小さな私

小さな私

マガジン

  • レア

  • 言の葉の庭

    和歌、俳句集をのほほんと載せてまさ(❁´ ︶ `❁)*✲゚*読んでください

  • あのね

    物語 あのね

  • FUNWrite

    物語る

最近の記事

劇場

劇場は1000人ぐらいがちょうどいい。 一番後ろの端の席で、舞台全体が見渡し アンサンブルの汗と表情がギリギリ見える プリンシパルの調子と観客達の熱気が交差するあの緊張感がたまらない。 楽器から生演奏の波のような響きが直に伝わるのは、2000人以上の大劇場とはマイク、スピーカーの性能の云々とは超えた、劇場全体が同じ波動を感じる。 もちろん、何千人、何万人収容するアリーナのような興行も否定はしない。 熱狂的な歓声も大音量のグルーブも楽しいだろう。しかしながら、せっかく年に数回

    • 寂しがり屋のワンコ

      遠い、遠い国に1匹のワンコがおりました。 ワンコはもう1匹のワンコと とても、とても仲良く暮らしておりました。 しかし、ある時1匹のワンコが、 「そろそろ、オレはお前の所から旅立って、冒険するんだ。」 と言ってワンコの家から去って行きました。 ワンコは、もう寂しがり屋で(ᐡ o̴̶̷̤ ﻌ o̴̶̷̤ ᐡ)ワンワンッ ちょうどその頃、違う遠い国に1匹のニャンコが 遠いお空を見上げて、鳴いてます。 ニャンコはとても体が弱くお外に出ることが出来ません。そのニャン

      • 可愛い子よ

        可愛い子よ 恐れないで聞いておくれ 私はお前を待っている 木陰で あの石の上に座ってる 花稸乙女のように あの羊飼いはお前に言うだろう 「あなたを待っていた」と お前の目となり、導き やがて友と名乗るだろう 嗚呼、可愛い子よ お前は私 お前の言葉は私の言葉 鋭さと危うさは やがて友と己を切り裂く 祝宴は終わり お前は気づく すべては我が道 己が招き、選んだ事 幼き、愚かしい それがお前 それこそが私の姿 人々は言うだろう 「神々しい伝説」と その手で私を抱きしめておくれ

        • 祝杯

          ああ、可愛い子よ 今日は何を語ろうか お前が私に触れた時、 その血潮が語ったであろう 汚れのない小さな手で何を感じたのだろう 忘れた? そう…お前は私を忘れた だが、その手はちゃんと覚えている 私の冷たさも重さも 吸い尽くした臭いも この身のすべてを預けた ああ、私は覚えている 昨日のことのように何もかも 可愛い子よ お前は私 だから、恐れるだろう 犯した過ちを 奪い取った愛を さぁ、呑むがいい! 祝杯を交わした友と唄うがいい 私を忘れた罪を唄うがいい

        マガジン

        • レア
          16本
        • あのね
          2本
        • 言の葉の庭
          5本
        • FUNWrite
          5本

        記事

          a twig

          かわいい子よ お前の好きな子守唄を歌ってあげよう 積もった雪に木漏れ日がさし 空気が凍り 光がお前を包む 凍裂が響く まるでお前の心のように 冷たさに耐え切れず 一人叫び泣く あぁ 心優しき子よ 私の胸に戻り眠るがいい 水を湛えし我が郷へ 春の小鳥が囀り 蘇りし命の息吹 踊るように花たちは舞い お前の傷を癒すだろう

          キタキツネとあずまキツネ

          冬の前の 秋の小道で キタキツネと 東狐 どちらが たくさん 放浪人を 騙し 土産の団子を取れるか 競い合っておりました キタキツネは 木の葉で たくさんの本に変えて さぁさ、ココにあるのは世にも奇妙な珍しき物語❗️ 私めが世界を巡り 地の底 宇宙、異世界まで 集め歩き品ばかり! ほーら御覧なさい 美しき美女の挿し絵が なんと 次の瞬間大蛇で飛び出てくるよ❗️ 団子三本で譲りましょう🌸🍡🌸 すると 東狐が続いて どんぐりで

          キタキツネとあずまキツネ

          誓い

          お前の過去は私にはどうだっていい 私が欲しいのは今のお前 そう。目の前にいる男 私に触りたい? 唇に触れたい? あそこに入れたい? それもいい だが、本当にそれだけで私を呼んだわけじゃないだろう 寄ってくる女はいただろうに わざわざこんな森の奥に来ることもあるまいに、 お前の役目はもう既に果たしただろう? 静かに私を眠らせておくね お前に口つけてをされてから ただ一途にお前と共に お前の希望通り 私はお前を愛した この身を挺してお前を護り育てた ああ、なん可愛い子よ美し

