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春うらら

なにが不満なんだこの生活の。桜がいつの間にか咲いて散る。葉桜をみのがして、いつのまにか葉っぱだけになっていた。そういう生活を手放したいけど、手放さないまま。自分の人生なのに、なんだか列車に乗っているみたいだね と思う。またひとごとみたいに。ともだちがいくつか言葉をこぼす。たいせつな言葉だ。浴びる。髪をあらって、かわかしてもらう。たいせつだ。しろいいぬになった気持ちで享受する。言えないことが増えると、選択肢が増える。パズルみたいだ。だまったまま死んでゆくしかばねどもを越えたつもりだった。きみのことをまだしらない。鈍痛がする。吐き気がした。きみのことを、まだしらない。


この季節とおなじ名前をしたともだち。とんでもなく顔がかわいい。登場から飛び抜けていて、わたしたちは外国人みたいな見た目をしたやさしい坊主を囲んでたのしそうにケラケラわらった。おもしろすぎるはじまり。思い出していまと比べる。意味がわからない生活。布団を出ようとすると腕が絡まる(前述した彼女には関係のない文章ですこれは。なにについても関係のない)。新緑。春じゃなくても、大切なものとそうじゃないものをみくらべる。かわいい友人、おのれと見比べる。起きたら、靴を1足捨ててやろうと思った。たあいもない。彼女はとってもかわいくて、たいせつだって思ってる。いつかクレープとラーメンを同じ日に食べにいきたい。

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