溢水

きみに届く文章が書けますように。 みつけるから、みつけてね。

溢水

きみに届く文章が書けますように。 みつけるから、みつけてね。

記事一覧

しんえん

部屋の中で泣いてすこし吐いていたらこんな時間になっていた。天井ばかりを見ている。今日は伸びきったネイルを変えて、ネイリストのお姉さんにわりと最近あったことを赤裸…

溢水
9日前
12

海を越えたあと。財布に4万くらいは残っているだろう、と思っていたのに、3千円しか入っていなかった。わけがわからないまま過ぎ去る時間を、寂しいという感情だけ掴んで振…

溢水
3週間前
11

ギラギラ剥がれて、

繁華街を歩くとき、品定めされても良いくらい自信を持つこと。だからマスカラを入念に塗る。すれ違うとき、舌打ちされないように。念入りにヘアアイロンで髪に熱を通す。顔…

溢水
1か月前
10

あくび

昼間は平和で、夜はさいあく。世界の道理はずっとそうだった。実家にあるドラえもんの漫画、読みあさる。コンビニに売ってる総集編のやつ。妹の部屋の漫画、勝手に読む。わ…

溢水
2か月前
11

骨折!

ひさしぶりに電話を切ったあと声を上げて泣いた。2回電話したから2回声を上げて泣いた。ひとりきりの部屋では声すらも誰にも受け止めてもらえないから、上げたところでまっ…

溢水
3か月前
11

にんげん!

髪をすいて染めて。仕方がないから近所のパン屋でパンを2つ買って歩いていたらペキニーズ2匹に遭遇。こういう日々が永遠だったらな、と思います。美容室で「小さな音だった…

溢水
3か月前
13

春うらら

なにが不満なんだこの生活の。桜がいつの間にか咲いて散る。葉桜をみのがして、いつのまにか葉っぱだけになっていた。そういう生活を手放したいけど、手放さないまま。自分…

溢水
4か月前
15

あたらしいいぬ

ひとに髪を洗ってもらって乾かしてもらったので、しろいぴかぴかのいぬになった気でいる。頭皮や髪のさきをやわやわと触られるのは、単純に気持ちが良かった。おもいだして…

溢水
4か月前
9

光ってもかわいそうじゃない

皿の上のグリーンピース。嫌なことはぱたぱたと、ドミノみたく重なる。ぎらぎらと光るすべてのものがなんとなくぼやけて見えて、忘れたほうが良いのだろうと察する言葉ほど…

溢水
4か月前
17

せっせと

日に焼けた肌。の、小さな少女が読書にいそしんでいる。ばりばりと本を読むさまを見て、『静岡』を半分過ぎたか過ぎないかのあたり。わたしもぱりぱりと本を読み始めた。鞄…

溢水
4か月前
7

ぴりか

爪に付けたキティちゃんが全てに引っかかって、生活がしにくい。締め切りが生きているだけで迫ってきていて、春になる前なのにずっとなんだか心がさみしい。デカすぎるBGM…

溢水
5か月前
8

わがままでない

たとえば。 起き抜けに化粧を落とし忘れたことに気が付くということ。朝も早よから受け取りあぐねていた荷物を受け取り、先日ぶっ壊したドアの修理代の振り込みに行かねば…

溢水
5か月前
12

いまたすけるからな

なんか卒業してから大学の研究室に行ったとき、流れはちょっといまは思い出せないけれど先生が「死と孤独は切り離せなくて、そういう道を選ぼうとするひとは大抵愛に問題が…

溢水
6か月前
19

そういうダンス

小さいとき、なかったですか。ゴマフアザラシのキャラクターみたいなやつ。あれいまになってすごく欲しい。わたしの生活をいつだって覗いていてくれるゴマフアザラシ。さす…

溢水
6か月前
8

もえそで

春みたいな明るさがちかちかと鬱陶しい。出掛けたさきでは梅の花が咲いていて、車窓から覗いたときシンプルに「きれいだ」と思ってしまったのがいやだった。てかそのあと車…

溢水
6か月前
12

♡2023

大掃除が滞っている。気がつけばもう年の瀬。というか最後の1日。読んでくれているあなたがこたつとか、なんかそういうあったかい場所でまるまっていてくれることを願うば…

