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『豪華!!セレブになれてしまう方法』

セレブな生活を望む人とそうでない人がいるので、この記事は望む人だけしか読んではならない。
なぜならば、なりたくなくてもなってしまうからだ。

世の中、そういう事が多々ある。
先日、わたしは七夕の日にショッピングモール内に展示された笹の木の短冊に、
「キラメイレッド(魔進戦隊キラメイジャーの赤)になりたい」と書いた。
周りには小学生たちが大勢いて、わたしの書いた短冊を見ていた。
それからすぐだ。
ショッピングモールを出る頃には、
「キラメイレッドだ! キラメイレッドだ! いたいた、あいつ、やばいぜ! キラメイレッド!」
と小学生たちに指を差されていた。
耳を疑った。おそらく、なっているのだ。
キラメイレッドに。

本当になっているか、一緒にいた母に聞いてみた。
母は始めは黙っていたが、20回ぐらい聞いたら、うんうんと言っていた。その後、何度聞いてもこちらを見ずうんうんと言うのだ!
「キラメイレーッド!!」
わたしはポーズを取りながら駐車場で叫んだ。
母は、しばらくはあんまり外へは出るなと言う。
正義のヒーローが外から出歩いていると、公務員とかが憧れて集まってくるからだろう。あの人たちは正義と刺激とお盆の時に祖母の家にあるよくわからないお菓子が大好きだからだ。

それを大学時代からの友人に話したら、お前はおれを何だと思っていると若干怒り気味で言ってきた。
「だったらプリキュアになりたいって書いたらなれるのか」
と言う。
何て事を言うのだ。
なれるけど、そんなのは恥ずかしくて書けるはずがない。

だって、あれは女の子がなるものだからだ。

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セレブというのは実はだいたいが投資で生活している。
お金がお金を生み、更にお金が宝石や高級家具を生み、飼っている高級オウムが卵を産んだりしている。しかし、いつも一緒のプードルは卵は産まない。哺乳類だからだ。
わたしも、小学生の頃、飼育小屋で鶏が卵を産んでいるのを見て、頑張れば産めると思いふんばった事があるが産めず、結果うんこを漏らしてしまって泣いてしまった事がある。
わたしも、哺乳類だからだ。
先生に連れていかれて一人だけ体育着で帰った。

お金がお金を生むというのは、経済評論家の間では基礎中の基礎で常識であるらしい。
わたしは、カブトムシを飼っていた大きな透明プラスチック容器の中に土を入れ、10円玉と50円玉と千円札を入れて生まれるまでを観察してみた。なかなか変化がないので1円や100円もいくつか入れて毎日見ていた。エサはえびせんとかふりかけをあげた。
毎日それに夢中になっていると、母が、
「また、お前は意味のわからない事をやり始めているから、ハローワークに行ってこい」と言う。

親を悲しませてはいけない。
わたしは、その言葉に奮起しスマホで様々なビジネスや収入会得方法について調べた。時間は大切である。せっかく出かけるなら、ハローワークとかより数段上のもっと実利ある所へ足を運びたかったのだ。
すぐに出かけた。
なけなしの貯金をすべて交通費や入る為の資金にあて、わたしは、ビジネスの勉強を一日かけてしてきた。
「キッザニアに行ってきた」
帰宅するなり玄関で母に伝えると、すごい眼力で2分ぐらい見つめられた。
人間、考える事を止めてはならない。
わたしはずっと考えていた。
夕ご飯は何かと。

先日、公園の鉄棒に長時間またがって遊んでいた時の事である。
ふとベンチでお弁当を食べている人が目に入った。なんと、その人は蛍光の黄色のベストを着ている。わたしにはわかった。
あの人はセレブだ。セレブというものは派手な服を好む。
蛍光の黄色の服を着るなど普通は誰かの誕生会でもない限りあり得ない。わたしは緊張しながら尋ねてみた。
「セレブてすか?」
「警備員です」
その人は答えたが、わたしは騙されない。セレブはお金とかを騙されて取られないようにセレブである事を隠している事が多いからである。
わたしもセレブになってみたい。
なぜならば、お正月やお盆などでおばあちゃんの家で何か親とかが話している内容がほぼ従兄弟など親戚の仕事の話で、税務局に入ったから生活が楽だとか司法書士に通ったから安泰だとかお金の話ばかりしてるからだ。
わたしはそんな時、おばあちゃんちの長い廊下の端から端までミニ四駆を走らせたり庭の小石で小さい基地を作ったりしている。
なるべく話には入らないようにしている。
前に、要するに自慢大会だと判断して、わたしも、話に加わり、持っていたミニ四駆のチューンナップとか改造を自慢したら、みんなから見えない所でお母さんにつねられたからだ。

わたしはセレブさんにお願いした。
「セレブになりたいんです!」
他の遊具で遊んでいたわたしの仲間(いつも遊んでいる小学生)も集まってきた。
セレブさんは頑張れとしか言わない。おそらく試されているのだ。偉大なる拳法の達人とかは弟子にその資質があるかどうか試すという。
わたしはその資質を見てもらう事にした。


セレブの条件その1、ベンツに乗れるのか。
セレブたるものベンツに乗れて初めて一人前だとネットで見た事がある。しかしここにはベンツがない。
わたしは考えた。ベンツより簡単に乗れない物に乗れば認めてくれるだろう。
わたしは砂場の端にある、大きなスプリングの上にうさぎさんがついた乗り物に乗った。これは大人がは簡単に乗れない。乗ってるのを見た事がないのだ。楽しいので笑顔で手を振ると、
「お前、大丈夫か」
と返ってきた。事故を起こさないかと心配してくれてるのだ。世の中は優しさで溢れている。

