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【日記】寂しかったんだなと思う
最近、何をやるにもやる気がなく、軽い鬱みたいな感じでどろーんとしていた。ここんとこ仕事も立て込んでるし、来月には1年くらいかけて準備してきた大きな仕事が2つあるし、なんか必死で心に余裕がなくなっていた。「必死にやらんと、適当にやろう」と自分に言い聞かせていたが、根が真面目なのか、それがうまくいかんかった。
家でも「ちょっとしんどいから1人の時間がほしい」みたいなことを口にしたら、見かねた妻が
黒澤明『七人の侍』について
何年か前に1回観たことがあって、今回が2回目の視聴だ。3時間超の映画なので、いざ観るにはちょっとよいしょがいるのだが、観始めるととても面白くて、3時間以上もあるとは思えないくらいすっと観られてしまう。それは、ストーリーが面白いし、俳優も魅力的だし、撮り方も静と動のバランスというか、評定をしたり休んでたりという場面と、戦の迫力満点の場面とのバランスがとてもよくて、飽きずに観られるからなんだろうなと
もっとみる自作曲『カボス会議』について
誰が聴いても分かると思うんだが、参照元の最も大きなものはZAZEN BOYSである。他にもフジファブリックとかポリスとかも挙げられるかもしれないが、ザゼンみたいな曲にしたくて作った曲だ。
じゃあザゼンっぽさって何かというと、変拍子とか短音のギターリフとか、あとは向井秀徳っぽい語りみたいなボーカルだろうか。そのへんを意識して作った。
歌詞に関しては、新聞で読んだ「ダボス会議」の記事を膨らま
シャーロット・ウェルズ監督『アフターサン』について
こんなに心にぶっ刺さる映画は久しぶりだった。というのも、この映画に出てくる人物と自分がすごく重なったからだ。
映画に出てくる父親は、映画の中で明言されているわけではないが、多分何らかの心の病を患っていると思われる。そして、自分自身も、5年前に心の病(俺の場合は多分適応障害ってやつだと思うが)に犯され、仕事を数か月休んだことがある。もう5年も前のことだし、今は周りから見ればわりとばりばり仕事を
『藤子不二雄Aのブラックユーモア』について
藤子不二雄といえば、藤子F不二雄と藤子不二雄Aがコンビでやっていたペンネームだが、自分はF先生のほうが馴染みがある。子どものころからドラえもんが大好きでコミックスは全巻持っていたし、F先生のSF短編集なんかも結構読んだことがある。
ところが、A先生の作品は、自分はあまり馴染みがない。『まんが道』は大好きで全巻持っているが、例えば『笑ウせぇるすまん』とか『プロゴルファー猿』とか『怪物くん』とか
ペイヴメントについて
ペイヴメントは、大学生のころから好きなバンドだった。好きになったきっかけは、ブラーのグレアム・コクソンがペイヴメントを好きと言っていたのを何かの記事で読んで、試しにベスト盤を買って聴いてみたらすごく良かったみたいな感じだったと思う。
そして、最近出ていたこの動画で、自分のペイヴメント熱が再燃した。
この動画は、俺がペイヴメントについて感じていた良さを、めちゃくちゃピンポイントで言語化して
シェイクスピア『ジュリアス・シーザー』について
シェイクスピアは一応四大悲劇は読んだことがあるのだが、この『ジュリアス・シーザー』もそれらに引けを取らず、すごく面白かった。『マクベス』みたいにテンポがいいし、『オセロー』みたいに筋が分かりやすかった。
まず思うのは、タイトルが『ジュリアス・シーザー』なのだが、主役はカエサルではなく、むしろブルータスの方だということだ。自分の正義と理想のためにカエサルを暗殺し、そのために追われて遂には自害す
岩明均『ヒストリエ』について
先月、5年ぶりに、待望の新巻が出た。まじで嬉しかった。待ちすぎて、もう待ってたことも忘れてた。ついでに、待ちすぎてこれまでの話の流れも忘れてた。
新巻も、文句なしに面白かった。古代ギリシアの人物って取り上げ甲斐のある人物ばかりだと思うんだけど、そんな中でもエウメネスという人物を主役に選んだのがまず面白いと思うし、エウメネスを中心に、周囲の人物の運命が展開していくのがとても面白い(今回のエウリ
シェイクスピア『マクベス』について
一応、シェイクスピアの四大悲劇はすべて読んだことがあるのだが、個人的には『マクベス』が一番読みやすい。理由としては、話の筋が分かりやすいし、テンポよく進むからだと思う。登場人物も多いけど、主要な5、6人を押さえておけば大体はオッケーという印象だ。
『マクベス』の大きな要素として、「自分が犯した罪に自分が潰される」というのがあると思う。良心の呵責と言ってもいいかもしれない。マクベスは、王を殺し
シェイクスピア『オセロー』について
これでシェイクスピアの四大悲劇は全部読んだ。どれも面白かったが、最近読んだ『リア王』に比べ、今作は話も分かりやすく、また悲劇濃度(?)も適度で読みやすかった。
この物語に出てくるイアーゴーってやつはとんでもないクソ野郎だった。プラトンの『国家』で、「最も不正な者とは、本当は不正なのに、さも誠実と思われている者だ」みたいな記述があったと思うんだけど、こいつはそういうやつだと思った(最後には悪事
自作曲『First Song』について
この曲は、自分にとって思い出深い曲だ。というのも、大学時代にやっていたバンドで、初めて作った曲だからだ。
当時、俺は就活がひと段落したばかりの大学4回生で、ここから卒業まで、それまで以上に好きなことをやり尽くしてやろうと思っていた。そのやりたいことの一つが、オリジナル曲をレパートリーにしたバンドだったのだ。
それ以前もバンドをやっていたが、軽音サークル内でやるコピーバンドか、サークル外で
シェイクスピア『リア王』について
感想を端的に述べると、「なんて救いのない物語なんだ」ということになろうか。学生時代に古谷実の『ヒミズ』を読んだときと同じように、心に暗い影を落とす作品だった。
なんせ、登場人物の大半が、不幸のうちに死んでしまう。もちろん、信頼すべき人を追放したリア王とグロスター伯については、降りかかる不幸は因果応報と言えるかもしれないが、一方でなんて不条理なんだろうかと言える出来事もたくさん起こる。
一
ニーチェ『善悪の彼岸』について
少し前に読んだ『道徳の系譜』に続き、本書を読んでみた。読んだ感想を簡潔にかつ正直に述べると、「難しい!」ということだ。
ある哲学系YouTuberが動画内で言ってたんだけど、ニーチェの著作ってのは敢えて分かりにくく書かれているらしい。また、別のYouTuberは、「解釈の幅が広がる」ように書かれているとも言っており、要するに主張を明確に書いているというものではないようだ。
しかし、難しい