Integral Verse

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  • 『アイカツスターズ!』読解集成

    「やばいくらい -『アイカツスターズ!』読解集成-」(西暦2018年3月30日発表)からの単体記事抜粋、および補填

  • χορός

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記事一覧

【広報】8/7(水) MUSIC UNFAIR@福岡UTERO

8/7(水) MUSIC UNFAIR @福岡UTERO OP/19:00 ST/19:30 前売¥1500/当日¥2000(+1drink order) 【CAST】Parvāne / バイク / z/nz / gn8mykitten OPEN19:00 19:30-20:00 gn…

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21世紀の食糞嗜癖者

 以前にも書いたが、私は X(前 Twitter)上に「治験用アカウント」、または「無料モルモット」とでも呼びうるアカウントを20体ほど所持している。もちろん私がログインで…

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2週間前
3

思い返すほどに情けなくなる映画こと『関心領域』について

 昨晩ペンデレツキの『ルカ受難曲』を流しながら眠ろうと思ったらあまりに怖すぎて数十秒で再生を停めた田畑佑樹ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。数週間前に『関心…

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4週間前
3

私はまだかつて退屈な人に逢ったことがない

〔前略〕  ここまで詳細に記述したのは、人間の聴覚が招来しうる、馬鹿馬鹿しいほどに即物的な問題の所在を明らかにしておくためだ。21世紀に入ってから「(騒音性ではな…

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1か月前
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Chis-A [tʃíːseɪ] / Monarchy of Mortality (2024 ver.)

lyrics / instrumental track “Monarchy of Mortality” is: ♢Originally composed 〔in June 2020〕 by Shì Jīn equally known as Yuki Tabata ♢Re-produced (arran…

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1か月前
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注視された『関心領域』と無視された『Occupied City』

〔前略〕  そして明日は『関心領域』を観にいくのだが、こちらに感心することはおそらくあるまい。鑑賞前からすでに私の評価は確定されてしまっている。この作品のコンセ…

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1か月前
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好き好き大好き(という情動が音楽ドキュメンタリー作品に与える若干以上の影響について)

・数週間前、クロソウスキーの『かくも不吉な欲望』の日本語訳がどこから出てるか調べるうちに河出書房新社のサイトにアクセスし、「あっマズい、新書を出しはじめてから一…

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3か月前
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「いじめっ子になりたいと欲望しない元いじめられっ子」の強さ

 昨晩の興奮がひとまず一過しまして、「そういえば私は、度重なるフランスでの暴動に対しあれほど冷淡だったのに、アイルランド首相自らの辞任に対しては激賞を送ったのだ…

Integral Verse
4か月前
3

Leo Varadkar のアイルランド首相職放棄を、21世紀の世界史を画期する偉大事として顕彰する

 ラマダーン期間中ですので、日没までに費やせる時間は聖クルアーンとアハディース集の再読に・マグリブ以降はカントーロヴィチ『王の二つの身体』読解(←あまりに面白す…

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4か月前

「法と禁止とナルシシズム」にまつわる、誰もが理解しているがゆえに目を背けたがる話

〔前略〕 「うわっイヤだ自分の声は絶対にこんなはずじゃない」という嫌悪感または挫折感の巨きさに潰されて歌をやめてしまう人はいくらでも居るでしょうけども、以前書い…

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4か月前
2

“いわゆる「腐女子」が、男性同性愛者の政治的共同性を前にしていきなり冷淡になる現象” にまつわる分析

〔前略〕  私ね、長いこと不思議に思ってたんですよ、 “いわゆる「腐女子」が、男性同性愛者の政治的共同性を前にしていきなり冷淡になる現象” について。 Prefab Spro…

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4か月前

Parvāne - 尸者 (EGO EPIS) [Live at Public Space 四次元 (1 Mar. 2024)]

 バンド形態 Parvāne 初ライブ演奏を終えた翌日の夜に田畑佑樹が書いております。 Public Space 四次元での演奏にお立ち会い頂きました皆様、およびこれから巡り会うこと…

Integral Verse
4か月前

Tool - The Patient 楽曲構造分析(全体公開版)

  〔西暦2024年2月10日収録〕  ◎マクラ [00:00:05]  radioGA 5回目です。トゥールの楽曲『The Patient』の分析をやります。  前回、私の新しくできた2曲ぶんのデ…

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5か月前
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「2023年末にブラックビスケッツが復活したのだから、2024年末には野猿が復活する」という読みは一切どうでもよく、野猿の楽曲は…

『ナント勅令集』をお聴きになった方々に対しては、私がスキャットマン・ジョンをどれほど尊敬しているかについて説明の必要もないでしょうが、今でも『The Best Of Scatma…

