紙とゆびさき_手製本小説

利根川風太(小説家/製本家/音楽家)が営むショップです。 自分で書いた小説を自分で製本…

紙とゆびさき_手製本小説

利根川風太(小説家/製本家/音楽家)が営むショップです。 自分で書いた小説を自分で製本しています。紙雑貨も作っています。 ライブなどもします。イベントもやります。 出演・制作のご依頼もお気軽にご相談ください。 紙とゆびさき https://yubisaki.thebase.in

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    いい感じのパン

    2024/9/1 刊行 エッセイ集です。 noteに書いていたエッセイのまとめと、書き下ろしが少し。それと以前演じた創作落語の台本が掲載されています。 [ダブルクリップ製本] ダブルクリップ4つでページと表紙を留めた製本になっています。 収録作「あんまんって食べます?」 https://note.com/kamitoyubisaki/n/n30d89bdf79e4
    660円
    紙とゆびさき
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    「胎内の雪」

    ※本書は2024.5.1に発売された改訂版です。 【改訂版について】 https://note.com/kamitoyubisaki/n/n041efc309630 「幼い頃の記憶は、不思議な曖昧さを持っている  ゾウキとの日々を思い返す時、  世界はわたしたちふたりだけのものだった」 雪の日はいつも思い出す。 ゾウキとふたりで過ごした時間のこと。 ____________________________________ 文庫/170頁/和綴じ/¥800 紙とゆびさきの店主、利根川風太の著書です。 糸を使って綴じた和綴製本で、一冊ずつ手作りしています。 強度の高い凧糸で綴じているので、強く開いてもばらけません。もしほつれてしまった場合は交換・または綴じ直しいたします。 ※執筆・印刷・製本まで、全て利根川風太が行っています。 落丁・乱丁、そのほか商品不備がございましたら、奥付の連絡先かサイト内の「CONTACT」からお問い合わせください。 ※サインをご希望の方はその旨と、恐れ入りますがお宛名を備考欄にご入力ください。日付や記入場所なども、ご希望がございましたらお申し付けください。可能な範囲で対応いたします。
    880円
    紙とゆびさき
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    「沈黙者」

    書き下ろし小説 「誰にも話せないこと」を抱えた青年が、それを誰かに打ち明けるまでを描いた物語。 『沈黙者』 “ 沈黙者は絶叫した。 何もかもがこれで最後だと思った。 ” みさきと響子、ふたりの家を行き来しながら暮らす青年、沈黙者。 「夢の遠吠え」の題で2冊の本を発表して自殺した天才芸術家、無交守。 目を閉じたまま行われる、みさきとの「行為」。 熱病に冒され、枕元の「あなた」と共に死んでゆく少女。 交錯する「呪い」 それはやがて絶叫を求める「沈黙」を照らす____。 ***** 執筆、印刷、製本。すべてを著者がひとりで手がけ、「本」というものの表現力をいっぱいに使って完成させました。 (著者・利根川風太) ***** 【商品説明】 B6サイズ/上製本/300頁 ハードカバーの単行本です。 機械を通さず、一冊ずつ手作りしております。 また、表紙・背表紙の印字にはスタンプを使用しております。 そのため、多少の個体差があります。あらかじめご了承ください。(乱丁・落丁などについては、交換にて対応させていただきます) ***** その他、ご不明な点などございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
    2,500円
    紙とゆびさき

記事一覧

5分後の世界

暑かったり寒かったりTシャツだったりパーカーだったりですね。十月。 今日はそろそろ出かけようかなって時に突然、電気設備の点検の方がやってきて、そういえば先々週あ…

布団は重たい方がいい

秋分を過ぎたとたんに風がひんやりとして冷たい夜が続いているわけだけど、もうこのまま冷たいまんまでいくつもりなら仕舞い込んだニットを引っ張り出してもこもこした格好…

何もなくてもがんばるけれど

好きな小説家を聞かれたら、いつもきまって3人を答えている。 「小川洋子と川上未映子と奥田亜希子です」 先日、丸の内の丸善での「PENフェス」に出展していたら、突如目…

