ハヤシヨウヘイ

2015年にイタリアへと渡り、現在北の地方都市ピアチェンツァ在住の料理人。 イタリア郷…

ハヤシヨウヘイ

2015年にイタリアへと渡り、現在北の地方都市ピアチェンツァ在住の料理人。 イタリア郷土料理が大好きで、各地を巡った経験とイタリアからの生の声を配信していきます。

記事一覧

一料理人、ナポリへ帰る

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 私がイタリアではじめて給料をもらって働いたのはカンパーニャ州のTorre del Saracino というお店でした。 ソレント寄りの町だったので…

4

イタリア滞在記録②ブラーノ島-ベネツィア

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 先日フランスに留学中の友人がイタリアまで旅行に来ていました。 ベネツィアで落ち合って、少し珍しいムラーノ島まで足を運びましたので…

4

イタリア歴史探訪②Piacenza

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 先回に続いて、これまで5年ほど暮らしていたPiacenzaピアチェンツァについてその歴史と併せて触れていきたいと思います。 ピアチェンツ…

6

イタリア歴史探訪①RIMINI

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 これまでイタリア生活、料理人としての体験を主に書いてきましたが、実は私は歴史が好きで、その中でも考古学が特に好きなんです。 イタ…

4

イタリア滞在記録①Rimini

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 今日は4月に引っ越してきたRiminiリミニという街を少しご紹介。 リミニってどんな町? リミニとはエミリアロマーニャ州の東の端、ア…

5

一料理人、転職するPIACENZA → RIMINI

ご無沙汰しています、ハヤシヨウヘイです。 実は先日四月終わりに転職しまして、五年暮らしたPiacenzaピアチェンツァから同Emilia-Romagnaエミリアロマーニャ州のRiminiリ…

一料理人、イタリアでサルミつくり③~サルミ編

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 時間があいてしまいましたが、前回生ハムづくりの様子、今回はその他のサルミ類について。 豚一頭から作られるもの イタリアのかつての…

一料理人、イタリアでサルミつくり②~生ハム編

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 長期休暇に行った研修先のサルミ工房、一件目はシエナにあるTENUTA DI SPANNOCCHIAスパンノッキア農園です。 スパンノッキア農園 こち…

一料理人、イタリアでサルミつくり①

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 カステッリーナ・イン・キャンティでの暮らしは一年にわたりましたが、イタリアならではの長期休暇がありました。 晩秋から冬にはお客さ…

一料理人、畑を耕す

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 トスカーナはカステッリーナ・イン・キャンティでは一年の時を過ごしたのですが、レストランの外では、つまり日常生活はどのようにすご…

冬、狩りの季節

秋も深まってくると、狩猟が解禁され始めます。 フランス語、または日本語ではジビエと呼ばれますが、イタリア語では ”Cacciagione カッチャジョーネ” と呼ばれます。…

一料理人、山の料理の更なる深みへ

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 カステッリーナ・イン・キャンティにきて、トスカーナ料理を学び始めた私は、その更なる深みへとはまっていくとこになります。 現代は…

一料理人、トスカーナ料理にであう

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 カステッリーナ・イン・キャンティの 'Albergaccio di castellina' で働き始めて郷土料理の奥深さや、その土地で採れたものを使うという…

一料理人、キャンティのレストランへ

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 ナポリをあとにした私がいく、次なるレストランは再びトスカーナ州。 カステッリーナ・イン・キャンティという赤ワインで有名なキャンテ…

イタリアでパン作り①

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 体験記の途中ですが、今のお仕事の話を少し。 現在、私が働いているのは昼夜合わせて100‐120名ほどのお客さんが来る中規模のレストラ…

一料理人、ナポリとの別れ

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。 早いもので一年の内の半年が経過し春となりました。 このころに新たに日本人コックが入り、私は仕込み時間もキッチンで働くようになりま…

一料理人、ナポリへ帰る

一料理人、ナポリへ帰る

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
私がイタリアではじめて給料をもらって働いたのはカンパーニャ州のTorre del Saracino というお店でした。
ソレント寄りの町だったのですが、休日にはよくナポリへ行ったものです。
そんなわけで私自身かなり馴染みのある都市ナポリへ、今回は出張で8年ぶりにやってきました。

ナポリって

ナポリ、イタリアでも5本の指に入る大都市です。
その魅力は「ナポリを見

もっとみる
イタリア滞在記録②ブラーノ島-ベネツィア

イタリア滞在記録②ブラーノ島-ベネツィア

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
先日フランスに留学中の友人がイタリアまで旅行に来ていました。
ベネツィアで落ち合って、少し珍しいムラーノ島まで足を運びましたので、ご紹介していきます。

ムラーノ島、どこにある?

