草刈正雄が沖田総司を演じていた頃、この世に生を受け、幼少期にはルビーの指輪を口ずさみ、…

草刈正雄が沖田総司を演じていた頃、この世に生を受け、幼少期にはルビーの指輪を口ずさみ、学童を終える頃には音階という概念を理解できていない事に気がつく。 ※注 有料にしてみましたが有料部分はただの蛇足です。前文を読んでの投げ銭的に考えてもらえればコレ幸い。

記事一覧

乱読のすゝめ【カラス飼えるか】

会社にカラスが巣を作り始めた。社の責任者として安全面とか困ったなどうしようと悩んでいたら、考えていることがカラスにバレたらしく頭を蹴られるようになった。僕の隙を…

誠
8日前

乱読のすゝめ【超圧縮地球生物全史】

別に帯のジャレド・ダイアモンド超絶賛の文字に釣られたんじゃないんだからね。 「著者は万華鏡のように変化する生命のあり方をエキサイティングに描きだす。全人類が楽し…

誠
1か月前

乱読のすゝめ【グランドシャトー】

私が初めてその駅に降りたのは1991年の2月、凍えるような寒さの日であった。極度の緊張を抱きながら降り立ったその駅はまだ子供だった私にはあまりに猥雑としていて衝…

誠
2か月前

乱読のすゝめ【盤上のパラダイス】

僕は子供のころから将棋が好きで下手の横好きでチョコチョコ指している。 そんな僕が表紙を見て特に考えもなしに買ったのがこの本である。将棋に関する本だろうと思ったの…

誠
4か月前

乱読行【ネアンデルタール人は私たちと交配した】

異世界ものもすっかり流行りを超えて定着の域に達しているが、バカバカしく出オチ感のある作品の数々。 呆れながらもついつい手に取ってしまう。 多くは読んではみるものの…

誠
5か月前
1

乱読行【第三次世界大戦はもう始まっている】

ロシアのウクライナ侵攻が始まり一年半が過ぎ、心を痛める日々にも慣れてしまい、ウクライナを憂うことも少なくなってしまった。 それでも多くの日本人がロシアを非難し、…

誠
8か月前
1

乱読行【頭山満ーーアジア主義者の実像】

頭山満という人物を知る人がどれだけいるでしょうか。 幕末から昭和初期の人物で、玄洋社という右翼団体の中心人物で右翼の巨魁、政財界のフィクサーと言われる人物である…

誠
9か月前

乱読行【語学の天才まで一億光年】

とあるyoutuberのチャンネルで知った高野秀行さんの新刊、話が面白そうなので、語学には興味はないが読んでみるのとにした。高野秀行さんが一億光年なら一兆光年だ。 語学…

誠
1年前
2

読書録【銃・病原菌・鉄】

銃・病原菌・鉄 ジャレド・ダイアモンド著 1997年刊行の学術的なノンフィクション。新世界と旧世界が衝突したときに、旧世界側が圧倒したのは何故か?文明の優劣は何で生…

誠
1年前
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読書録【地獄の楽しみ方】

10代後半の若者を対象にした特別講義を書籍化したこの本、京極夏彦先生が、本を読む、言葉とは、物事のとらえ方とは何かを漠然と考えるのではなく、一歩踏み込むことの大…

誠
1年前

読書録【バッタを倒しにアフリカへ】

バッタを倒しにアフリカへ 前野ウルド浩太郎 多くの日本人がアフリカ紀行ものあるあるからは逃れられない。 アフリカの洗礼、アフリカ人のいい加減さと、微塵も悪びれも…

誠
1年前

今こそ読んでほしい、この本。

『ひとはなぜ戦争をするのか』 著者 A・アインシュタイン    C・フロイト 40年ほど前からだろうか、私が子供の頃、戦争という物があると知った当時、世界中で戦争は常…

誠
1年前
5

読書録【最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常】

最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常 二宮敦人 東京藝大の学生にインタビューを重ね、カオスの実態を紹介する本書。 口笛世界一から、絶叫する校長、魅力的な…

誠
1年前
2

私の読書録【料理の四面体】

面白いと言う評を聞いた翌日に、書店で目に留まったのがこの本である。 料理など特にしない私でありますので、普段なら絶対に買わない。例え面白いと言われても普通なら絶…

誠
1年前
7

46歳からの読書【ひとはなぜ戦争をするのか】

ロシアがウクライナに侵攻して、21世紀にもなって悲劇が繰り返されている。 そんな折に、書店で目にしたのがこの一冊である。 ひとはなぜ戦争をするのか A・アインシュタイ…