「正欲」

朝井リョウの「正欲」を読んだ。 この本を買ったのは2週間ほど前。 出先でたまたま長い待ち時間ができてしまい、しかも本を持ってくるのを忘れてしまった。 とりあえず駅…

9月の恒例行事

9月に入った途端にほらなんだか既にちょっと涼しい風が吹いたりとかして、まだ秋というには全体的に青々としすぎているけれど、こないだまでそこにあった夏を思えば今ここ…

エッセイ集「いい感じのパン」刊行のお知らせ

このnoteに書き溜めていたエッセイをまとめた本を9月1日から販売します。 ご予約はこちらから。 本に収録したエッセイは、note上ではほとんどが非公開になっています。い…

なんとか生きてます

「高校を卒業したら、音楽をやりつつバイトをして生活します」と言った進路相談の日、先生は「はあ、困ったなあコイツ」という顔をしていた。 「あのね、それは高卒のフリ…

言葉が好きだったり嫌いだったり

夕方。 ふと「骨頂」という言葉を思う。 骨頂。なんか字面も響きも好きな感じ。いい感じ。そもそも以前から「骨」という漢字の造形が割と好きだなって思っていたのだけど…

これが私のヒステリー

昨日・一昨日と名古屋のクリエーターズマーケットというイベントに参加して紙ものをあれこれ売ってきました。 こんなふうに遠征するのは初めてのことで、新幹線やらホテル…

ポップ・ラッキー・ポトラッチ

奥田亜希子さんの小説「ポップ・ラッキー・ポトラッチ」を読みました。最高でした。 奥田亜希子さんといえば「透明人間は204号室の夢を見る」で衝撃の出会いをして以来夢…

幸せな命

文フリ、丸善の怒涛の出展ラッシュを終え、今日は久々にほんのちょっとのんびり過ごしました。 忙しすぎて季節感を失っていたけれど、外を歩けば真っ直ぐな初夏の日差しと…

「胎内の雪」改訂版について

6年前に作った「胎内の雪」という本を改訂することにしました。 きっかけとなったのはプリンターの故障です。 新しいプリンターの新しいドライブの仕様上、今までのデータ…

かくかんかく

先日は第13回ことばあつめの夜、ご参加いただきありがとうございました。 次回のことばあつめの夜は4月27日です。 詳細はこちらから。 「ことばあつめの夜」とは、夜の本…

ことばあつめの夜 4/27

2024.4.27(土) 第14回ことばあつめの夜 (西尾勝彦さんコラボ回) 14回目となる次回は、詩人・西尾勝彦さんが参加してくださいます。 当日は七月堂古書部にて西尾勝彦さ…

一番星

YouTubeに先日の祖師ヶ谷大蔵エクレルシでのライブから「一番星」という曲をアップしました。 世界がよくわからないもので満ちていた少年のころ。帰り道にある大きな柳の…

文と芸展を見に行った話

渡辺元気さんの「文と芸展」を見に行った。 渡辺さんとはデザフェスで知り合った。何々をしている方、という紹介がとても難しい人なのだけど、僕から見えている範囲だけで…

5分後の世界

5分後の世界

暑かったり寒かったりTシャツだったりパーカーだったりですね。十月。

今日はそろそろ出かけようかなって時に突然、電気設備の点検の方がやってきて、そういえば先々週あたりに告知されていたから本当は突然のことではなかったし、点検も5分で終わったのだけど、完全に忘れていた僕からすれば急に飛んだ5分であった。
いつも同じ時間の同じ電車で向かっているグループホームの泊まりの仕事に、5分遅れで向かう。遅刻するよ

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布団は重たい方がいい

布団は重たい方がいい

秋分を過ぎたとたんに風がひんやりとして冷たい夜が続いているわけだけど、もうこのまま冷たいまんまでいくつもりなら仕舞い込んだニットを引っ張り出してもこもこした格好で歩きたいけどどうなの秋、このままいくの?
こういう不意に寒いときこそ思い切って厚着しないと風邪をひくんだよね、ちょっとやりすぎくらいがちょうどいいんだよねって長年の経験から思いまして昨日は割ともこついたパーカーを着てって正直完全勝利でした

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何もなくてもがんばるけれど

何もなくてもがんばるけれど

好きな小説家を聞かれたら、いつもきまって3人を答えている。
「小川洋子と川上未映子と奥田亜希子です」

先日、丸の内の丸善での「PENフェス」に出展していたら、突如目の前に奥田亜希子さんが現れ、手を振っていた。えっ?

