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旅エッセイ

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#子ども

私欲で始めるボランティア ~インドのフリースクールでの出会い~

私欲で始めるボランティア ~インドのフリースクールでの出会い~

昨年から地元の小学生が集まる施設でボランティアをしている。
そもそもはとある不登校の中学生との出会いだった。その子と話しているときに、その子含め何かしらの形で子どもの力になれればと思った。またシンプルに昔から子どもといる時間が好きだ。実際大学時代も児童を対象としたボランティア団体に顔を出していた。だから、私欲ではあるがそんな時間も欲しかった。

その施設に初めて伺ったとき、スタッフの一人から「なぜ

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だから、何やねん 〜ガンジス川と『朝のリレー』に寄せて〜

だから、何やねん 〜ガンジス川と『朝のリレー』に寄せて〜

空は繋がっている、とあの歌は言う。
だから、何やねん。

いつの日だったか、カムチャッカの若者はきりんの夢を見ていた。そしてメキシコの娘は朝もやの中でバスを待っている。
そんな彼らと小学校の教室で出会った。国語の教科書の硬い表紙の裏側に彼らは住んでいた。

当時、故郷の大阪に居た。小学生の私の空がどこかの空と繋がっているなんて露とも思わなかった。
というよりむしろ、空はもはや校区内に限られていた。

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100ルピーの笑顔

100ルピーの笑顔

ガンジス川に向かう階段を降ると、そこは陽だまりになっていた。朝のひだまりには、極端なまでに人に慣れた犬と、犬を人に慣れさせたインド人たちが集う。

ガンジス川の西側にはガートと呼ばれる階段上の沐浴場が84箇所続く。東から太陽が昇って沐浴場の裏手に沈むまで、ガートは常に日に照らされているのだった。

ガードに集まる人間はしたたかであり、愛を込めて換言すればちゃっかりしている。

無論、わかりやすく船

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