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Ching-Oの「あなたと音楽を」

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こんにちわ。ミシガン州川口市在住。あなたの隣人の親愛なるキチガイ、Ching-Oです。深夜のラジオが大好きで、静かに音楽と向き合うような時間が好きです。音楽についてあれやこれやと…
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【過去記事発掘】テリー・ボジオ:ドラムで宇宙を表現する真摯な音楽家の姿を見た!@ビルボードライブ東京

【過去記事発掘】テリー・ボジオ:ドラムで宇宙を表現する真摯な音楽家の姿を見た!@ビルボードライブ東京

以下の文章は2016年1月に某サイトに掲載するために書いた記事です。そのサイトにはまだ載っているようですが、筆者が退職した後もシレっとSEO対策で載せっぱなしになっている死んだ記事になっているのが許せないのでここにサルベージいたします。暇つぶしにどうぞ。

 ドラム界、三賢人の一人、テリー・ボジオ。
(ほかの2人はあなたの好きなドラマーの名前を適当にぶっこんでください。)

 1975年、フランク

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【音楽雑記/レビュー】L.A.M.F.: The Found '77 Masters/1977年のジョニー・サンダースがそこにいる。

【音楽雑記/レビュー】L.A.M.F.: The Found '77 Masters/1977年のジョニー・サンダースがそこにいる。

 初期パンクの重鎮、ジョニー・サンダース。彼がニューヨーク・ドールズを脱退して結成したハートブレイカーズが唯一残したアルバムが"L.A.M.F."だ。パンク・ロックの黎明期において非常に重要なアルバムでありながら、残念なことに知名度がそんなに高くない。が、ロックが好きならば一度聴けば、絶対に死ぬまで聴き続けるアルバムになるのは間違いない。

 "L.A.M.F."は、1977年にザ・フーのマネージ

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黒い安息日を覆う音/トニー・アイオミと彼の愛器、SG。

黒い安息日を覆う音/トニー・アイオミと彼の愛器、SG。

 姉さん、事件です。

 HR/HM界の重鎮、ブラック・サバスのトニー・アイオミが、その活動初期において使用していた魔改造1965年製ギブソンSGスペシャル(リンクの記事には64年製とあるが、65年製で正しい)、通称”モンキーSG”を模したシグネチャーモデルが発売されました。昨年、アイオミ所有の実際のモンキーSGを小さな傷にいたるまで再現したモデルも発売されていたのですが、右利き用

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鬼畜と伝道師/映画「ドアーズ」公開までの茨の道。

鬼畜と伝道師/映画「ドアーズ」公開までの茨の道。

なぜいまドアーズかって?
俺が好きだからさ。
他に理由はないぜ。

 1960年代後半、ロックが反体制の旗印だった時代に現れ、大きな足跡を残したバンド、ドアーズ。いまなお多くの人々を惹きつけてやまない危険な魅力に溢れている。後年、フロントマンのジム・モリソンを主役にした伝記映画が製作された。その製作の過程においては、監督と元メンバーとの間に大きな軋轢が生まれていた。

〇時代の寵児、ドアーズ
 ド

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【音楽雑記】夏だからグランドファンクだぜって話。

【音楽雑記】夏だからグランドファンクだぜって話。

ここんとこ暑かったせいもあるけど、ガサツでゴリッとした音楽ばかり聴いていた。夏だからレゲエ?夏だからEDM?どれとトゥーマッチだぜ。俺が言っているのはアメリカン・ハードロック、バンド名で言うとグランド・ファンク・レイルロード…。

暑いけどとてもイイ。凄くイイッ!!!!

マーク・ファーナーのギターのファズはビィイイイイイッという音がする。メル・サッチャーのベースはまさに暴走機関車の心臓部。ドン・

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恐怖のホラー改革/ゴブリンとダリオ・アルジェント

恐怖のホラー改革/ゴブリンとダリオ・アルジェント

 現在では、ホラー映画にロックが流れるのはおかしいことではない。なにせ、ホラーとロックは食い合わせがいい。タランティーノ的なアプローチで既製のロックの名曲を「ここぞ!」というところで流したり、ヘヴィロック系の旬のアーティストに曲を書き下ろさせ、秒単位で湯水のように音源を使いまわしたりと色々だ。いいアーティストをつかまえられれば、サントラの売上も見込めるので製作者としてもウハウハだろう。

ところが

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【音楽雑記】ティン・マシーンを忘れないで。

【音楽雑記】ティン・マシーンを忘れないで。

 昨年の話。

 昔のバンド友達と飲んだとき、俺はデヴィッド・ボウイならどの時期も好きだ、アルバムは揃えてると豪語した。しかし、その友達から痛い、かつ的確なツッコミを喰らった。

ティン・マシーンもかっ!?

揃えてなかった!
ティン・マシーンは揃えてなかった!