溢水
7か月前
19
しんえん

しんえん

部屋の中で泣いてすこし吐いていたらこんな時間になっていた。天井ばかりを見ている。今日は伸びきったネイルを変えて、ネイリストのお姉さんにわりと最近あったことを赤裸々に話した。結局自己嫌悪でだめになった。「自分の意志がなくて、言われたことが悪ければ悪いほど、正しいと思ってしまう」みたいなことを言って、まだ自分はここに居るのか と嫌になる。宇宙をラメで薄めたみたいな爪の色。銀色に引いてもらった線がかわい

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穴

海を越えたあと。財布に4万くらいは残っているだろう、と思っていたのに、3千円しか入っていなかった。わけがわからないまま過ぎ去る時間を、寂しいという感情だけ掴んで振り回している。黒だけがやけに濃い穴を埋めるのは、もう大人なんだから自分しかいないんだよ、ってこと。気が付かないふりをしていたけれど、もう素通りもできなくなっていることだった。責め立てるようにイヤホンから音楽が漏れる。止めたら止めたで思考が

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ギラギラ剥がれて、

ギラギラ剥がれて、

繁華街を歩くとき、品定めされても良いくらい自信を持つこと。だからマスカラを入念に塗る。すれ違うとき、舌打ちされないように。念入りにヘアアイロンで髪に熱を通す。顔の前に手を出されても、立ち止まらずに無視できるように。くだらないとは思ってる。自分なりに前を向ける顔を作っても、薄暗い照明の下じゃなにがなんだか分かんないし。もう会うことないだろうなってひとが、もう会うことないだろうなと気付かせてくれる前、

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あくび

あくび

昼間は平和で、夜はさいあく。世界の道理はずっとそうだった。実家にあるドラえもんの漫画、読みあさる。コンビニに売ってる総集編のやつ。妹の部屋の漫画、勝手に読む。わたしの失くした本も本棚に収納されている。浅野いにおとか、そのへん。『おやすみプンプン』を全巻買おうか迷ってやめたところだった。メロい、とかの概念は言語化できないけどよく分かる。ベランダで煙草吸う。父親の煙草をくすねた。実家、むずい。こころを

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骨折!

骨折!

ひさしぶりに電話を切ったあと声を上げて泣いた。2回電話したから2回声を上げて泣いた。ひとりきりの部屋では声すらも誰にも受け止めてもらえないから、上げたところでまったく意味がない。泣くくらいなら死ねば良い。足の指の骨を折ったので移動すらも痛みが伴う。仕方がないから這って移動を試みたりしたが、30cmほど進んだところで学生時代若干読んだだけの 江戸川乱歩 / 芋虫 が過ぎってだめだった。

別にほしい

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にんげん!

にんげん!

髪をすいて染めて。仕方がないから近所のパン屋でパンを2つ買って歩いていたらペキニーズ2匹に遭遇。こういう日々が永遠だったらな、と思います。美容室で「小さな音だったら大丈夫なので、映画観ても良いですよ」とおしえていただく。蒼井優、と検索して『百万円と苦虫女』を観ようとしたが、さすがに字幕で観よう と探すが字幕なし。断念。まあそれはそれ。携帯を荷物のなかにしまってしまったので視線が定まらない。窓のカー

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春うらら

春うらら

なにが不満なんだこの生活の。桜がいつの間にか咲いて散る。葉桜をみのがして、いつのまにか葉っぱだけになっていた。そういう生活を手放したいけど、手放さないまま。自分の人生なのに、なんだか列車に乗っているみたいだね と思う。またひとごとみたいに。ともだちがいくつか言葉をこぼす。たいせつな言葉だ。浴びる。髪をあらって、かわかしてもらう。たいせつだ。しろいいぬになった気持ちで享受する。言えないことが増えると

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あたらしいいぬ

あたらしいいぬ

ひとに髪を洗ってもらって乾かしてもらったので、しろいぴかぴかのいぬになった気でいる。頭皮や髪のさきをやわやわと触られるのは、単純に気持ちが良かった。おもいだして、ねむくなる。涙をながすと拭ってくれた。化粧をする過程すらも種明かししてしまって、わたしはもうだめ。アイロンで髪を伸ばすのもかったるくて、今日は髪を結んだ。ねむたい夕方。

