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本・読書

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読書会、読書記録系のまとめ
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記事一覧

【書と評】NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 を読んで

今日は本をご紹介します。友人に勧められて読んだのですが、とても良かった。「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法」という本です。NVCとはノン・バイオレント・コミュニケーションの略。非敵対的なコミュニケーションを指しています。僕は人の心の成長はコミュニケーションに大きく表れると言えると思っています。それは賛否あるとしても、コミュニケーションの質が人生の質を相当上げてくれるのは確かです。本の内容

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【書と評】なぜ人と組織は変われないのか を読んで



ロバート・キーガンのこの著と「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」とはとても啓発的でした。

■ たいてい人は答えを持っている

複雑なビジネス環境では行き詰った時に正しい行動は何か知るというのはなかなか難しいものです。しかし、今上手くいっていないことの理由や、そこをこうすればいいのに、というちょっとした改善案などは現場で持っているものです。

例えばある学校では教師が実際に教えている授業と教

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【書と評】教皇とダライ・ラマ

【書と評】教皇とダライ・ラマ

最近仏教のテキストをよく読んでいる。梅原猛が編集をした「仏教の思想(12巻)」を読んで、末木文美士とか木村元などにアクセスして、印→中→日の仏教の流れを概ね把握した。鈴木大拙が編集している「講座 禅(8巻)」をつまんで、鈴木大拙の直接の著作の方が良さそうだと、大拙の全集を読んでる。大拙は彼自身が深い。

人が宗教に求めるものは「救済」だ。現世での救済か、死後の救済か(キリスト教でも仏教でも与えられ

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【書と評】「学者にできることは何か―日本学術会議のとりくみを通して」を読んで

【書と評】「学者にできることは何か―日本学術会議のとりくみを通して」を読んで

今話題になっている「日本学術会議」について、何が問題なのか、どんな組織なのかを知らないと思い、少し調べてみることにしました。

◆◆

amazonで調べてみると、3・11のすぐ後に学術会議の会長となった広渡清吾氏の「学者にできることは何か ―日本学術会議のとりくみを通して」を見つけました。日本学術会議では3・11の10日後から分野別の提言をまとめていて、国内・海外に発信をしていました。その内容か

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【書と評】「知事抹殺」佐藤栄佐久著 を読んで

【書と評】「知事抹殺」佐藤栄佐久著 を読んで

改めて調べてみたら、知事の贈収賄の控訴は最高裁で棄却されて、有罪が確定していた。僕はこの本で、彼の側からでしか情報を得ていないが、贈収賄をするには政治に打ち込んでいる人のように思う。

紳士服の会社の長男として生まれ、JC(青年会議所)の活動に打ち込んで会社を離れた。JC会長選で敗れ、参議院選挙で一度敗れて、地元福島を足で回り、「選挙は山から攻める」のだということを知った。街の人のつながりは希薄で

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【共読】「夜間飛行」サン=テグジュペリ 第2回 を終えて

【共読】「夜間飛行」サン=テグジュペリ 第2回 を終えて

「五感をひらく」という読書会を始めてもう4年目になる。元々読書が黙読を前提とするようになったのは、活版印刷が普及して本が当たり前になったこの100年ほどのことで、それ以前は本も声に出して読んでいたし、言葉というものは声と共にあった。

そんな少し古くて、でも根源的な方法で、ちょっと特別な本と向き合いたいとこの会を始め、その最初の呼びかけに応えてくれた人と共催で、本を読み継いできた。当初は庭園のある

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「本居宣長」小林秀雄 超訳

「本居宣長」-24章(2022/2/24)※小林秀雄の「本居宣長」を毎月少しずつ読む共読サロンを主催しています。ご興味ある方はこちらからお問合せ下さい。

https://peraichi.com/landing_pages/view/demian

「本居宣長」-1章
小林秀雄が宣長の旧跡に赴いた話。伊勢松阪の人で「鈴屋遺跡」の名で今も残る。(宣長は学問しながら眠くなると気に入りの鈴を鳴らしなが

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「慧能示寂直後の禅思想」鈴木大拙

「慧能示寂直後の禅思想」鈴木大拙

鈴木大拙を読んでいたら、今読書会で継続して読んでいる宣長が出てきた。こういう事に関心が強いのは、日常とか自分とか社会というものに、新たな視点や切り口を与えてくれて、突破するヒントが見つかるからだ。

いやだってさ、日本の政治とか社会に不満があっても、「じゃあ、どうしたい?どうしたらいい?」って、こういう所から考えていくしかないじゃない?

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神會の只没道(ただ道)は一度は若為道(何かのための

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