誠
1年前

46歳からの読書【O嬢の物語】

人は読書により成長し、知識だけではなく思想や信念を育む。 ただの娯楽として読んだ本から大いなる知見を得て、人となりに大いなる影響を受ける事すらある。 しかし人はそ…

誠
2年前
乱読のすゝめ【カラス飼えるか】

乱読のすゝめ【カラス飼えるか】

会社にカラスが巣を作り始めた。社の責任者として安全面とか困ったなどうしようと悩んでいたら、考えていることがカラスにバレたらしく頭を蹴られるようになった。僕の隙をついては後ろから襲い来るカラスの夫婦。
大けがをするわけではないが、爪はいたいし、体が反射的に硬直するため、何度も繰り返されると持病の腰痛が再発する。
帽子を被り防御しつつ常に後ろを警戒する日々。
カラスはしつこいと聞く。
そんな時に見つけ

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乱読のすゝめ【超圧縮地球生物全史】

乱読のすゝめ【超圧縮地球生物全史】

別に帯のジャレド・ダイアモンド超絶賛の文字に釣られたんじゃないんだからね。
「著者は万華鏡のように変化する生命のあり方をエキサイティングに描きだす。全人類が楽しめる本だ!」などとあるがジャレド・ダイアモンドの言うことだあてにはなるまい。私は疑念を抱いたまま本を手に取った。

超圧縮地球生物全史 ヘンリー・ジー著 竹内薫訳
さて超圧縮地球生物全史と称するこの本。圧縮しすぎである。38億年を一冊にまと

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乱読のすゝめ【グランドシャトー】

乱読のすゝめ【グランドシャトー】

私が初めてその駅に降りたのは1991年の2月、凍えるような寒さの日であった。極度の緊張を抱きながら降り立ったその駅はまだ子供だった私にはあまりに猥雑としていて衝撃的だった。浮浪者然としたピンサロの看板持ち。ピンサロ、ヘルス、オーラル、アナル。今では考えられない話だが普通にそんな言葉が目に飛び込んでくる街中。朝早いというのに混雑も汚らわしく思えた。
そしてその日は私にとって灰色な三年間を過ごすことが

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乱読のすゝめ【盤上のパラダイス】

乱読のすゝめ【盤上のパラダイス】

僕は子供のころから将棋が好きで下手の横好きでチョコチョコ指している。
そんな僕が表紙を見て特に考えもなしに買ったのがこの本である。将棋に関する本だろうと思ったのだが、正確には詰将棋パラダイスという雑誌に関する本であった。予想は外したものの面白そうではある。そう思ったものの読み始めてすぐに一度挫折する。所々に書かれてある詰将棋に苦戦したのである。別に解かなくても読み進めるのだが、つい考えてしまう。考

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乱読行【ネアンデルタール人は私たちと交配した】

乱読行【ネアンデルタール人は私たちと交配した】

異世界ものもすっかり流行りを超えて定着の域に達しているが、バカバカしく出オチ感のある作品の数々。
呆れながらもついつい手に取ってしまう。
多くは読んではみるもののその場限り。ネットにしろ漫画喫茶にしろある程度読んだら満足してしまう。奇抜な設定による意外な面白みが一巡すると満足してしまう。物語が途中でも次に手が伸びないジャンルだと思う。
そんな中、ふいに手にした『異種族レビュアーズ』でちょっとした衝

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乱読行【第三次世界大戦はもう始まっている】

ロシアのウクライナ侵攻が始まり一年半が過ぎ、心を痛める日々にも慣れてしまい、ウクライナを憂うことも少なくなってしまった。
それでも多くの日本人がロシアを非難し、ウクライナに同情を寄せている。
しかし中にロシアを擁護する人々もいる。鈴木宗男さんなんかは正にその例ではある。鈴木宗男さんは、言ってみれば北方領土のためなら如何なる状態であろうとロシアとの関係は良好でなければならないって考えの人だから、ある

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乱読行【頭山満ーーアジア主義者の実像】

頭山満という人物を知る人がどれだけいるでしょうか。
幕末から昭和初期の人物で、玄洋社という右翼団体の中心人物で右翼の巨魁、政財界のフィクサーと言われる人物である。
紀伊国屋書店で見つけてしまい抗えずに買ってしまったが一年ほど、積読状態に家の本棚に眠っていた。

夢野久作という小説家がいる。日本三大奇書の一つ『ドグラ・マグラ』の作者である。
少し訳あって夢野久作について調べていた。ウィキペディアその

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乱読行【語学の天才まで一億光年】

とあるyoutuberのチャンネルで知った高野秀行さんの新刊、話が面白そうなので、語学には興味はないが読んでみるのとにした。高野秀行さんが一億光年なら一兆光年だ。

