Hotel Flamingo

好きなもの、興味のあるものについて記します。趣味はギター演奏、宅録(DTM)、読書、映…

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好きなもの、興味のあるものについて記します。趣味はギター演奏、宅録(DTM)、読書、映画鑑賞など。

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自己紹介について

 どんな人間が書いてるのかを知ってもらいたいので、自己紹介を書くことにしました。  1987年度(昭和62年度)生まれ。香川県出身です。経歴としては、地元の公立小中学校、県立高校を経て、大阪府の関西大学を卒業しました。  大学卒業後は、電機メーカー(音響機器)に就職し、営業職として働いていましたが、あまり合わずに1年間で退職しました。その後、資格取得のためにアルバイトをしながら母校の関西大学に科目等履修生として通ったり、通信制の大学で勉強したりしました。どうにか2年間で資

    • 岩明均『ヒストリエ』について

       先月、5年ぶりに、待望の新巻が出た。まじで嬉しかった。待ちすぎて、もう待ってたことも忘れてた。ついでに、待ちすぎてこれまでの話の流れも忘れてた。  新巻も、文句なしに面白かった。古代ギリシアの人物って取り上げ甲斐のある人物ばかりだと思うんだけど、そんな中でもエウメネスという人物を主役に選んだのがまず面白いと思うし、エウメネスを中心に、周囲の人物の運命が展開していくのがとても面白い(今回のエウリュディケはほんまにかわいそうだった…)。  自分としては、この作品が古代ギリシ

      • シェイクスピア『マクベス』について

         一応、シェイクスピアの四大悲劇はすべて読んだことがあるのだが、個人的には『マクベス』が一番読みやすい。理由としては、話の筋が分かりやすいし、テンポよく進むからだと思う。登場人物も多いけど、主要な5、6人を押さえておけば大体はオッケーという印象だ。  『マクベス』の大きな要素として、「自分が犯した罪に自分が潰される」というのがあると思う。良心の呵責と言ってもいいかもしれない。マクベスは、王を殺して自分が王となり、邪魔者も消していくのだが、殺した邪魔者の亡霊を見るなどしてだん

        • シェイクスピア『オセロー』について

           これでシェイクスピアの四大悲劇は全部読んだ。どれも面白かったが、最近読んだ『リア王』に比べ、今作は話も分かりやすく、また悲劇濃度(?)も適度で読みやすかった。  この物語に出てくるイアーゴーってやつはとんでもないクソ野郎だった。プラトンの『国家』で、「最も不正な者とは、本当は不正なのに、さも誠実と思われている者だ」みたいな記述があったと思うんだけど、こいつはそういうやつだと思った(最後には悪事が全部バレてざまあみろと思った)。けど、こういうやつって周りにおるかも知れんなと

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        自己紹介について

          自作曲『First Song』について

           この曲は、自分にとって思い出深い曲だ。というのも、大学時代にやっていたバンドで、初めて作った曲だからだ。  当時、俺は就活がひと段落したばかりの大学4回生で、ここから卒業まで、それまで以上に好きなことをやり尽くしてやろうと思っていた。そのやりたいことの一つが、オリジナル曲をレパートリーにしたバンドだったのだ。  それ以前もバンドをやっていたが、軽音サークル内でやるコピーバンドか、サークル外でやってたバンドも、60年代のガレージロックを主にカバーするバンドだったため、自分

          自作曲『First Song』について

          シェイクスピア『リア王』について

           感想を端的に述べると、「なんて救いのない物語なんだ」ということになろうか。学生時代に古谷実の『ヒミズ』を読んだときと同じように、心に暗い影を落とす作品だった。  なんせ、登場人物の大半が、不幸のうちに死んでしまう。もちろん、信頼すべき人を追放したリア王とグロスター伯については、降りかかる不幸は因果応報と言えるかもしれないが、一方でなんて不条理なんだろうかと言える出来事もたくさん起こる。  一応、自分は過去にも『マクベス』と『ハムレット』は読んだことがあるのだが、本作はこ

          シェイクスピア『リア王』について

          今まで録音してきたカバー曲について

          今まで録音してきたカバー曲について

          ニーチェ『善悪の彼岸』について

           少し前に読んだ『道徳の系譜』に続き、本書を読んでみた。読んだ感想を簡潔にかつ正直に述べると、「難しい!」ということだ。  ある哲学系YouTuberが動画内で言ってたんだけど、ニーチェの著作ってのは敢えて分かりにくく書かれているらしい。また、別のYouTuberは、「解釈の幅が広がる」ように書かれているとも言っており、要するに主張を明確に書いているというものではないようだ。  しかし、難しいなりにも、ニーチェの怒りというか、危険意識みたいなものはなんとなく読み取れた気が

          ニーチェ『善悪の彼岸』について

          プラトン『メノン』について

           最近自分は、YouTubeでプラトンの著作が解説されている動画をよく見るのだが、この『メノン』は解説動画が少なく、各動画の再生数もあまり多くない。もしかしたら、プラトンの著作の中ではそこまでメジャーなものではないのかなという印象をもっている。  そんな本書を自分がなぜ手に取ったかというと、本書が「徳」をテーマにしたものだったからだ。  なぜ自分が「徳」に関心があるかというと、自分が勤務している小学校で道徳教育の研究会がもたれることになり、学校をあげて道徳教育の研究をして

