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随筆(2022/10/23):自尊心や自信がないと、謙虚になるかもしれないが、卑屈にもなるし、他人の善意が全部悪意に見えてくる_1.自尊心や自信があるからといって、説教者になってはいけない

1.自尊心や自信のない人に説教して、自分の自尊心の道具にして、「誇らしい」という気持ちが生えてくるなら、「それは性欲の汚らしさを32倍くらいに肥大化させた快楽である」と思った方がいいよ

1.1.自尊心や自信のない人に説教して、自分の自尊心の道具にして、「誇らしい」という気持ちが生えてくるようだと、道具にされた相手は当然不平不満に思うようになります

自尊心や自信がない人の処世というものがあります。

彼らが(以前の私も)しばしば口にするのが、
「自尊心や自信のある人、相手を見ないでガンガン割り込んできて相手を出汁にして自分の喋りたいように喋って、超うざいじゃないですか。
何で他人を目の前でズリネタにして相手が怒らないと思ってるんでしょうね。
そういう思考って、自尊心や自信があると、できなくなるもんなんですか。
だとしたら、自尊心や自信がある人、バカなんじゃないんですか???」
ということです。

この不平不満は完全に正当であり、私ですら当たり前だと思います。

たいてい、自尊心や自信のない人「に絡んでくる連中」は、ここで何らかの正当化を行うのですが、それはほぼ常に
「相手を心配した気持ちは本物の善意だが、かわいそうな劣ったやつに指導をキメてやると、メチャクチャ善行を成した気分になって偉い人になったようで気持ちいい」
ということの言い換えでしかなく、しかもそれを突っ込むと際限なく
「自分はそんなに快楽に弱くないし、侵襲的でもない。そう思うやつの認識が歪んでいる」
と言い訳を始めるのです。

1.2.性欲の汚らしさの大半は、「強すぎる欲望を満たすために相手の都合を無視する。相手の都合を無視しないのが人間関係の初手だろ。そこをすっ飛ばすやつを、意思疎通可能な人間だと思えないんだよな」というところに起因する

性欲の何がアカンって、たいてい

「やりたくてしょうがない、しかも相手のいることである類の欲望を、他人の都合を無視してやる」
「何をやっても相手は「いいよ。じゃあ応じてやろうじゃないか」と言わない。という強い不信が自分の中にはある。
現に自分が何をやっても、手を尽くしても礼を尽くしても、相手はそれを受け取るだけで応じない。
結果的にこちらのコストを一方的に吸うという搾取構造が成り立っており、相手がこれを受け取っている時点で、端的に搾取を正当なものと考えている。
「押しつけだ」と言うなら「じゃあ受け取るな。自由意志で選択しろ。できねーのか。赤ちゃんかテメーは」という話にしかなりえないんだよな。
当然、人間の脳の学習の結果、不信は否定されることなく、むしろ完全に強化される」
「もし応じた人がいたら、そいつは自分の都合を聞いてくれる「生けるチャンス」なので、自分の欲望が果てるまで、今のうちに道具として使い切る。
つまり、他人を都合のある人間ではなく、「やらせてくれる」と約束した都合のいい人間だと思う。
だから相手が「今日はちょっとやだ」というと「嘘つき!!! 裏切者!!!」とキレる」

この辺ですよ。

相手の都合を理解せず、相手が受け入れられるような手や礼の尽くし方をせず、相手が常に拒む「機能」か常に受け入れる「機能」だと思う。
それ、人間相手にやることか?
相手の都合に合わせて、相手が喜んで自発的に受け入れるような手や礼の尽くし方をして、そして相手が拒んだり受け入れたりする「選択主体」であることでいちいちびっくりしない。
それができて、初めて相手もあなたを人間だと思うだろうし、人間同士の心の通い合いもあるだろう。
色恋って、そういう形で成り立っていくものではないのですか?

誠実だの約束だのは、人間同士でやることだ。
「機能が常に安定して供給されること」は、誠実や約束の話じゃない。
それは道具の話だろ。
JISや技適を人間に適用するんじゃあない。

相手の障壁としての側面や道具としての側面にしか着目しない、要するに自分にとって都合が良いか悪いかする「機能」としてしか見てないの、「人間」扱いということをすっ飛ばしている。
人間扱いを捨象して、コインをもらったらお茶のボトルを出す約束になっている、お金で仕事をするプロなら、それも通るかもしれない。
だが、色恋沙汰の大半は、そうじゃないだろう。

1.3.「受け入れる訳がないだろう。何も学習していないのか」という人、周囲を観察しましたか? 自分や友達の親とか見てたら、彼らが答を持っているとは思わないのか?