語学の天才まで一億光年 高野秀行著
世界中の辺境を飛び回る高野秀行さん。その目的は無謀で荒唐無稽。ときには謎の幻獣ムベンベどったり、ゴールデントライアングルに潜入したり。
意味の分からない危険に満ちたものである。
ゴールデントライアン

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読書録【銃・病原菌・鉄】

銃・病原菌・鉄 ジャレド・ダイアモンド著
1997年刊行の学術的なノンフィクション。新世界と旧世界が衝突したときに、旧世界側が圧倒したのは何故か?文明の優劣は何で生まれたのか?
その謎に解説した名著。

これを読んで、ジャレドダイアモンドは答えありきで論を組み立てていないか?自説に都合のいい事ばかりを選んでいないか?
もちろんどんな説でも大なり小なりあるものだろうが、人種差などあろうはずがないとす

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読書録【地獄の楽しみ方】

10代後半の若者を対象にした特別講義を書籍化したこの本、京極夏彦先生が、本を読む、言葉とは、物事のとらえ方とは何かを漠然と考えるのではなく、一歩踏み込むことの大事さを説いた内容になっている。
まずこの本の面白さを語る前に、作中の一文を紹介したい。
「その本を面白がることができない自分が悪いんだと思いましょう。」
本というのは必ず面白い点があるので、それを面白がれないのであれば読む側の問題だ。言葉な

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読書録【バッタを倒しにアフリカへ】

バッタを倒しにアフリカへ 前野ウルド浩太郎

多くの日本人がアフリカ紀行ものあるあるからは逃れられない。
アフリカの洗礼、アフリカ人のいい加減さと、微塵も悪びれもせず騙しに来る逞しさ。異文化に翻弄される筆者。
出来る事ならバッタに食べられたいという奇妙な夢を持つ昆虫学者である前野ウルド浩太郎という男もやはり例外ではない。
しかしウルドはそれに憤るでも抗うでもなくただ受け入れる。
西サハラトビバッタ

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今こそ読んでほしい、この本。

『ひとはなぜ戦争をするのか』
著者 A・アインシュタイン
   C・フロイト
40年ほど前からだろうか、私が子供の頃、戦争という物があると知った当時、世界中で戦争は常にあり、いつもどこかで何かしらの戦争が行われていた。中東での戦争、アフリカでの独立戦争、内乱、紛争。様々な形の戦争が行われていた。イランイラク戦争、ソ連のアフガニスタン侵攻、フォークランド紛争。国家間の戦争も数多くあった。もちろん遠く

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読書録【最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常】

読書録【最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常】

最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常 二宮敦人

東京藝大の学生にインタビューを重ね、カオスの実態を紹介する本書。
口笛世界一から、絶叫する校長、魅力的な人たちで溢れている。
芸術の東大と呼ばれる東京藝大という物があるとは知っていたが、その実態は全く想像できないでいた。
美校、音校の二つに分かれ、2つ併せても2000人程度の学生で、それがジャンルごとに細分化されて、例えば指揮科なんかは1学

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私の読書録【料理の四面体】

私の読書録【料理の四面体】

面白いと言う評を聞いた翌日に、書店で目に留まったのがこの本である。
料理など特にしない私でありますので、普段なら絶対に買わない。例え面白いと言われても普通なら絶対に買わない。しかし面白いと言う評を聞いた翌日なら仕方がない。前日にその評を見たのも偶然なら書店に入ったのも偶然の気まぐれ、多くある本の中で私の目に留まったのもまた偶然である。ホンの偶然も三つ重なれば、私が本を買う必然になる。

料理の四面

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46歳からの読書【ひとはなぜ戦争をするのか】

ロシアがウクライナに侵攻して、21世紀にもなって悲劇が繰り返されている。
そんな折に、書店で目にしたのがこの一冊である。
ひとはなぜ戦争をするのか
A・アインシュタイン
C・フロイト
国際連盟の提案により実現した、2人の天才による交換書簡である。
交換書簡の存在は知っていたが、読んだことはない。目にしたからには読むしかない。

まずアインシュタイン先生が世界の司法を作ると言うシステム的なアプローチ

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46歳からの読書【O嬢の物語】

46歳からの読書【O嬢の物語】

人は読書により成長し、知識だけではなく思想や信念を育む。
ただの娯楽として読んだ本から大いなる知見を得て、人となりに大いなる影響を受ける事すらある。
しかし人はその人の資質で、読書傾向があり、つい避ける類であったり、手にすることすらない数多の本が世には溢れている。世界的名作とは知ってはいたものの今まで触れる事すらなかった本がある。ポルノである。

O嬢の物語 ポーリーヌ・レアージュ

物語はO嬢が

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