          終わりに

          あれからどれ程の時代が過ぎ去ったのでしょうか。 今も私はあの時と同じ月を眺めています。 あなたはもうこの世には居ないと諭す者も 果たすことの無い約束をした者も現れてはくれず 私はまた一人になってしまいました… 瞬く間に時は流れ 人の憐れを知ると、若菜の頃の一途な恋も幼さゆえの輝きと力強さが 眩しいほど羨ましさご老いた心に痛く切なく まるで、ピンと張った琴の弦のように響いては あなたの優しい声を思い浮かべ心乱れるのです。 猫一匹も現れない静か過ぎるこの部屋で ずっとあなたを待つ

          今という時代に

          造っては壊し、造って壊し、受け入れては遠ざける。 古きを尊しと言いつつも真新しさに憧れる。 立ち止まる事の怖さより走り続ける辛さ選んではほとほと 昔話を繰り返す 望郷の虚しさと忙殺の後悔と一抹の人恋しさが、欲望に埋没されて行く 苛立ちと憎しみが網のように張り巡り、優しさを絡めとってしまう 大人達は言う、「これが世の中だ」 子供達は言う「こんな世の中だ」と。 いつも繰り返す過ちと理想の間で縄を編む。長く続く戦いは契れることはないのだろうか 知識と経験は書き換えられて行く場所を見

          今という時代に

          あの人も……

          ええ!そうでしたよ。  あの人も。 作家なんて、そんなもんです。  大した稼ぎも無いのに、見栄っ張りで。女に弱くてね、私も苦労しましたよ。 ナルシストを自慢して…すぐに泣いてしまうんです。  そうするとね、女は決まって  「私が居ないと駄目になる。」 なんて母性出してしまうもの。 そこをあの人たちは利用するんですよ。甘えた小声で 「君がいないとこの本は完成しやしないさ、だってボクの体の一部はもう君なんだからね。君が他の男とどうこうなると、ボクは苦しさと痛さでどうにも狂いそう

          あの人も……

          足りないもの

          私は文を書く時、「サンタクロースなんていないんですか?」の一節を思い出す。 「この世に愛や空想や希望、夢が無かったら、なんてつまらない世界になると思いませんか?」 きっと、疲れた人々がたくさん居て、思いやりや優しさも失って居る今の時代。声高らかに「夢を持て!」だの、「個性をもて!君らしく生きよ!」なーんて言われてもな……と、ため息が出るばかりですよね? そういう大人たちこそが、目に見えてるものばかり追い求めていると私は思います。 だから、あなたは目に見えなくても、夢がは

          足りないもの

          夢の終わりに

          君の目には私はどう映るのだろう 君の反応を私はどう感じるのだろう この数ヶ月とても とても 幸せで 手放したくはないけれど もう逃げないと決めたのは自分 それでも 慣れる事はない 君が本当に好きだから尚 辛い  いい歳して 何やってるんだか? って 自分でも笑えるけど 夢はいつかは覚めると わかってる 君にありのままの私の姿を見せて 現実はコレなんだ‼︎ と言うのも 私の役目だと思う

          夢の終わりに

          女心

          なぜ、私が二人の男を虜に出来たか?ですって? それは… 別に絨毯にくるまったからでも、ましてや鼻が高かった訳でじゃなくてよ。 もちろん、容姿は美しい方が良いに決まってるけど、それだけじゃ…ねぇ? 私は女王よ。 この図書室には世界中の言葉が集まっているの。 ギリシア、ラテン、オスマン、ペルシア……あ、もちもんエジプト語も。 国を統治するとは、言葉が第一なの。 民が話す言葉で群衆の心をつかむ! 交渉だって通訳なんて居ない方が……ねぇ。 そして……愛も? だって、そうでしょ?

          公園のブランコ

          ある朝、いつも遊んでいる小さな公園に行ってみると いつも一番に駆け寄っているブランコが無くなっています。 周りをキョロキョロ見回すと、 砂場も 滑り台も 鉄棒も みんな無くなっています。 あるのは…バンダの絵が描いてあるベンチ一つだけ そこに近所のいっくんと言う男の子がしょんぼり座っています。 いつもは元気いっぱいで、鉄棒をぐるんぐるんと逆上がりして、 砂場ではおもちゃのバケツにお水を汲んできれいなどろだんごを作っては 自慢げに「はい!」と私にくれるいっくんです。 いっ

          公園のブランコ