「受け入れる訳がないだろう。
現に自分が相手に受け入れられてないんだよ。
じゃあ、受け入れられない、という学習しかあり得ないんだよ。
それとも、教える側のこいつは、その手の学習がそもそもないから、何の実効性もない、現に俺に何の効き目のない教義を、べらべらと気持ち良さそうに説くのか?
マジモンのクソか?」
と毒づきたくなる人、いるでしょう。

が、
「自分の目の前にいない、他人を受け入れている別の他人」
をというのが、実際にいます。

そんなやつらなんか一切見たこともない?
それは、探し方が悪いからではないでしょうか。
かなり少なくない確率で、あなたの片方の親は、もう片方の親に、相手に届く手や礼を尽くして、性欲を満足させて、そうしてあなたが生まれたのだと思いますよ。

(もちろん、一定の確率で、そうではないのです。
が、だったら他人の親子を見てみましょう。
自分と同性の友達の親に訊いてみるのもいいですね。
侠気のある人なら、
「この余所の子もそんな歳か。じゃあ、説明を試みてはやろうかな」
となってくれるかもしれません。
それは本当に有難味のある知見です。
中には「受け入れさせた」暴力的なやつもいるだろうし、そんな話を真に受けちゃいけないんだけど…)

1.4.説教欲は、相手を最初に抵抗者でなく服従者だと思っている分、性欲の32倍図々しく、だからこそ汚らしい

何で性欲の話をしているかというと、

「説教したくてしょうがない、しかも相手のいることである類の欲望を、他人の都合を無視してやる」
「もし傾聴してくれる人がいたら、そいつは自分の都合を聞いてくれる「生けるチャンス」なので、自分の説教欲が果てるまで、今のうちに道具として使い切る。
つまり、他人を都合のある人間ではなく、「自分の放言にひれ伏す」と約束した都合のいい人間だと思う。
だから相手が「その話、今、聴かなきゃダメか? 嫌なんスけど」というと「この経験と学識の豊かな自分に、物も知らんバカのくせに、一丁前にイキって物言いをしてんじゃあない」とキレる」
「何をやっても相手は「いいよ。じゃあ聴いてやろうじゃないか」と思ってない。という強い不信が自分の中にはある。
現に自分が何をやっても、手を尽くしても礼を尽くしても、相手はそれを聞きながら聴いていない。
結果的にこちらの説明コストを一方的に吸うという搾取構造が成り立っており、相手がこれを聞いている時点で、端的に搾取を正当なものと考えている。
「押しつけだ」と言うなら「じゃあ聞くな。自由意志で選択しろ。できねーのか。赤ちゃんかテメーは」という話にしかなりえないんだよな。まあ、選択も理解もできないようなバカだからこそ、なおさら説教されてるのだが…
当然、人間の脳の学習の結果、不信は否定されることなく、むしろ完全に強化される」

という話は、むしろ説教欲において強く出て来るからです。
恐ろしいことに、説教欲は初手で
「相手は物も知らんバカであり、この経験と学識の豊かな自分の放言にひれ伏して当然である」
というところから入るので、もう極めて図々しい形をとります。
およそ信じがたいでしょうが、性欲は相手に対し、初手では
「相手は都合を呑まないものである」
と考えているだけ、まだ謙虚だとすらいえます。

率直に言いますが、そういう意味では、説教欲というものは、性欲よりはるかに汚らしいものです。
そんなのが好きな人、やりたくてしょうがない人、おぞましいんですよね。

1.5.「世間に認められている」ことは「邪悪であることが免罪されている」ことしかもたらさないし、それは依然として「邪悪」なので、いずれトラブルに直面する

「性は世間では否定されているが、説教は世間的に認められているではないか。備わっている正しさが違う」?

「ありふれている」と「正当化されている」ように思うからこそダメなんじゃないでしょうか。

「貴様の愛は侵略行為」
という有名な言葉がありますが、
「貴様の話は侵略行為」
というケースは、もっとありふれています。

んで、
「ありふれていると侵略行為ではない」
という話、全然成り立たないでしょ。
何でその二つの、「どう交絡しているか説明すらできない」話が、何らかの形で交絡して干渉すると思った?
簡単に説明しろや。
理屈と膏薬をペタペタつけた言い訳じゃなくて、上っ面じゃないちゃんとした説明をさあ。
何でできないの?
自分でもそうだとは思ってないか、根拠なくそう思っているからじゃないの?
じゃあ、こっちはそんなバカげた話に付き合ってられないんだよな。

***

「世間に認められている」ことは「邪悪であることが免罪されている」ことしかもたらさないし、それは依然として「邪悪」です。
距離のある、他人事である世間は、それを黙認していようが、現場の誰かにとっては実害があることです。
だから、いずれトラブルに直面することになります。

現に、話を聞かされていた側がブチギレて、人間関係が完全に決裂することはしばしばありますね。
それは、説教者が何の気兼ねもなく味方だと思える相手が、説教者から去っていった、何なら潜在的な敵として新たなリスクとなったか、顕在的な敵として新たな脅威となった、ということです。

私も親友と思っていた相手のクソうざいマウント説教にブチギレて、Facebookでコメント欄で絶交したことがありますよ。
即ブロックしたから、その後どうなったかは分からないのですが、相手は何で自分がキレられたのか、何も理解できてないんだろうか。できてないんだろうなあ。
まあ、いいや。もう親友じゃない。

さて、味方がいる人が、何人か味方を失うと、たいていその人は目に見えてメンタルをヤります。
当たり前ですよね。
「お前は間違っている邪悪生物である」
と突き付けられたのだから、まあダメージは入る。

ダメージが入らない人は、そもそも本当に邪悪生物だから、余程の権力者でない限り、元々世間の地下でしか生きてないでしょう。
危険な存在ではありますが、長期戦では恐るるに足りません。
関わり合いにならない、搾取のチャンネルを潰すことが、直ちに兵糧攻めとしてメチャクチャ効き目がありますので…

(続く)

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