奥田亜希子さんといえば、5月に文学フリマに出展されていて、初めて人間の姿を拝見して、しかもちょっと会話とかもして、新刊にサインももらって、やべーやべーイヒヒってなってたんですが↓

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「正欲」

「正欲」

朝井リョウの「正欲」を読んだ。

この本を買ったのは2週間ほど前。
出先でたまたま長い待ち時間ができてしまい、しかも本を持ってくるのを忘れてしまった。
とりあえず駅に隣接された書店に入り、文芸のコーナーをぐるぐるしてみるけれど、どうにも読みたい本が見つからない。少し歩いて、別の書店に入る。30分くらいまたぐるぐるしつつ、あれこれ手に取ってみるけれど、なんだかあんまりピンとこない。でも、とりあえず目

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9月の恒例行事

9月に入った途端にほらなんだか既にちょっと涼しい風が吹いたりとかして、まだ秋というには全体的に青々としすぎているけれど、こないだまでそこにあった夏を思えば今ここにあるこれを夏と呼ぶのはちょっと違うよねって、そういう季節になった感じ。暑さはまたきっとやってくるのだろうけど、夏という季節は8月31日にきっぱり終わる。そしてこの手の話、毎年してる。
子供の頃には大人たちが天気や季節の話ばっかりしてるの、

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エッセイ集「いい感じのパン」刊行のお知らせ

エッセイ集「いい感じのパン」刊行のお知らせ

このnoteに書き溜めていたエッセイをまとめた本を9月1日から販売します。
ご予約はこちらから。

本に収録したエッセイは、note上ではほとんどが非公開になっています。いちおう。

元々、小説以外の文章を書くのがとても苦手で、ちょっとしたトレーニングみたいなつもりで書き始めたこのnote。書きながら読み返しながら、いつも「下手だなあ…」と思っていましたが、そんな文章をいざ本の形にしてみると、なか

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なんとか生きてます

なんとか生きてます

「高校を卒業したら、音楽をやりつつバイトをして生活します」と言った進路相談の日、先生は「はあ、困ったなあコイツ」という顔をしていた。

「あのね、それは高卒のフリーターになるってことだよ?」
「はい」
「はい?」
「はい」

という感じで、バイトをいっぱいする人生を選んだ。

初めてのバイトは15歳の時に始めたミニストップ。もう大体のことは忘れちゃったけれど、最初のお給料で生まれてはじめて自費でハ

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言葉が好きだったり嫌いだったり

言葉が好きだったり嫌いだったり

夕方。
ふと「骨頂」という言葉を思う。

骨頂。なんか字面も響きも好きな感じ。いい感じ。そもそも以前から「骨」という漢字の造形が割と好きだなって思っていたのだけど、こうしてみると「頂」もいいね。
こっちょう。辞書を引くと「程度がこれ以上ないこと。最高の段階」とのこと。いいじゃん。使いやすそうじゃん。でもなんでこの単語って「愚の骨頂」にしか使われないんだろ。それでしか聞いたことない。全然もっといろん

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これが私のヒステリー

これが私のヒステリー

昨日・一昨日と名古屋のクリエーターズマーケットというイベントに参加して紙ものをあれこれ売ってきました。
こんなふうに遠征するのは初めてのことで、新幹線やらホテル代がかかっているぶん売れなかったらどうしよう赤字だったらぜんぜん楽しめないやだなあってちょっと弱気になってたんですが、結果としてはいっぱい買ってもらえて嬉しい気持ちで頑張れました。やったね。

