シェイクスピア『リア王』について
感想を端的に述べると、「なんて救いのない物語なんだ」ということになろうか。学生時代に古谷実の『ヒミズ』を読んだときと同じように、心に暗い影を落とす作品だった。
なんせ、登場人物の大半が、不幸のうちに死んでしまう。もちろん、信頼すべき人を追放したリア王とグロスター伯については、降りかかる不幸は因果応報と言えるかもしれないが、一方でなんて不条理なんだろうかと言える出来事もたくさん起こる。
一応、自分は過去にも『マクベス』と『ハムレット』は読んだことがあるのだが、本作はこれらに勝る悲劇だと感じた。同時に、既読の『マクベス』と『ハムレット』を読み返したいなと思わされると同時に、未読の『オセロー』も読んでしまいたいなとも思わされた。
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