劇場

劇場は1000人ぐらいがちょうどいい。
一番後ろの端の席で、舞台全体が見渡し
アンサンブルの汗と表情がギリギリ見える
プリンシパルの調子と観客達の熱気が交差するあの緊張感がたまらない。
楽器から生演奏の波のような響きが直に伝わるのは、2000人以上の大劇場とはマイク、スピーカーの性能の云々とは超えた、劇場全体が同じ波動を感じる。

もちろん、何千人、何万人収容するアリーナのような興行も否定はしない。
熱狂的な歓声も大音量のグルーブも楽しいだろう。しかしながら、せっかく年に数回の財布に易しくない木戸銭(チケット代)を払うのなら私はゆったりした空気感の中で舞台人のこだわりのある世界に肌で感じる『生』にドップリ浸っていたいのだ。
日本の観客はひカーテンコールまで行儀がいい。
私個人的には自分が感動した時にはためらわずに拍手し、笑い、泣けばいいし、面白くなければ途中退場すればいいと思っている。「よっ!いいぞ!」「bravo〜!」と、賛辞を送ってもいい。

新しい劇場を作るときには、やれ音響だの、キャパシティだのと言う所を話題にしがちだが、劇場を育てるのはやはり人間だと思う。良い劇場はスタッフの表情がいい。フレンドリーの中にキラッとプロの気付いが、観客をリラックスして異世界に入れてくれる。

出来れば、散歩がてらチケットセンターに寄る!という気持ちで観劇したいものだ。それが願望である。

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