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シェイクスピア『オセロー』について

 これでシェイクスピアの四大悲劇は全部読んだ。どれも面白かったが、最近読んだ『リア王』に比べ、今作は話も分かりやすく、また悲劇濃度(?)も適度で読みやすかった。

 この物語に出てくるイアーゴーってやつはとんでもないクソ野郎だった。プラトンの『国家』で、「最も不正な者とは、本当は不正なのに、さも誠実と思われている者だ」みたいな記述があったと思うんだけど、こいつはそういうやつだと思った(最後には悪事が全部バレてざまあみろと思った)。けど、こういうやつって周りにおるかも知れんなと感じた。まったく嫌な世間だ。

 それにしても、デズデモーナもちょっと誠実すぎへんか、もうちょっとオセローに色々言うてもええんちゃうかと思ったり、オセローもオセローでもうちょっとイアーゴーのこと疑ってもえんちゃうかと思ったり。なんとも噛み合わん2人やなと思った。

 個人的に大好きな登場人物はイアーゴーの妻のエミリアで、最後の方にイアーゴーの悪事をものすごく気持ちよくぶちまけてくれて、イアーゴーを罵りまくって、最後はイアーゴーに刺されて死んでしまうんやけど、俺は「エミリアよくやった!」「すごい度胸や!もっとやったれ!」と心の中で拍手喝采だった。俺もこういう人物になりたいと思った。

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