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迷光亭冬雀日記(note版)

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「思いつくまま、気の向くまま。行く先もわからぬまま。」迷光亭のブログ。(はてなブログ版より、一部を転載。)はてな版→https://meikoutei.hatenablog.co… もっと読む
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記事一覧

ほんとのじぶん

あのさ、わざわざ「特別な自分」をアピールすることもないけどさ、どうしてそんなに「みんなと一緒の自分」になりたがるのかね。「やりたいこと」や「こうなりたいもの」は、自分の「本当の欲望」にのみ、従ったほうがいいと思うよ。「他者の欲望」と「自分のオリジナルな欲望」は、分けておいたらどう?「あなた」とは「あなた自身の欲望」の結果、なんだから。

定点観測

8月初めから仕事が50日間の夏休みに入ったので、暇を持て余さないように、自分で「個人的な自由研究」をすることにした。それが自宅近所から見た空の写真を撮ること。
撮影する場所と方角・画角を一定に決めて、時刻については定時を定めた方が良いのだけど、そこまで条件にこだわって途中で辛くなってやめてしまっては元も子もないので、適当な時刻に行うことにした。期間は2023年8月1日から8月31まで。

今日で5

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僕はカレーが好き

僕はカレーが好きだ

べつにグルメじゃないから
カレーの味を批評できるわけじゃない

カレーマニアじゃないから
カレートリビアにくわしいわけじゃない

トレンドに敏感でもないから
そんなにたくさんカレーのうまい店を知ってるわけじゃない
(すこしの店は、知ってる)

だけど、そんなことは、そんなことは、
もうどうでもよくなったんだぁ…!

カレー通をきどったところで
カレーをほんとうにおいしくたべら

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午後三時、眼科の待合室で。

本日、眼科通院、待合室。
小さな男の子ふたりと、若いお母さん。
おとうとくんは、お母さんのひざの上に、だっこ。
おにいちゃんが、お母さんのとなりに、ちょこんとすわって、お母さんに話しかけている。

おにいちゃん「ここは…。みっしつ?」
お母さん「まどは、あいてるよ。」

おにいちゃん「ここは…。みっしゅう?」
お母さん「みんな、はなれてすわってるよ。」

すると、
おにいちゃん「じゃあ

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Haiku 2016/06/11

A summer morning,
silence between
orange and blue.

( photo by : Asami F. )

雨が降ってる。

雨が降ってる。
午前4時半、早朝覚醒。

今日はみどりの日で、
仕事も行かなくてよくて、
出かける用事もなくて、
部屋の中にいて。

家族が起きる気配もなく、
空は白みはじめたけれど、まだ日も昇らず、
ベッドから身を起こすこともなく、
ただ、雨音を聴いていて。

雨に濡れることもなく、
昨日、羽毛ぶとんと取り替えた肌がけにくるまり、
部屋のあかりもつけずに、
iPhoneで中谷美紀の曲でも聴こうな

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私の理想の隠遁生活

(2015年3月14日、記す。いまは遠い、ふたりのこころに捧ぐ)

60歳の夏、冗談のようだが、宝くじで 3億円が当たった。
かくして、私の理想の隠遁生活が始まった。

住処は、千代田区猿楽町、駿河台から女坂を下った辺りの雑居ビルの 4階に定めた。
この街は、私が 2歳から10 歳まで暮らしたところである。このビルの部屋というのは、住居用ではなく、もともと、何かのマイナーな業界紙の編集部があったと

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やがて哀しきパチンコ Tears of PACHINKER

パチンコは、かなしい。
パチンコは、さみしい。
パチンコは、くるしい。

まるで「片思いの恋」のようだ。
「片思い」にも、「パチンコ」にも身を焦がすような、「悦び」と「陶酔」があるが、それでも「かなしみ」のほうが、それらを上まわる。
単にギャンブルだから、というだけではなく、ほんとうに割が合わない。

あなたがパチンコに出かけたとする。3000円と予算を決めて、堅実に打つ。5000円くらい勝った。

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自己紹介、ってさぁ…。

自己紹介、ってさぁ…。

はじめまして。
迷光亭冬雀(めいこうてい・とうじゃく)と申します。

で、いきなりなんですが、苦手なんですよね、僕。自己紹介。

小学生の頃のクラス替えから始まって、高校や大学での自己紹介、あたらしいバイトや仕事場でのあいさつ、1度だけ参加した、お見合いパーティーの自己PR…!!
どれも、たいへんでした。

ただ単に、自分についてのことをしゃべるだけなら、ぺらぺらと、「水道の蛇口をひねるように」じ

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「人間性 humanity 」に関する、一考察(原案、備忘録として)

「人間性 humanity 」を守ることこそが、「人間存在 human being 」を守る、ほとんど唯一の手段ではないか。生物学的な、医学的な、人間の「命」を守ることのみに着目するのではなく。「人間性」を失ったときに、「人間」はそれでもなお「人間」と呼べるのか?危険な問いだ、とは分かっているのだが…。

cf.) 2人の「不条理」作家、フランツ・カフカとアルベール・カミュ。「それは〈世界〉の不条

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道徳の教科書なんかいらない!

(2019年10月14日記す)

正直に言って、あまり自分を善人だと思えたためしがない。いや、それならば悪人だと思っているのかというとそんなこともないのだが。
ただ、ことばにするならば、ある種の「道徳の過剰さ」とでも言うべきものにうんざりしている節はある。
もう少し具体的に言えば、道徳を人の生きる上での指針として掲げるのならばまだ良いが、ガチガチの規範にしてみたり、反道徳的とみなした他人をフルボッ

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ピーター・パンと車寅次郎

(2015年2月9日記す)

「終わらない思春期」、というふうに、私はプロフィールで自称しているのだが、これは別段カッコつけているつもりは全然無く(四十のオサーンがこんなこと言っててカッコつくわけ無いじゃないっすか!)、むしろ多分に「イタイ」自分を、自虐的に表現したつもりなのである。
なお、蛇足ではあるが、私は尾崎豊に、これっぽっちもシンパシーを感じないたぐいの人間であることを付け加えておく(オザ

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君が僕を変えてしまったいくつかのこと

(2019年1月12日記す)

君は僕のものの見方を変えてしまった

地下鉄は外の景色が見えないから好きじゃないと言う僕に

地下鉄の駅から出たときの街の風景の驚きを
君は教えてくれた

君は僕の世界の感じ方を変えてしまった

ただぼんやりと夕暮れの空を眺めているのが好きだった僕に

夕暮れの空が青からオレンジへそして漆黒へするするとうつろっていくことの不思議さを
君は気づかせてくれた

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本を燃やしたこと、ありますか?

(2015年8月29日記す)

あなたは、本を燃やしたことがありますか?
私は、あります。

私はその時、中学生でした。
学校の雰囲気になじめず、不登校ぎみで、うつうつとした毎日を過ごしていました。
その日も、学校を休み、布団にくるまり一日寝て過ごし、しかし少しも気分が晴れないまま、夜中の1時か2時くらいになっていました。
「ああ、また朝になれば、学校に行く、行かないで、葛藤するのだなあ」、と

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