記事一覧
Life goes on.
選ばなかった未来にまで
未練を残せるほどに
私たちは自由で
卵の全体概念を
手のなかで転がせるほどに
時間までをも持て余す
人生と呼ばれるそれよりも
遥かに永い春の夜
下線部のそれが指し示すものを 空欄に書き出し
遥かに永いのはなぜか あなたの考えを述べなさい
自問自答の果てしなさ
空白のまま夜は深まり
明け方の空このなかに
なにかこたえがあるような
La vie continue
よるにきづついて
あさにうらぎられ
おっことしたきょうのぼくを
あさってのぼくがひろってくれてた
それにきづいたぼくのあしたを
だれよりもしんじていたのはぼくのきのう
ときはいつもいきすぎて
おねがいばかりしてたけど
ぎゃくそうしてたのはぼくだった
よるにきづついて
あさにうらぎられ
おっことしたきょうのぼくを
あさってのぼくがひろってくれてた
まくらにしんぱいされ
かーてんにはげま
My Ocean
深夜2時
隣りで眠る
きみは無限
髪はさざ波
背中には鰭
寝返りで満ちてく
潮風の吐息
お臍に砂浜
耳には法螺貝
寝ごとが告げだす
海底の暗号
朝7時
隣りにいない
きみも無限
存在の輪郭
シーツには遺跡
頭蓋の置き場所
枕に洞窟
打ち上げられた
浜辺の体温
不在の質量
指先で辿れば
寄せてはかえす
亡骸が生まれる
まえのような陽射し
For New Earth
いま
あたらしく
うまれつつある
わたしたちの
あたらしいことば
はじめに
ことばがあったことを
うみおとすだけの
あたらしいことばで
あたらしいけしきを
むかえいれるための
あたらしい
わたしたちの
あたらしい
ことばを
いま
We Only Live Once
さんがつはいつも「またね」のきせつ
それなのにその「またね」に「またね」はにどとなく
きせつがいくらめぐっても
きせつはいつもめぐらない
「またね」のそのあと
あたらしい「またね」とであっても
ほらまた「またね」がまっていて
はるはいつも いちどきり
けさのかじつはあまずっぱくて
いろんなかたちがまじりあっては
なかなかとけずにくちのなか
いつかの「またね」があふれてきては
ひしめきあっ
Mellow landscape
定番なのに
懐かしく
ベーシックであり
スタンダード
伝統的な
正統派でいて
可能性は
無限大
深まりはじめた
秋の陽射しに
ミートソースが
絡まりあえば
なんてことのない
風景このまま
あのころの
わたしの
風景
そのもの
My Universe
いつもは見上げる太陽が
きょうは眼のまえに落ちていて
いつもは夜空に輝く月が
きょうは触れると柔らかかった
「星活は、宇宙の旅。自分のなかの隕石と、その光を信じる旅。」
手のひらに乗せて開かれる
果実の香りは歌になる
食べごろのサインは世界の秘密
銀河はいつも私のなかに。
Memories of Origin
うみのみえる
わたしの
ちいさな
キッチンにたって
なついろを
そっと
つめにのせた
あおい
あおい
ちいさなうみが
じぶんの
ゆびさきに
うまれるのを
ながめながら
みみをすませば
ちゃんと
きこえる
なみのおと
わたしはずっと、うみだった。