4月からずっと忙しいこと続きでちょっとやばかっ

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ポップ・ラッキー・ポトラッチ

ポップ・ラッキー・ポトラッチ

奥田亜希子さんの小説「ポップ・ラッキー・ポトラッチ」を読みました。最高でした。

奥田亜希子さんといえば「透明人間は204号室の夢を見る」で衝撃の出会いをして以来夢中なんですけど、

先日の文学フリマでなんと作家本人とお会いして、あわあわしながら少しお話して、そしてその場で新刊を買ってきたのでした。
それが「ポップ・ラッキー・ポトラッチ」。

もう一度言いますが、最高でした。この本。
作家本人から

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幸せな命

幸せな命

文フリ、丸善の怒涛の出展ラッシュを終え、今日は久々にほんのちょっとのんびり過ごしました。

忙しすぎて季節感を失っていたけれど、外を歩けば真っ直ぐな初夏の日差しと日焼け止めのにおい。暦はどうあれたぶんもう夏なんだね。

丸の内丸善「書活」の最終日、お隣のブース「すずめや」の四方さんと軽く打ち上げをした。
四方さんは手製本ノートを作っている製本家。彼女と初めて会ったのも、3年前の丸善の催事だった。僕

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「胎内の雪」改訂版について

「胎内の雪」改訂版について

6年前に作った「胎内の雪」という本を改訂することにしました。

きっかけとなったのはプリンターの故障です。
新しいプリンターの新しいドライブの仕様上、今までのデータで同じように刷っても、刷り上がりが少し違ってしまう、という事態に陥りました。
胎内の雪は、生まれて初めて作った本。
思えば当時は製本のことなんて何一つ知らなかったし、この本をどのくらい作り続けてゆくのかとかも全く考えていなかった。
なの

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かくかんかく

かくかんかく

先日は第13回ことばあつめの夜、ご参加いただきありがとうございました。

次回のことばあつめの夜は4月27日です。
詳細はこちらから。

「ことばあつめの夜」とは、夜の本屋さんを真っ暗にして、お客さんにランタンを配って、会場には紙とペンとポストがあって、それぞれ暗闇の中で何か言葉を書いてポストに入れて、それらを集めて一冊の本を作るというイベントです。詳しくは上の記事をご覧ください。

僕はこのイベ

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ことばあつめの夜 4/27

ことばあつめの夜 4/27


2024.4.27(土)
第14回ことばあつめの夜
(西尾勝彦さんコラボ回)

14回目となる次回は、詩人・西尾勝彦さんが参加してくださいます。
当日は七月堂古書部にて西尾勝彦さんの朗読会が開催されており、そのままことばあつめの夜にも参加していただけます。
西尾さんと同じ夜を過ごし、同じ一冊に言葉が綴じられる機会となります。ぜひぜひお越しくださいませ。
ことばあつめの夜は、ご予約不要です。ふらり

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一番星

一番星

YouTubeに先日の祖師ヶ谷大蔵エクレルシでのライブから「一番星」という曲をアップしました。

世界がよくわからないもので満ちていた少年のころ。帰り道にある大きな柳の木がなんとなく怖かった。あの頃は、なんとなく怖いものがたくさんあった。土砂降りの向こうから突然現れる大きな車がなんとなく怖かった。ボールが入ってしまった塀の向こうがなんとなく怖かった。ついさっきまでざくざく探検していた雑木林の薄暗さ

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文と芸展を見に行った話

文と芸展を見に行った話

渡辺元気さんの「文と芸展」を見に行った。
渡辺さんとはデザフェスで知り合った。何々をしている方、という紹介がとても難しい人なのだけど、僕から見えている範囲だけで言うと、「文章表現を様々な面白いアプローチで試みている方」という感じのひと。

「文と芸展」はとても刺激的で、楽しかったし有意義だった。
言葉をテーマにした展示でありながら、「言葉は不完全」と告知段階で強く銘打っていたこの展示。色々な方法で

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