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高校生のための人権入門(全27回)

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人権についてわたしが考えたことを、高校生だった自分にもわかるように書いてみました。興味のあるテーマについて書いてある回から読んでいただいても、大丈夫です。
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#学校

高校生のための人権入門(13) 学校でのいじめについて(子どもの人権(2))

高校生のための人権入門(13) 学校でのいじめについて(子どもの人権(2))

はじめに学校でのいじめについて考えることは、職場でのパワーハラスメントについて考えることよりもむずかしい気がします。それは、いじめの方がパワーハラスメントに比べて、より複雑で、はっきりさせにくいものを含んでいるからです。

現在、学校で起きているさまざまないじめについて考えてみると、いじめは学校の中で「必然的に」起きているようにわたしには思えます。いじめのない学校や学級はありませんし、いじめを完全

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高校生のための人権入門(19) 「多様性の尊重」の落とし穴

高校生のための人権入門(19) 「多様性の尊重」の落とし穴

はじめに最近、日本で人権について語られる時、とてもよく使われるようになった言葉に、「多様性の尊重」という言葉があります。確かにこの言葉は、「人権侵害とは、自分とは『違う』あり方、考え方、生き方をしている人への非難、攻撃である」というポイント(第18回参照)をよく押さえています。しかし、「人権を尊重する」ということと「多様性を尊重する」ことを、同じことだと考えてしまうと、そこには大きな「落とし穴」が

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高校生のための人権入門(20) パワーハラスメントを生む「集団」とは

高校生のための人権入門(20) パワーハラスメントを生む「集団」とは

はじめに前回、「現実の『人と人との関係』は、基本的に力と力の関係であり、どちらかがどちらかを支配している(相手を従わせている、自分に合わせさせている)関係なのです。」と書きました。このことについて、次回、くわしくお話したいと思っていますが、今回は、それを考える前に、まず、パワーハラスメントを生む集団は、どんな性質を持っている集団かを考えてみたいと思います。

人と人がつくる二種類の集団人と人がつく

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高校生のための人権入門(24) 「正しさ」のぶつかり合いから抜け出すこと(その3)

高校生のための人権入門(24) 「正しさ」のぶつかり合いから抜け出すこと(その3)

はじめに前回は、パワーハラスメントが起きている時に、加害者と被害者の「心の溝(気持ちや思いのズレや断絶)」が、どのようにして深まっていくか、それが生む「誤解」がどのような働きをしているのかを見ました。今回は、今までの2回の話を踏まえて、「心の溝」を生まないためにはどうしたらよいか、「心の溝」と「誤解」の悪循環を進行させないためには、どうしたらよいのかを考えてみたいと思います。

「心の溝」を生んで

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