 僕これでも昔はけっこうモテたし、親友の一人や二人はいる。 馬鹿騒ぎする仲間達もね。ちょっと悪さをして、繁華街のお廻りとは顔見知りにもなれた。 素敵な恋もした。良い出会いもたくさんある。 本当に楽しい人生を送らせてもらった。 時々、僕に社会的に意見や考え方、怒りを聞き出そうとする輩が現れる。まったくね。 「そ
2019年10月21日 22:12
それでも辛うじて、心臓は動いていた。 僕のココは。 兄に言わせれば、僕はココに毛が生えているんだって。失礼だと思うだろう? …でも…この心臓で僕はここで今君と出逢って、昔話をしている。暮れ行く紫色の空を眺めながら、少し感傷的になって、照れながらね。ッフッ。 そんな顔しないで。 はぁ、ここからが本題なのに、みんな同じ顔する…そうやって現実を見ようとしないんだ。僕に近づこうとするけど、誰も僕