セレブの条件その2、プードルを抱けるのか。
セレブたるものプードルを抱けるようになって一人前だと古本屋の雑誌で見たことがある。プードルはセレブに抱かれると毛を刈られると思って警戒されるからだ。しかしここにはプードルがいない。
わたしは考えた。わたしがプードルになる事によってプードルの気持ちがわかる存在になればプードルを抱ける人だと判断してもらえると。わたしはセレブのプードルのようにTシャツ1枚だけ身につけているものを残しズボンパンツを脱いで首を傾けかわいく「プーウ」と言った。
「捕まるよ」
と、セレブさん。
捕まる、おそらく保健所にだ。という事は、もう、わたしが、犬だと認識している事になる。伝わってくる。保健所のトラックになど乗せていかせないという想いが。
世の中は愛で溢れている。

セレブの条件その3、ヘリコプターを呼べるのか。
こればっかりは難しい。そう簡単に航空機を呼べたのなら週一でわたしは街で迷子にはなってはいない。
わたしは考えた。要は航空機で移動できればいいのだ。高須クリニックの院長も移動はどこでもヘリだと聞く。一度、友人がヘリでマックのドライブスルーに入っていくところを見たと言っていた。そして高須クリニックの院長にもこの記事を読んでいただきたい。わたしは、走った。空を移動できる乗り物の心当たりのある場所へ。
最近できたパチンコ屋さんのアドバルーンがある場所へ。

わたしは到着するなりアドバルーンのロープをほどき、新装開店と記されている垂れ幕の下の方に捕まった。体重と均衡が取れ低空飛行だがアドバルーンはどんどんパチンコ屋さんを離れていく。
わたしは、お空から移動しているのだ。
公園が近づく。
眼下には、先程のセレブさんと小学生たちが見える。
わたしは、手を振った。
セレブさんは戻ってこいとジェスチャーでわたしに合図を送っている。認められたのだ、新米セレブだと。
あの大きなジェスチャーは、なにか歓迎をする時の盛大なジェスチャーと似ているからすぐわかった。
隣りでは小学生たちが、わたしのパンツとズボンを振り回し、こちらに合図を送っている。
感動で涙がこぼれた。

アドバルーンは風に流され、わたしの自宅の上空あたりにさしかかった。わたしは、スマホで母に電話した。
喜んでもらいたかったのだ。セレブになれた事を。
老後も安心であるというサプライズプレゼントである。これを親孝行と言わず何を親孝行というのだろうか。

幼少時、クリスマスの日の朝に玄関にプレゼントが置かれていた事がある。サンタさんが来てたよ、と母は言った。
わたしは大人びた態度で、「サンタさんとかいないし」と冷たく言い放った。ほんとだよ、と母は言う。
「来てないし」
プレゼントを手にしながら照れくささを抑えつつ言い放った。

“窓の外を見てごらん”

と母が言った。
だるそうに演技しながらカーテンを開けると、私道までの土の広場には蛇行したソリの走った跡が付いていたのだ。
涙が出た。
おそらく、朝早くか、夜中に、母がその跡を付けたのだろう。
わたしは、しばらく窓の方を見ながら後ろを降り向けなかった。


「窓の外を見てごらん」

わたしは、アドバルーンのロープに捕まり上空からスマホ越しで母に言った。
新装開店、の下にぶら下がっている半裸のわたしを家の窓から確認したのだろう、母は言った。

「お前はいったい何になりたい!!」

(♪ド~ブネ~ズミ、みたいに)

何になりたいと言われても、セレブになれた今、なりたいものはない。

(♪美~しく、な~り~たい~)

幼少時には大きくなったら何になりたいか周りの大人から聞かれた時は、
わたしはわたしなりに考えて、
大きくなったらもう小さくなるかしか道はないの一択であるからにして、
「大きくなったら小さくなりたい」と答えていた。

(♪写~真には~、写らない~)

それと同じで、セレブになった今、
得たものをみんなに分け与えて、
あとはまた小さくなろうと心の中で決めた。
大きな赤い球体の下で、
かつて世界そのものであった自宅が、
いとおしくそして、小さく見えた。

(♪美しさが~、あ~る~か~ら~)



リンダリンダ~!  リンダリンダリンダ~!
リンダリンダ ~! リンダリンダリンダ~!

『リンダリンダ』
THE BLUE HARETS


もしも~僕が~、いつか~君と~、出会い~、話し合うなら~

そんな~時は~どうか~愛の~意味を~知って下さい~


リンダリンダ~!  リンダリンダリンダ~!
リンダリンダ~!  リンダリンダリンダ~! Oh


ドブネ~ズミみたいに、誰よ~りもやさ~しい
ドブネ~ズミみたいに、何よりもあた~たか~く~


リンダリンダ~! リンダリンダリンダ~!
リンダリンダ~! リンダリンダリンダ~!


もしも~僕が~、いつか~君と~出会い~話し合うなら~、
そんな~時は~、どうか~愛の~意味を~知って下さい~。

愛じゃなくても~、恋じゃなくても~、君を離しはしない~、
決して負けない~、強い力を~、僕は一つだけ持つ~。

(みんなで歌おう☆)


リンダリンダ~! リンダリンダリンダ~!
リンダリンダ~! リンダリンダリンダ~!


リンダリンダ~! リンダリンダリンダ~!
リンダリンダ~! リンダリンダリンダ~!


リンダリンダ~! リンダリンダリンダ~!
リンダリンダ~! リンダリンダリンダ~! Oh

楽しいね。
みんなで歌うと楽しいね!

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