『簡単にできる！！クラウドファンディング』

2020年9月4日 12:54

これはやるべきである。
スマホやパソコンを手にしているのなら。
やり方を、やさしい手順で記載していきたい次第である。

今なら期間限定、無料で。

こういうのは、実際やっている人から習った方が早いのである。
だいたいが文章で読んでも、具体的にまず何処で何をすればいいのかが難解で、現実的に「明日、自分が始めている」になっている可能性が低い。
実際やってリアルに感じる事が今を生きる証になる。

先日、教えてもらったのだ。
クラウドファンディングをやっている人に。

その人は本当に凄い人で、夕方から夜になりかけに救急車のサイレンの音を聞いても不安になって泣いたりしない。
ガチャガチャで変なのが当たっても泣いたりしないし、パンツを前後ろに履いて外でおしっこができなくなっても泣いたりしない。
本人が言っていたのだから間違いない。

1000円払って教えてもらったので、有料にいたしたいが今だけ期間限定で無料にしたい。
なぜならば、新しく買ったミニカーで遊びながら書いているであるからにして、有料の設定の仕方を今から調べるとなると、頭がこんがらがってミニカーで気持ちよく遊べないからだ。
以上の理由から、以下、期間限定キャンペーン中、無料にいたしたい次第である。

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〔期間限定キャンペーン☆無料〕
（競合や固有名詞、自由媒体）

先日、公園の砂場の砂を一粒づつ数えていた時の事だ。
わたしはたまにこれをやっている。賢く見られる為だ。これをやると、いつも一緒に遊んでいる小学生たちが尊敬の眼差しでわたしを見る。
一時間ぐらいずっとやって、よきところで「ひゃくおくまんつぶ！」と叫ぶと、「おお～！！」と歓声が上がる。

そして、だいたい、高まる興奮を抑え冷静を装い、バネの上にウサギが付いた遊具に乗る。もう、前後ろガンガンに振る。

そんなウサちゃんに乗っていた時の事である。
そうめんさんという人に声をかけられたのである。なんでもIT企業の人らしい。今話題で旬のIT企業の人である。
ノート型ではなくデスクトップパソコンを持ち歩いているところからして、本物である事がわかる。
BMWにも乗っているとの事だが、今は、ここからは遠いドンキホーテの駐車場に駐めてあるとの事だ。
名前は難しい名前だったので、わたしが直感と感覚だけで、そう麺が好きそうだから、そうめんさんにした。

わたしは、そうめんさんにクラウドファンディングについて尋ねた。

クラウドとはつまり英語で“雲”の事である。

問題はファンディングという難しい言葉である。
わたしがもらった『広辞苑チリンチリン』というよく公園で遊んでいる浪人生が書いたノートで調べても載っていないし、困った時に本棚から引っ張り出す『はたらくくるま』にも載っていない。
これから察するに乗り物や動物ではない事がわかる。

そうめんさんが言うには、それはヘディングの事だと言うのだ。ヘディングとは、サッカーで足を使ってボールを蹴らないで頭でボールを弾く事である。

しかし、わたしらがやりたいのは、“ファンディング”であって“ヘディング”ではない。
それを指摘すると、そうめんさんは、それは、“ファンがやるヘディング”だというのだ！

ファンとは、何のファンか。それは各々、違うだろう、との事だ。
わたしは、『忍たま乱太郎』、『おじゃる丸』、『わしも』、『天才テレビくんhello』のファンである。全部夕方５時半からNHKでやるラインナップだ。
だから公園で遊んでいても、５時になったらタイムカードを押しに会社へ帰って行く一日中公園にいる営業のサラリーマンと一緒の時間に公園を出る事が多い。
わたしは、サラリーマンの仲間と思われたくてその中に紛れて歩くが、サラリーマンたちはわたしを仲間と思いたくないらしくだいたいが避けられる。
おそらく、わたしが半ズボンだからであろう。

ちょっと待ってよー！今、これを書きながら、右手で遊んでいたミニカーのタイヤが取れたー！！大変になってるよー！！大変になってるよー！！

…――――――――――――――――――――――…

ミニカーの、タイヤを直した。
びっくりした！タイヤがなったらバックとか前進とかができない。バックしたり前進したりするのがミニカーの醍醐味なのに、これではただの、たまに口に入れたりして遊ぶだけの超合金ではないか。

そうだ、ファンディングとは、ファンがやるヘディングだという所まで書いた。
他にも、『魔進戦隊キラメイジャー』、『おかさんといっしょ』のファンだ。動くおもちゃや動いたり動かなかったりするおもちゃ、また、動かないおもちゃもファンである。

