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シャーロット・ウェルズ監督『アフターサン』について

 こんなに心にぶっ刺さる映画は久しぶりだった。というのも、この映画に出てくる人物と自分がすごく重なったからだ。

 映画に出てくる父親は、映画の中で明言されているわけではないが、多分何らかの心の病を患っていると思われる。そして、自分自身も、5年前に心の病(俺の場合は多分適応障害ってやつだと思うが)に犯され、仕事を数か月休んだことがある。もう5年も前のことだし、今は周りから見ればわりとばりばり仕事をしているように写っているらしいんだけど、未だに気分に波がある。気分が落ちている時には、5年前ほどではないが、本当に何もやる気が起きないくらいの状態になる。ちょうどこの文章を打っている今も、好きな読書や宅録さえもやる気が起きず、俺を1人にしてリフレッシュさせるために、妻が子どもたちを連れて実家に帰ってくれている。しかし、まだこんな文章を打てているだけましなんだが、なんかこの映画を観たら、感想を記録に残さずにはいられなくなってこの文章を打っている。

 映画の中に、父親が不調なんだろうなと思わせる描写が随所に散りばめられている。そして、その一つ一つにものすごく共感する。俺も似たような経験をした。そして、俺にも娘や息子がいる。このような病はいつ再発するか分からないから、ものすごく怖い。これと一生連れ添って生きていかなければならないと思うと本当に憂鬱である。

 この映画は、監督であるシャーロット・ウェルズの、父親との思い出を(要するに実体験を)映画化しているらしい。そして、その父親はシャーロット監督が16歳の時に亡くなったらしい。なんで亡くなったんだろうか。分からんが、俺は是が非でもなるべく健康に生き延びて、家族と一緒に楽しく暮らしていきたいと思った。

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