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全ての答えはもりのなか

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森づくりと収穫

森づくりと収穫

近自然森づくりというものがある。

『それは何?』と聞かれても『近自然森づくりというものはこういうものでこういうことです。』と答えた瞬間に違うものになってしまうような不思議なものです。もしかしたら私の先生ならばちゃんと答えられるかもしれませんが私にはまだ説明は無理なので書きません。

でも、これはもしかしたらそれに沿った仕事の内容かも?と思ったことが昨日あったのでここに書いておきます。

今回の表

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なんとか形に。〜カマド制作第4歩目〜

なんとか形に。〜カマド制作第4歩目〜

打ちひしがれて自宅に帰った3歩目の昨日でした。

家に帰って『あ〜、もうどうしよう...。』こんなに時間も体力も予算も使って作ったけれどなんと設計図と間違えて作っちゃった。
レンガ積みを壊して、三度目の正直と言ってまた、一から組み直すか、それともそのまま続行するか...

機能、性能、美性とを重視するならぶっ壊してモルタル買い直してまた一からやり直すしかない。そうしたらしっかり長く愛せるカマドにな

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森の入り口で森の出口を考える。

森の入り口で森の出口を考える。

なんだかんだと言いつつも、それでも蒸留自体は楽しいものです。

銅の蒸留機の中が”コーーーーーーーーー....”という音を発しながら沸騰をし始め辺りにはスギの枝葉の良い香りが漂い始める。

途端に周りを飛び交っていた血を吸う虫が去っていく。
風向きによって風除けの位置を動かしたり、薪の火力を調整しながら時間を計り、水量をチェックし、蒸留水の排水量や冷却水の水量を調整する。
そして、製品はどんなパッ

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ワイルドすぎる蒸留現場

ワイルドすぎる蒸留現場

ということで本間製作所さんの農業用などによく使われている簡易カマドをコメリさんで購入して精油を蒸留してみることに。

本当は煙突とかのついたもう少し立派なものが良かったのですが、この竈門を購入した時期が悪かった。
時は7月。
カマドを購入するには最も適していない時期だったせいかコメリにはこの一択しかなかった。
アマゾンで購入する手もあったけれど、送料とかが馬鹿馬鹿しいほど高くつくのでポチれなかった

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野生の植物を集材する

野生の植物を集材する

これはスギ以外の広葉樹カナクギノキの集材をしている写真です。
ここはかなりハードな林道の奥深くまで行くために現場の方々が一緒に行ってくださったときの写真。(普段は一人なのでこういう写真が撮れません)

この写真を見て

わあ♡
森に精油の材料を取りに行くのですか!?
素敵ですね!私もお手伝いに行きたい♡!!

って思いませんか?
ちなみに私は思いました。笑

春や秋の気持ちの良いお天気なだらかな道

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『森と海と生き物としてのわたし達』
〜森づくりから見えてきた世界〜

『森と海と生き物としてのわたし達』 〜森づくりから見えてきた世界〜

【aromatopia167号】
一年間の予定で始まり結局二年間に延長し連載をさせて頂いた森づくりコラムの最後の執筆でした。(次号ではインタビューを受けてます)

当初お話を頂いた時、『執筆などしたことないのにちゃんと務まるかしら?』と、とても不安ながらに始まった連載でした。
そして思いかえせばこの二年間
『森と海と生き物としてのわたし達』〜森づくりから見えてきた世界〜
毎号4ページのこのシリーズ

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私がFORESTERCHICKSになったわけ。

私がFORESTERCHICKSになったわけ。

私が広葉樹を使った化粧品開発を始めたばかりの
3年前のある日のことでした、森の先生は林道に車を止めて
『あの対岸にある木々の足元がどんな風になっているかわかりますか?』
と、谷の反対側にある遠くの森を指さしました。

その時の私にはこの風景は日本中で少し田舎に行けばどこでもみられそうなスギの植林地にしか見えませんでした。
それでも私は一生懸命に考えましたがその時は結局答えは見出せませんでした。

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森づくりサポーターのみなさんへ配送開始

森づくりサポーターのみなさんへ配送開始

先日のこと。

生物多様性の高い森づくりの中に在る蒸留所のサポーターを募集しました。

当社の蒸留の原料を収穫する森は『非皆伐』と呼ばれる丸刈りをしない方法で林業が行われている森です。『皆伐』や『非皆伐』という言葉は林業以外では聴きなれない言葉ですが、林業業界では頻繁に使われる言葉で

皆伐=丸刈り
非皆伐=丸刈りにしない

という意味です。

どちらも一長一短あり、見えないところで私たちの生活を

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【一本の価値と一群の価値】

【一本の価値と一群の価値】

先日、とあるカレンデュラの精油に出会った。

それは市販品ではなくてある人が自分の釜で蒸留したもの。
そして、その人が蒸留したラベンダーやレモングラスなど様々な植物の香りを聴き感じたことがある。
やはり、どの植物にしてもその土地土地の土のミネラルの多さや陽当たり、水の感じ(加圧水で育ったのか雨で育ったのかその土地の地盤は何土寄りなのか、風は強いか弱いか虫は多いか少ないか、もしくは肥料を与えているか

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森と自然と林業とワタシ

森と自然と林業とワタシ

『森を守るとかって言い方オカシクない?』

突然ちょっと乱暴な言い方ですみません。
これは長年、”私がワタシに向けて”吐いていた言葉です。

『人間が居なければ、地球は自らの自浄作用で元に戻っていく。なのに人間が自然を守ろうとか森を守ろうとか言うのって大きな勘違い過ぎて恥ずかしくない?』

人間以外の動物と植物と鉱物だけであれば地球はこんなにも短期間で急激に環境を変える事はなかった筈。
現に今、人

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化粧品開発秘話

化粧品開発秘話



【Odai x Thousand Snow】
Natural cosmetics brands “Cokage”.
It’s a moment’s of development.
1枚目の写真はこの石鹸【木かげCokageボディソープ】開発時の写真です。

石鹸の大切な原料であるアルカリを作っているところです。

アルカリ水溶液の濃度と抽出時間、
原材料の素になる植物などを決めるために
何百種

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初めての伐倒 Vol.2

初めての伐倒 Vol.2

いくら何でも、いきなりこんな大きいのは伐らせないでしょ。ナイナイ。

多分、劣勢間伐(成長の悪い木や曲がった木を抜き伐りすること)か何かに違いない。きっとどんなに大きくてもいいとこ20cmとかかなぁ。と思ってた。

しかし、私の淡い思い込みは情け容赦なく切捨てられました。
伐る立ち木の前に立ってボーゼンとした。

『マジか...』

胸高直径なんて測る余裕なんてものは全く無く、伐倒前にお祈りする気

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QUSUYAMA的森林活用法について

QUSUYAMA的森林活用法について

林業従事者とは呼ばれず、しかしただものを作るだけでもない。
私が目指す『ものづくりとことづくり』のコラムです。この写真はどこでも見かける杉の植林地に入ったときの風景です。
さて、ここでプロの林業家の方々の目線と私たち素人の目線を考えて見ましょう。

もし、この写真をプロの林業家が見たらどのような反応をするでしょうか?
・曲がってるな
・虫が入ってないかな?
・根元は腐ってる?
・樹高はどのくらいだ

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