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5か月前
2

「“スルースキル” が人を殺す」時代

〔前略〕  昨日書いたぶんの補足ですが、あれを全文お読みいただけた方々にも注意を促したいのは、私は何も「他人と揉めて甚大な心身的負担をもらうような事態は避けろ」…

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5か月前

ソーシャルメディア上の小マクベス

〔前略〕  “r” の字で始まる、トランスセクシュアルよりは異性装の傾向にあったタレントさんが、去年の7月に自殺しましたよね。皆さん憶えてらっしゃいますかね? 私…

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5か月前
【広報】8/7(水) MUSIC UNFAIR@福岡UTERO

【広報】8/7(水) MUSIC UNFAIR@福岡UTERO

8/7(水) MUSIC UNFAIR
@福岡UTERO
OP/19:00 ST/19:30
前売¥1500/当日¥2000(+1drink order)
【CAST】Parvāne / バイク / z/nz / gn8mykitten

OPEN19:00
19:30-20:00 gn8mykitten
20:15-20:45 バイク
21:00-21:30 Parvāne
21:45-22:1

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21世紀の食糞嗜癖者

 以前にも書いたが、私は X(前 Twitter)上に「治験用アカウント」、または「無料モルモット」とでも呼びうるアカウントを20体ほど所持している。もちろん私がログインできるものではなく、全き他人によって自由に運営されている類のそれらである。私は西暦2017年夏に Twitter(当時)アカウントを削除して久しいので、現在はボランティア(←文字通り「任意行為者」)たちがなぜか連日 World W

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思い返すほどに情けなくなる映画こと『関心領域』について

思い返すほどに情けなくなる映画こと『関心領域』について

 昨晩ペンデレツキの『ルカ受難曲』を流しながら眠ろうと思ったらあまりに怖すぎて数十秒で再生を停めた田畑佑樹ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。数週間前に『関心領域』を観てからペンデレツキづいてるのは、あの映画が救い難い出来で、代替の充実をポーランド出身被戦災者の音楽から得ようとしてるからでしょうね。改めてイヤフォンで『広島の犠牲者に捧げる哀歌』聴いてたら、もうなんか発症するかと思ったよ。『関心領

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私はまだかつて退屈な人に逢ったことがない

〔前略〕

 ここまで詳細に記述したのは、人間の聴覚が招来しうる、馬鹿馬鹿しいほどに即物的な問題の所在を明らかにしておくためだ。21世紀に入ってから「(騒音性ではなく)突発性難聴」のような、一般的に心因性とされる症状の存在が広く知られ、「誰もがいつなぜ大好きな音楽を奪われるかわからないんですよ」的にメソメソした言辞がミュージシャンの側から発されるようにさえなった。それはそれで構わないのだが、私とし

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Chis-A [tʃíːseɪ] / Monarchy of Mortality (2024 ver.)

Chis-A [tʃíːseɪ] / Monarchy of Mortality (2024 ver.)

lyrics / instrumental track

“Monarchy of Mortality” is:
♢Originally composed 〔in June 2020〕 by Shì Jīn equally known as Yuki Tabata
♢Re-produced (arranged, engineered and mixed) 〔from April to May 20

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注視された『関心領域』と無視された『Occupied City』

〔前略〕

 そして明日は『関心領域』を観にいくのだが、こちらに感心することはおそらくあるまい。鑑賞前からすでに私の評価は確定されてしまっている。この作品のコンセプトを聞き・さらに試写で鑑賞した者たちが吐いていた「賛辞」を聞かされた時点ですでに、 Monomeantmovie というハイデガー的英造語が私の頭の中に出来上がっていた。名付けて単意映画。『関心領域』は、映画のみならずあらゆる作品が(作

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好き好き大好き(という情動が音楽ドキュメンタリー作品に与える若干以上の影響について)

・数週間前、クロソウスキーの『かくも不吉な欲望』の日本語訳がどこから出てるか調べるうちに河出書房新社のサイトにアクセスし、「あっマズい、新書を出しはじめてから一気に終わった出版社の新刊案内なんか見てしまったら私は」と思いつつも(というか、その欲望を自覚していたために案の定)スクロールしてしまったのですが、そこに表示されていたのがロナルド・ディヴィッド・レインの詩集2点だったのですね。まあ、今レイン

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「いじめっ子になりたいと欲望しない元いじめられっ子」の強さ

 昨晩の興奮がひとまず一過しまして、「そういえば私は、度重なるフランスでの暴動に対しあれほど冷淡だったのに、アイルランド首相自らの辞任に対しては激賞を送ったのだな」といきなり気付いて微笑しましたが、でもこれにだって筋が通ってるでしょ。以前書いた通り、私がフランスでのデモに対してのみ冷淡なのは、あの行動が「自身を吸収している国民国家の運営をこれからも円滑に保ち続けるための無料メンテナンス」以外の何事