ムラーノ島とはベネツィアの数ある群島の一つ、船バスでベネツィア・サンタルチア駅から30分ほどで到着します。
ベネツィアといえばゴンドラと歌う舟漕ぎが有名ですが、一般的に移動に使われるの

もっとみる
イタリア歴史探訪②Piacenza

イタリア歴史探訪②Piacenza

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
先回に続いて、これまで5年ほど暮らしていたPiacenzaピアチェンツァについてその歴史と併せて触れていきたいと思います。

ピアチェンツァ、どんな町?

ピアチェンツァはエミリアロマーニャ州の西の端、西にはロンバルディア州のミラノと隣接する県です。
町自体はそこまで大きくはなく有名な町ではありませんが、大河ポー川に接しその土地の立地上、物流拠点となっており多くの

もっとみる

イタリア歴史探訪①RIMINI

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
これまでイタリア生活、料理人としての体験を主に書いてきましたが、実は私は歴史が好きで、その中でも考古学が特に好きなんです。
イタリアという国の歴史は古く、各地に遺跡や歴史的建築物が残っています。(ここは木造建築の日本と石造のイタリアの違いでしょうか)
古代ローマのお話なんか胸が熱くなりますよね。

各地に残る歴史的建築、ここリミニでも例外ではなく、いくつかの遺跡や

もっとみる
イタリア滞在記録①Rimini

イタリア滞在記録①Rimini

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
今日は4月に引っ越してきたRiminiリミニという街を少しご紹介。

リミニってどんな町?

リミニとはエミリアロマーニャ州の東の端、アドリア海に面する海岸のきれいな町です。
夏になると、国内外から多くの人が訪れるバカンス地としても有名です。
また漁業が盛んで、市民にも開放されている町中の大きな市場はとても活気があります。
世界で5番目に小さな国、サンマリノ共和国

もっとみる
一料理人、転職するPIACENZA → RIMINI

一料理人、転職するPIACENZA → RIMINI

ご無沙汰しています、ハヤシヨウヘイです。
実は先日四月終わりに転職しまして、五年暮らしたPiacenzaピアチェンツァから同Emilia-Romagnaエミリアロマーニャ州のRiminiリミニという町へ引っ越しました。

エミリアロマーニャ州って?

ここ五年ほど暮らしているこの州、簡単に説明しますね。
エミリアロマーニャ州とは西のエミリア地方と東のロマーニャ地方があわさって一つとなったイタリアで

もっとみる

一料理人、イタリアでサルミつくり③~サルミ編

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
時間があいてしまいましたが、前回生ハムづくりの様子、今回はその他のサルミ類について。

豚一頭から作られるもの
イタリアのかつての伝統的な習慣として冬に1,2頭ブタをつぶしてサルミつくりをしますが、ここスパンノッキア農園の仕事はまさしくそれです。
月曜に3頭の豚を処理、工房に持ち帰って大きくパーツごとに分割していきます。
その日に生ハムの処理をしてしまうことは前回

もっとみる
一料理人、イタリアでサルミつくり②~生ハム編

一料理人、イタリアでサルミつくり②~生ハム編

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
長期休暇に行った研修先のサルミ工房、一件目はシエナにあるTENUTA DI SPANNOCCHIAスパンノッキア農園です。

スパンノッキア農園

こちらのスパンノッキア農園、農園というだけあって行われているのはサルミだけではありません。
野菜やハーブなどの畑、ワインやオリーブづくり、そして豚の飼育まで行っています。
昔ながらの初めから終わりまで一通りすべて自分た