でけーソファに座っている。沈んでしまいそうだ。なんか、めんどくさく

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光ってもかわいそうじゃない

光ってもかわいそうじゃない

皿の上のグリーンピース。嫌なことはぱたぱたと、ドミノみたく重なる。ぎらぎらと光るすべてのものがなんとなくぼやけて見えて、忘れたほうが良いのだろうと察する言葉ほど輪郭を捉えてしまう。爪に付けたいっとう光るパーツが剥がれてゆくのと同じで、わたしたちは成すすべがない。なんで? 声は反響もせずきえてゆく。声になんていちいち出さないから。そんなもんでしょう。ねむる。

いつだって砂を掴むようなきもちがするん

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せっせと

せっせと

日に焼けた肌。の、小さな少女が読書にいそしんでいる。ばりばりと本を読むさまを見て、『静岡』を半分過ぎたか過ぎないかのあたり。わたしもぱりぱりと本を読み始めた。鞄のなかでは食べきれなかったベーグルが揺れている。傷んだかな。わたしもそれくらいの頃は、読まずには居られなかったよ。いつから変わってしまったかな。口には出さずに思う。焼けた肌と反対色の白いソックス。無垢になりたい、無垢になりたい。とこころのな

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ぴりか

ぴりか

爪に付けたキティちゃんが全てに引っかかって、生活がしにくい。締め切りが生きているだけで迫ってきていて、春になる前なのにずっとなんだか心がさみしい。デカすぎるBGMに苛々して、人生がなんだか涙で浮いている。というかブーツに穴が空いているのか?というくらい水が入ってくる。さっきにタクシー乗ったら番地を正しく入力してもらえなくて、というかそもそも聞いてもらえなくて。「6じゃなくて5です」と言ったら「変わ

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わがままでない

わがままでない

たとえば。

起き抜けに化粧を落とし忘れたことに気が付くということ。朝も早よから受け取りあぐねていた荷物を受け取り、先日ぶっ壊したドアの修理代の振り込みに行かねばならぬことを思いだす。すべてが溢れている。昨日はむしゃくしゃするだけして、涙を無理やり擦りながらタクシー乗り場まで歩いた。涙がでるような生活はいけない。目に付いたガチャガチャを回すことで事なきを得た。えてない。

白い腕の外側にまた刃を入

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いまたすけるからな

いまたすけるからな

なんか卒業してから大学の研究室に行ったとき、流れはちょっといまは思い出せないけれど先生が「死と孤独は切り離せなくて、そういう道を選ぼうとするひとは大抵愛に問題がある」みたいなことを言っていたのを思い出した。唐突。いや、唐突でもない。そんなようなことをここさいきん、ずっとかんがえあぐねていたから。考えなくてもしやわせにふやけられる暮らしとかは、生まれてからまだ一度も訪れたことがない。映画の話からだっ

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そういうダンス

そういうダンス

小さいとき、なかったですか。ゴマフアザラシのキャラクターみたいなやつ。あれいまになってすごく欲しい。わたしの生活をいつだって覗いていてくれるゴマフアザラシ。さすがに愛おしすぎる。さいきんはぬいぐるみだったりキーホルダーだったり、あとなんだ。まあなんかいろいろと。びびっときたキャラクターとの出会いを大切にしすぎていて、部屋のかわいいがもう溢れそうになっている(ふつうに部屋が散らかりすぎていてかわいさ

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もえそで

もえそで

春みたいな明るさがちかちかと鬱陶しい。出掛けたさきでは梅の花が咲いていて、車窓から覗いたときシンプルに「きれいだ」と思ってしまったのがいやだった。てかそのあと車は事故ったし(運転手には「ごめーん!」と言われた。レッカー車に釣られる車を見上げてひさしぶりに心からわらうに至る)。スタイルもご機嫌も常に良いわたしだって、腕を切ったり切らなかったりしながら無理やり進んでいる。さいきんはなにも更新できていな

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♡2023

♡2023

大掃除が滞っている。気がつけばもう年の瀬。というか最後の1日。読んでくれているあなたがこたつとか、なんかそういうあったかい場所でまるまっていてくれることを願うばかりです。振り返れば、いろんなことがあった1年だったけど。書けることだけ書いて、振り返ろうかなと思います。お正月、ひまでしょ。時間つぶしにでもなればいいなと思って。よかったら読んでね。

とにかく、今年は大学を卒業して。大学のころ好きだった

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