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ニーチェ『善悪の彼岸』について

 少し前に読んだ『道徳の系譜』に続き、本書を読んでみた。読んだ感想を簡潔にかつ正直に述べると、「難しい!」ということだ。

 ある哲学系YouTuberが動画内で言ってたんだけど、ニーチェの著作ってのは敢えて分かりにくく書かれているらしい。また、別のYouTuberは、「解釈の幅が広がる」ように書かれているとも言っており、要するに主張を明確に書いているというものではないようだ。

 しかし、難しいなりにも、ニーチェの怒りというか、危険意識みたいなものはなんとなく読み取れた気がする。例えば、既存の哲学者をめちゃくちゃ批判する。プラトンとか、カントとかスピノザとか、ロックとかヒュームとか割と名指しで批判している。それくらい、既存の価値観をぶっ壊そうと試みてるんだろうなというとはなんとなく理解できた。

 あと、既存のキリスト教道徳とか、当時ヨーロッパで起こっていた民主主義の動きとか、平等主義とか、このへんも徹底的に批判している。これも上述のように、既存のものをスクラップして新しいものをビルドしようと思ってるんやなというのがなんとなく分かった。

 こう書いてみると、やってることはロックの歴史におけるセックス・ピストルズに近いものがあるのではないかと思うが、いかんせん今の自分の知識では理解しきれないことが多い。多分全体の1割も理解できてない気がする。今後も繰り返し読んでみたいと思う。

 しかし、高校生の時に初めてピストルズを聴いた時のような、やばいものを読んじまったという感覚と同時に、わくわくするような感覚もある。こういう経験ってなかなかできないから貴重だ。次はいよいよ、『ツァラトゥストラかく語りき』を読んでみようと思う。

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