頭のいい人の言う事は聞くもんである。
クラウドファンディングとは、つまり、雲に向かってファンであるものを叫びながらヘディングをする事なのだ。

ちょっと待って。空に向かって「おかさんといっしょ！」などと叫びながら頭を振り続けるなんて恥ずかしくてできるはずがないではないか。仮にもわたしは、社会人である。そんな恥ずべき行動を大人ができるはずがない。
わたしは頭を振りながら叫んだ。「ポンキッキーズ！ポンキッキーズ！」

わたしに続いて、小学生たちも各々が好きなものを叫びながら、空に向かって頭を振る。
『コロコロコミック』、『ゾイド』、『遊戯王』、『仮面ライダー』、『レッドホットチリペッパーズ』、『ムシキング』、様々なファンを叫びながら、空に向かって頭を振る。

“継続は力なり”は祖父から習った言葉だ。
だから、わたしは大人になった今でも、ミニ四駆の大会とかに出ているし、小学四年生という雑誌にハガキを送ったりしている。
継続していれば必ずや何かになる。
母いわく、「教育費に多額をかけてやったのに、異質で異形のものになった」そうだ。
意味はわからないが、きっと、何種類かのお菓子を買っても一度に全部開けないで、ひとつづつ食べられるようになった、そういう事だろう。

わたしたちは、毎日、公園でクラウドファンディングをやり続けた。
ある日、カブトムシとかクワガタとかセミとかカナブンとかを捕まえる為に、小学生たちと早朝に集まった。
終電を逃したサラリーマンがまだ酔っ払ってた場合、カナブンを一匹50円とかで買ったりするからだ。

早朝からクラウドファンディングをやった。
朝早くから、毎日ラジオ体操をやっているお年寄りたちも真似してみんなでやり出した。
『石原裕次郎』、『坂本九』、『隣り組』、『集まりで布団とか売る人』、様々なファンを叫びながらお年寄りたちは、クラウドファンディングをやり続ける。
大勢でやると楽しい。
わたしを含む、小学生大勢、お年寄り大勢は、毎日早朝の公園で、クラウドファンディングをやった。

毎日やっていたら、小学校の父母会にて「新しい新興宗教が出来上がりかけている」と紹介された。

そうなってしまったからには、御神体を立てなければならない。
そうめんさんは、1000円を受け取った後、もうどこかへ行ってしまったので、わたしがやらなければならない。
御神体は、男性のお年寄りがどこからか持ってきたDA PUMPのISSAさんの等身大のパネルにした。
「♪カ～モンベイビー、アメリカ。ギブミー、チューインガム！　カ～モンベイビー、アメリカ。ギブミー、チョコレート！」
わたしたちは、大声で歌った。
そのうち、小学生とお年寄りの間で、どちらがチューインガムかどちらがチョコレートかで揉め出した。
小学生側は、ハイチュウを主に食べるからチューインガムとか難しい食べ物はいらないと。お年寄り側は、入れ歯が取れるから絶対チョコレートがいいと主張。

わたしは相撲の行事のように「ハッケヨイ、ハッケヨイ」と言いながら間を取り持った。
はないちもんめで、決着をつけようではないか。

「♪勝ってうれしい、はないちもんめ！負けてもうれしい、はないちもんめ！あの子が欲しい！あの子じゃわからん！相談しよう！そうしよう！」
わたしは、小学生側だ。そのうち、お互いのメンバー交換を繰り返しているうちに小学生もお年寄りも入り乱れて一体になった。

そうだ、初めはみんなで幸せになる為にクラウドファンディングをしていたのではないか。
今一度、初心にかえり、みんなで雲に向かって頭を振りながら叫んだ。
「チョコレート～！！　チョコレート～！！」
ユニゾンが公園中に響き渡る。
各々が、各々の世界を持ちつつも、基盤としてひとつのものを想う気持ちがここに形となって現れた。

それは“平和”という共通項に他ならない。
人々が人々を傷つけず争わない、未来への願いと言霊が、戦争を体験した人たちとこれからを担う子供たちによって空へと舞い上がっていく。

クラウドファンディングは、わたしたちに愛と平和を邁進する為の恩恵をもたらした。

「チョコレート～！！　チョコレート～！！」

頭を振りながら、みんなで雲に向かって叫ぶ。

クラウドファンディングで成功したわたしは、毎日幸せな気分になった。みんなで分け合おう。

家に帰ると、母が「またお前を中心にわけのわからない事になっている」と少し泣いていた。
母は昔の人だから今の最新のシステムとかに疎いところがある。さあ、親孝行だ。
クラウドファンディングの素晴らしさを教えてあげたい。

わたしは、鶏のように首を振りながら、
チョコレートと、
叫び続けた。

あの、

白い雲に向かって。

あの、

澄みきった、

青い空に向かって。

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