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Leo Varadkar のアイルランド首相職放棄を、21世紀の世界史を画期する偉大事として顕彰する

 ラマダーン期間中ですので、日没までに費やせる時間は聖クルアーンとアハディース集の再読に・マグリブ以降はカントーロヴィチ『王の二つの身体』読解(←あまりに面白すぎて全身の血が煮えそう。少なくとも初読時にここまで多くの付箋張りと線引きを強いられた本はここ8年間で初めて)に費やしているわけですが、さすがに今ここで書いておかねばならないニュースが舞い込んできました。

 どれだけの日本語圏人が認識してい

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「法と禁止とナルシシズム」にまつわる、誰もが理解しているがゆえに目を背けたがる話

〔前略〕

「うわっイヤだ自分の声は絶対にこんなはずじゃない」という嫌悪感または挫折感の巨きさに潰されて歌をやめてしまう人はいくらでも居るでしょうけども、以前書いたようにこれも正調ナルシシズムの問題です。本当のナルシストってのは「自分で自分に惚れ込んでる人」ではない。「自分ではない者を自分として・自分を自分でない者として取り違えてしまってる人」が正しい意味でのナルシストなのね。なので自分の声の録音

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“いわゆる「腐女子」が、男性同性愛者の政治的共同性を前にしていきなり冷淡になる現象” にまつわる分析

〔前略〕

 私ね、長いこと不思議に思ってたんですよ、 “いわゆる「腐女子」が、男性同性愛者の政治的共同性を前にしていきなり冷淡になる現象” について。 Prefab Sprout の歌詞特集でさ、私がかつて Twitter 上の「文学系腐女子」とつるんでた時期について言及したでしょ? それ関連の着想でね、いま Twitter 上の「文学系腐女子」界隈がどんな感じか知りたくなって、試しに検索してみ

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Parvāne - 尸者 (EGO EPIS) [Live at Public Space 四次元 (1 Mar. 2024)]

Parvāne - 尸者 (EGO EPIS) [Live at Public Space 四次元 (1 Mar. 2024)]

 バンド形態 Parvāne 初ライブ演奏を終えた翌日の夜に田畑佑樹が書いております。 Public Space 四次元での演奏にお立ち会い頂きました皆様、およびこれから巡り会うことになるであろう方々への親愛を込めて。
「初めてのライブ演奏ってのはな、客がひとりもいないくらいがちょうどいいんだ。『ラブライブ!』を観てみろ。あれが売れまくったのは最初の客がひとりもいなかったからだ。だから今回の我々も

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Tool - The Patient 楽曲構造分析(全体公開版)

Tool - The Patient 楽曲構造分析(全体公開版)

 
〔西暦2024年2月10日収録〕 

◎マクラ [00:00:05]

 radioGA 5回目です。トゥールの楽曲『The Patient』の分析をやります。
 前回、私の新しくできた2曲ぶんのデモを分析しながら、転調とか凝ったコード進行とかそういったコーダルな要素ではなく、例えばF#マイナーから始めて途中でドリアンの長6度を入れて、その後E♭とB♭のハーモニックマイナーを同時進行させたりす

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「2023年末にブラックビスケッツが復活したのだから、2024年末には野猿が復活する」という読みは一切どうでもよく、野猿の楽曲はひたすらに素晴らしい

『ナント勅令集』をお聴きになった方々に対しては、私がスキャットマン・ジョンをどれほど尊敬しているかについて説明の必要もないでしょうが、今でも『The Best Of Scatman John』は定期的に聴き直してるんですね。というか、去年11月末の別府旅行で大分駅から別府北浜まで歩いた際にずっと聴いてたのがスキャットマンだったんですが、そのとき『Jazzology』の良さに改めて気付かされましたよ

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「“スルースキル” が人を殺す」時代

〔前略〕

 昨日書いたぶんの補足ですが、あれを全文お読みいただけた方々にも注意を促したいのは、私は何も「他人と揉めて甚大な心身的負担をもらうような事態は避けろ」なんて謂ったわけじゃないのね。逆です。脚色家と原作者とのバトル程度なら、いくらでも、思う存分やるべきなの。
 昨日の一件を考えるにおいて私の頭をずっと占拠してたのは、『バトル・オブ・エクソシスト』っていう『エクソシスト』(1973年)のメ

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ソーシャルメディア上の小マクベス

〔前略〕

 “r” の字で始まる、トランスセクシュアルよりは異性装の傾向にあったタレントさんが、去年の7月に自殺しましたよね。皆さん憶えてらっしゃいますかね? 私にとっては忘れようもない出来事だったんですが。
 もちろんね、ソーシャルメディア(特にTwitter)上での誹謗中傷が原因と思しき自殺なんて、本当に理不尽なことに21世紀前半では度々起こっていますよ。しかしこの事実に私の目を開かせてくれ

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