 ボウイが1989年に結成したバンド、ティン・マシーン。かつてなぜかボウイに関してティン・マシーンのみ推しの知り合いから妙に高圧的にC

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【音楽雑記】最初に出た「AKIRA」のサントラ、セリフ入りだったんだぜ?

【音楽雑記】最初に出た「AKIRA」のサントラ、セリフ入りだったんだぜ?

 NETFLIXで「AKIRA」が配信されている。自慢だが、ちょっと前にIMAX版で観た俺から言わせてもらうと「AKIRA」はできる限り最高の視聴環境で見たほうが良い。サブスクごときのショボい環境ではこの映画の孕む真の恐ろしさは体感できない。そしてその恐ろしさを最大限に引き出すのが芸能山城組の音楽だ。

 思えばガムランやジェゴグといった民俗音楽に興味を持ったのも、芸能山城組が担当したこの映画のサ

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【音楽雑記】"Jerusalem" Sleep/もう一度爆音を。

【音楽雑記】"Jerusalem" Sleep/もう一度爆音を。

 今年に入って活動休止してしまったSleep。公式のアカウントは「必要な休息であって解散ではない」としているものの、再来日の可能性がグッと低くなってしまい残念無念(2024年現在、バンドは再度活動中)。

 2018年、年明け早々に目撃したリキッドルーム、下北沢ガーデンでの二日間。その2音下げチューニングによる聖なる重低音によって、私の視床下部神経及び大脳新皮質に「ストーナー」とはなんであるかを実

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「ゴジラ」を生んだ音響と音楽/伊福部昭・三縄一郎・下永尚

「ゴジラ」を生んだ音響と音楽/伊福部昭・三縄一郎・下永尚

日本特撮映画の原点、ゴジラ。

 もはや説明不要、水爆実験の放射能によって怪物化した古代生物の生き残り。都市を蹂躙し、口から吐く白い炎は街を炎上させ、歩いた後には瓦礫の山しか残らない。登場から60年以上経過した現在でも人気を保ち続けている、まさに怪獣の王である。第1作目「ゴジラ」は昭和29年に公開。後に黒澤映画の第二班監督も務める本多猪四郎の戦災の記憶を基調とした手堅い本編演出と、この世には存在し

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【音楽雑記】初期のデヴィッド・ボウイを丹念に綴ったドキュメンタリーを見た。

【音楽雑記】初期のデヴィッド・ボウイを丹念に綴ったドキュメンタリーを見た。

 BBCが昨年公開したドキュメンタリー、「デヴィッド・ボウイ 最初の5年間」を拝見。

 時期的に今度公開される映画「スターダスト」とどれほどの重複があるかは不明だが、十代の終わり頃からアルバムでいうと「世界を売った男」あたりまでのボウイを、当時のバンドメンバー、友人、元恋人、スタッフ、そしてボウイ本人の証言によって丹念に浮き彫りにしていく。これがとんでもなく丁寧な作りで見ていて唸ることしきり。バ

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【映画雑記】「Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡」孤独な眼をしたロックンローラー。

【映画雑記】「Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡」孤独な眼をしたロックンローラー。

 最近は劇映画を観るのがなんだかめんどくさくて、ドキュメンタリー映画ばかり観ている。たまにこういう周期が来る。今日はU-NEXTの作品一覧にの中に見つけてとりあえずマイリストに入れて放置していた1本を観た。

「Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡」。

 ニューヨーク・ドールズのギタリストとしてデビューし、ハートブレイカーズ(トム・ペティとは関係ない)を経てソロへ。セ

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【映画雑記】ストーンズの「ワン・プラス・ワン」/ゴダールが苦手です。

【映画雑記】ストーンズの「ワン・プラス・ワン」/ゴダールが苦手です。

ゴダールが苦手です。

 ゴダールの「勝手にしやがれ」は必ず最初の5分でギブアップしてしまう。具体的に言うと「海が嫌いなら云々」って独り言のとこまで。好きな人がたくさんいるのはよくわかるんだけど、どうしても入ってこないものってある。

 ゴダールの映画で最後まで観られたものはローリング・ストーンズを撮った映画「ワン・プラス・ワン」しかない。しかし、これが宇宙レベルの超絶的退屈さ加減。画面にはローリ

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【おすすめの本】「ジム・モリスン 知覚の扉の彼方へ」

【おすすめの本】「ジム・モリスン 知覚の扉の彼方へ」

 おすすめの本、2冊目。

「ジム・モリスン 知覚の扉の彼方へ」。

 中学2年生のとき、オリバー・ストーンの映画「ドアーズ」が公開された。当時まだまじめな映画少年で「スクリーン」や「ロードショー」、ジャンル映画は「宇宙船」と雑誌で情報を集めていた俺は、ジム・モリソンの恰好をしたヴァル・キルマーの写真を目にした。どえらいカッコ良さに脳みそが200万光年の彼方へ吹っ飛ばされたような気分になった。同じ

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