          プラトン『メノン』について

          プラトン『饗宴』について

           本書は、プラトンの30以上ある著作を初期、中期、後期の3つに分けるとすると、中期に当たる作品群の1つらしい。個人的には、この初期、中期、後期に分けるということが、ビートルズのアルバムを選んで聴くのに近い感覚で、プラトンもビートルズと同じで色々と考えや表現を変化させていったんだろうなと思うとちょっと面白い。  構成としては、他の対話篇と同じくソクラテス以外の人物も登場してくるのだが、前に読んだ『ゴルギアス』なんかとは進み方が少し違う。『ゴルギアス』は、ソクラテスと登場人物と

          プラトン『饗宴』について

          最近の宅録における、密室感とチープさを意識した音作りについて

           先日、くるりの「ワンダーフォーゲル」のカバーを録音し、SoundCloudにアップした。  この「ワンダーフォーゲル」もそうだし、最近録音した数曲は、似たような音作りにしている。どんな音かというと、「密室感」を意識した音を志向している。  なぜ密室感を意識しているか。そのためには自分にとって密室感のある音とは何かということを整理したい。  自分にとって密室感のある音とは、1つは大学時代に安いスタジオでバンドの練習をしたとき、その練習を安いレコーダーとかで録音した、そん

          最近の宅録における、密室感とチープさを意識した音作りについて

          プラトン『ゴルギアス』について

           プラトンの本は『ソクラテスの弁明・クリトン』に次いで2作目だが、ギリシア神話の話やソクラテスが喋る論の構造など、分かりにくいところは多少ありつつ、しかし大筋は理解して読めたと思う。  弁論術というものを例として取り上げつつ、「本当に大切なことは最善のことを追求することであり、人々にその場しのぎの快を与えるために迎合すべきではない」ということを対話を通して明らかにしていくというのが、この本の主旨であったと思う。自分も、それは確かにそうだと、納得できた。  ただし、音楽とか

          プラトン『ゴルギアス』について

          本を読んで知識が増えても、「俺には知らんことだらけや」と自戒した方がいいということについて

           自戒を込めて今回の文章を書く。  自分は、本を読むのが好きで、毎日本を読むのが習慣である。そして、最近は哲学の本を読むのが好きなのだが、それらの本は一般的に小難しそうだという印象をもたれている。今日も、研修の休憩時間にプラトンの『ゴルギアス』を読んでいたら、上司に「いつも難しそうな本を読んでるね」と言われた(多分、嫌味ではなく純粋な感想として、その上司はおっしゃったと思う)。  確かに、そういう小難しい本を読破していくと、自分の場合は「こんな難しい本を読んだ俺すごい」み

          本を読んで知識が増えても、「俺には知らんことだらけや」と自戒した方がいいということについて

          松任谷由美『やさしさに包まれたなら』のカバーについて

           娘が最近『魔女の宅急便』をよく観ていて、それに影響を受けて主題歌であるこの曲をカバーしてみようと思った。  まず、音の質感として、ガレージパンクのバンドが狭い部屋で演奏しましたみたいな、響きの少ないデッドなものにしたら面白いのではないかと思い、そういう音作りを試行した。リズムも、原曲の跳ねた感じを減らし、エイトビートでドカドカ進んでいく感じにした。  結果として、原曲のような華やかで軽やかな感じはないが、良くも悪くも硬派でチープでパンクな感じになったと思う。ぜひ聴いてく

          松任谷由美『やさしさに包まれたなら』のカバーについて

          ニーチェ『道徳の系譜』について

           ついに俺は、14年の歳月を経て、ニーチェの著作を一冊通読することができた!まずこの事実がとても嬉しい。もちろん、分からない箇所もたくさんある。しかし、かと言ってまったく手も足も出ないわけではない。このこともまた、14年前の自分と比べると大きな変化であり、たいへん嬉しく思う。  読んで思ったのは、とにかくニーチェが既存の価値観に対して徹底的な攻撃を行っていることの凄まじさだ。この意味で、ニーチェはジョン・ライドンよろしく、哲学的パンクロッカーだったのだと思う。  読んでい

          ニーチェ『道徳の系譜』について

          ニーチェを読むための予習について

           自分は、社会人1年目だった2010年度、今後の生き方について大いに悩んでいた。会社の仕事は面白くなく、全国転勤ありの会社だったので住みたい土地に住めるわけでもない。また会社以外の人間との長期的な人間関係を作ることも難しい状況だった(特に、地元の香川県や大学時代を過ごした大阪府の友人たちと遊びたいという欲が人生史上頂点に達していた。早い話がすごく孤独だった)。  そこで、少しでも生きるヒントを得たいと思い、このころから暇があれば読書をするようになった。そんなときに出会ったの

          ニーチェを読むための予習について