もっとみる
一料理人、イタリアでサルミつくり①

一料理人、イタリアでサルミつくり①

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
カステッリーナ・イン・キャンティでの暮らしは一年にわたりましたが、イタリアならではの長期休暇がありました。
晩秋から冬にはお客さんが全く来ないので、11月末から2月まで驚きの、併せて3か月の超長期。
その間にも、年越し時期やバレンタインデーなどに何度か戻って営業していたのですが、日本人の私からすればそれでも驚き。
今の職場は夏冬2週間ずつしかないので、3か月はイタ

もっとみる
一料理人、畑を耕す

一料理人、畑を耕す

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
トスカーナはカステッリーナ・イン・キャンティでは一年の時を過ごしたのですが、レストランの外では、つまり日常生活はどのようにすごしていたのか。

カステッリーナでの日常

以前に書いた通り、Albergaccioは典型的な家族経営のお店で、時期によってはプラス2,3人のスタッフが入ります。
そのため、まかないも家族の食卓のようなもので、ワインがあることも珍しくありま

もっとみる
冬、狩りの季節

冬、狩りの季節

秋も深まってくると、狩猟が解禁され始めます。
フランス語、または日本語ではジビエと呼ばれますが、イタリア語では ”Cacciagione カッチャジョーネ” と呼ばれます。
彼ら自身は狩りにはいきませんでしたが、友人がたまに獲物をもってやってきていました。
よくあったのはイノシシ、シカ、山バトですね。
これを煮込みやグリルでセコンドとして提供するわけなんですが、やはり肉屋で売られているものとは一味

もっとみる
一料理人、山の料理の更なる深みへ

一料理人、山の料理の更なる深みへ

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
カステッリーナ・イン・キャンティにきて、トスカーナ料理を学び始めた私は、その更なる深みへとはまっていくとこになります。

現代は便利なもので、インターネットを使えば多くの郷土料理を探し出すことができます。
フィレンツェなどでも見かける有名なものから、ある一つの町でしか作られていない珍しい料理まで、多かれ少なかれ、書いている人がいるものです。
しかしここAlberg

もっとみる
一料理人、トスカーナ料理にであう

一料理人、トスカーナ料理にであう

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
カステッリーナ・イン・キャンティの 'Albergaccio di castellina' で働き始めて郷土料理の奥深さや、その土地で採れたものを使うということの意味を考え始めます。



イタリアの郷土料理とは
イタリア料理は、その多くがその土地その土地の郷土料理で構成されています。
山では狩猟で採れる素材、海沿いでは魚介類、北ではバターやトウモロコシのポレン

もっとみる
一料理人、キャンティのレストランへ

一料理人、キャンティのレストランへ

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
ナポリをあとにした私がいく、次なるレストランは再びトスカーナ州。
カステッリーナ・イン・キャンティという赤ワインで有名なキャンティ地方、丘陵地帯の中に位置する’Albergaccio di castellina’というお店です。
今はなくしてしまいましたが、かつてはミシュランの一つ星でもあったレストランです。

キャンティ地方・CHANTIとは

キャンティ地方は

もっとみる
イタリアでパン作り①

イタリアでパン作り①

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。

体験記の途中ですが、今のお仕事の話を少し。
現在、私が働いているのは昼夜合わせて100‐120名ほどのお客さんが来る中規模のレストランです。
営業ではプリモピアット(パスタやリゾット)を担当するのですが、今回は仕込みの主な仕事”パン作り”についてお話していきます。

イタリアと日本のパンの違い日本ではパンというと食パンやコッペパン、菓子パンに総菜パン、味のついた

もっとみる

一料理人、ナポリとの別れ

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
早いもので一年の内の半年が経過し春となりました。
このころに新たに日本人コックが入り、私は仕込み時間もキッチンで働くようになります。
SECONDO・メインの仕事を任されるようになるのですが、ここからが本格的に仕事が始まったといえたのかもしれません。

ある意味それまでは、魚の処理をしていればいいだけだったのでしょう。
”できる仕事の熟練度を上げていく”のが、”初

もっとみる