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ぴりか

爪に付けたキティちゃんが全てに引っかかって、生活がしにくい。締め切りが生きているだけで迫ってきていて、春になる前なのにずっとなんだか心がさみしい。デカすぎるBGMに苛々して、人生がなんだか涙で浮いている。というかブーツに穴が空いているのか?というくらい水が入ってくる。さっきにタクシー乗ったら番地を正しく入力してもらえなくて、というかそもそも聞いてもらえなくて。「6じゃなくて5です」と言ったら「変わらないでしょ、近くなったら言うて」と返された。変わるわ。廃業してまえ、おまえなんて。なるべく早めに。かなしいときはこういうことが重なるのでいけない。タクシーは案の定「右曲がってください」と言っても「え、何?」と言うばかりでちっとも知っている場所に届けてくれない。知らない公園。大雨。領収書はもらう。ここはどこですか、とは聞かなかった。自力で家にもどる。イヤホンがあってよかった。


他人がきれいに整えてくれたシンクがある。あと洗面台。洗ってないフライパン。水に浸けすぎて割れたまな板。「生きてける?」と7回聞かれても、答えは「分かんない」以外に出ないよ。脳が高熱を出したときからフリーズしている。ほんとうは、ぜんぶどうでもいい。どうでもよくない、を探すのが面倒だから全部にこにこして避けてみた。どうでもよくないものからなくなる。かなしい。明日からまたすこし家を空ける。家賃の引き落としのために部屋を借りているのか、部屋を借りているから家賃が引き落とされるのか。虎バター理論をまたやる。お風呂に入って昼までねむりたい。おいかけていた背中が気が遠くなるほど遠い。まだ片付けすらできてない部屋。ついていけないまま進む。ターンテーブルと同じ感じで文字を追っている。きみはせめてすこやかにねむってほしい。

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